【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！｜リアクション

【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！

「いやね、普段からぬこに近づけないし、近づいても逃げられてるからね？
　さらにこう言うイベントのときは警戒強まるってのもわかるよ？
　でもだからって、いつもの３倍以上警戒強まらなくって良くない？　しかもうち限定で！
　なんだよ！　近場いく前から既に大脱走って！　目測30Ｍ以上あっても逃げるってなんだよ！
　他の人がうちの通常運行並なのに、うちだけなんで３倍なのか……」

　なぜかいつも会う猫ほぼ全てに避けられている黒兎都は、やっぱり今日も会う猫のほぼ全てに避けられて号泣していた。
　寝子島のお三夜まつりに興味を示した都は、あやす意図でもないのにはたきでパタるとはどんなもんなのかってことでちょっと見物兼もふり…ゲフン…守りに来たつもりだったのだが、現実は非情であった。
　
「うちはパタる気なんかないし、むしろパタられてる方（黒い猫耳パーカー常備）だからお仲間だろ！
　なんでぬこそんなに逃げるんだよ、ちくせぅ！」

　そう言っている間にも猫に逃げられ、通りすがりの参拝客にパタパタされる都だった。

「うぐぅ、こう言うイベントだからはたきもってなければ唯一の救いって思って近寄らせてくれるかと思ったのに…
　そのために煮干だって巾着にいっぱいつめてもってきたのに…
　何でこうも避けられ続けるんだよ、ちくせぅ！！」

　悔しさのあまり語気が荒くなり、メラメラと怒りのオーラに包まれた都。その殺気を感じて猫たちはますます都から逃げ出すのであった。
　このあまりの惨状に都は作戦を変える事にしてみた。

「さっきも言ったがパタる気ないし！　むしろ守ってあげようかなとか思ってたのに！
　いやまぁこうちょっとなでなでもふもふ出来ればなぁとか下心はあるかもしれないけど！」

　煮干しを手に持っておいでおいでとフリフリしてみる。怒りのオーラも消して笑顔も忘れない。

「お願いです、もふらせてください。
　こう言うときくらい、甘い顔してくれてもいいじゃないですか。
　ほら、おやつもあるよ？　だからちょっと位もふらｓ……うなあああああああ！　また逃げられたああ！！」

　都が目的を達成するには、まだまだ簡単にはいかないようだった。

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