【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー｜リアクション

【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー

69.

　コメディエアーの、最深部。
　鐘つき堂の頂上に、八神修はいた。
　彼に珍しく、焦燥の色が濃い。
　予想外の出来事が多すぎた。あまり変数が多いのは、好きじゃない。
　他の二人も、まだここにたどり着いていなかった。
　体が重い。指一本動かしたくない。
　
　そこに、人影が現れた。
　屋敷野梢。
　神野美野梨。
　新井すばる。
　生物部の一同だった。

　彼方の稜線に、夕日が沈む。
　東の空から、夕闇が押し寄せてくる。
　なんだか空気が重ったるい。
　コメディエアーが芳醇になり、夜の気配とまじりあっているのだろうか。
　濃密、コメディエーテルとでも言うべき、気体と液体、両方の存在だ。
　夜気が湿っていた。気配に満ちていた。
　夕立ちでも、あるのかもしれない。

　――どうします？
　あまり気のりしなさそうに、梢が問うた。

　――いや、もういいだろう。時間がない。

　そう修が言うと、鐘が重々しく鳴った。

　同じ時刻、体育館の壇上。
　ジャッジ５人が姿を見せた。

「そこまで！」エヴァ・ブランシェが高らかに告げた。「コメディエアー、ここで終了です！」

　階段の途中で、日暮ねむるはがくんと項垂れた。
「ゲームセット……」顔を仰ぎ、ふわりと笑う。「さすがにバテたね。ねむるさんもうくたくただよ」

　種田凜乃も笑う。
「あ……だるだる……」ふっと夢みるような微笑が、少女の顔を彩った。「けど、後輩に頼まれちゃ仕方がない。これも、先輩の義務っしょ」

　修がなんとも言えない顔で、梢に言う。
「焼き肉パーティをやるんだけど、一緒にどうだ？」
　