秋深まる午後、寝子高の全校生徒は講堂に集まって
生徒会総会が開催された。
一部の教師陣が見守る中、新しい生徒会役員によって学校に関連するさまざまな報告、連絡などが行われていく。
書記の
呉井 陽太、
八重崎 五郎八が用意した資料が配られ、副会長の
八神 修、
屋敷野 梢による校則の確認、委員会や公認クラブの活動内容などさまざまな連絡があり、会計の
早坂 恩、
エヴァ・ブランシェからは公認クラブの予算などについての報告が滞りなく終了した。
そこで、これまで静かに行儀良く話を聞いていた風紀委員長の
北風 貴子がハッと目を見開いた。
「なにか、気分がおかしいわね」
それもそのはず、神魂の影響で寝子高全体がコメディ的死んでも死なない世界観な空気、通称“コメディエアー”に溢れているのだ。
コメディエアーを吸い込んだ貴子はいつもの真面目っぷりとは大違いの白い歯を見せた笑顔でワクワクドキドキ、鼻息も荒い。
「いよいよ始まるのね!」
「えー? 北風センパイ何言ってんすか? 総会なんて、そろそろ終わりでしょう?」
まだコメディエアーの吸い込みが足りない帰宅部の1年生を制し、貴子は(見てごらん)とばかりに視線を送る。
すると会場のあちこちで、立ち上がる生徒たちの姿。
野球部は立ち上がり、予告ホームランのようにバットを掲げる。
バスケ部は不敵な笑みでボールを指先でくるくると廻し、
天文部は望遠鏡をサッと構えてズームアップ!
生物部は骨格標本をカタカタ動かして不気味なダンス。
「な、なんっすか、これは……!」
貴子は隣の何も知らぬ1年生に、教えてやるのだった。
「半年過ごしたくらいで、この高校について分かったつもりでいるなら、大間違いね」
「いや、別に分かったつもりとは言ってな――」
「ここからが本番よ」
生徒会長の
志波 武道がいよいよ壇上にあがると、歓声が沸き起こる。会長はそれを制すように手をかざすと、静かに語り出した。
「みんな、落ち着いてくれ。知らない1年生もいるから、説明が先だ」
バットやボールがおさめられ、骨格標本がカタカタ鳴りながら着席する。
会長の説明によると、先ほど会計の2人から説明のあったクラブごとの来年の予算分配は、クラブに割り当てられた全予算のうちの【半分】ということだ。適切に公平に割り振ってあるのは言うまでもないが、では、残り半分は?
そう、その【残り半分】が問題だ。
これが毎年恒例の生徒会総会の一大イベントというわけだ。
「こういう決め方には異論もあるだろうが……いかんせん伝統は伝統だ。守らなきゃな。そして……」
いよいよ会長もコメディエアーを吸ってしまったのか、マイクを握る手が一段と強くなる。
「やるからには、思いきりやろうじゃないかー!」
うおおおお~!
歓声が地鳴りのように講堂を包んで、異様な熱気を帯びていく。
会長は上着を神速果敢に脱ぎ去って声を張り上げた。
「いくぞ! クラブ対抗! 部費争奪戦ッ!! フォーッ!!!」
雄叫びと同時に舞台の天井から無数の風船がドバッと落ちてきて、会場は完全にお祭り騒ぎの様相を呈していくのだった。
こんにちは。
生徒会役員のみなさん、ガイドの登場ありがとうございます。
生徒会主催の行事を勝手に進めてすみません。毎年恒例の行事&コメディエアーが漂ってるので、お許しを。
というわけで、今回は 部費争奪戦 byコメディエアー です!
部費争奪戦のルール
今年の競技は、風船割りです。
コメディエアーの影響で一部ルールが高校生らしからぬものになっていますが気にしない!
▼勝敗の決め方と予算分配
・3人1組でチームを組んでエントリーします。
・自分のチームの風船が割れないように守りつつ、他のチームの風船を割っていきます。
(自分でうっかり割ってしまっても、割られたのと同様の扱いとなります)
・最終的に、割れずに残った風船の数の多さで勝敗を決めます。
・複数のチームがエントリーしてるクラブの場合、最も成績の良いチームの風船の数が採用されます。
・予算の割り当ては参加したクラブの数などによるけど、具体的な数字は大人の事情でぼかされます。
優勝したら「例年より潤沢だな。新しいハイテク練習器具を買っちゃおう!」
ビリだったら「予算がギリギリですね。飼育する生物の数を減らしましょうか。(どんより……)」
という感じで今後のロールプレイに生かして楽しみましょう。
(全体予算の半分は通常通り割り当てられているので、ある程度の活動はできます。ご安心を)
▼装備と道具
・1人につき風船を2つ(1チームにつき6つ)体にヒモで結んでつけます。
・風船のつける位置は自由ですが、一度つけたら変更不可です。
・風船を隠す、割れにくいように加工を施す、空気を抜いて小さくする、などのカッコ悪い行為はダメ。
・ユニフォームなど、クラブをイメージした衣装・装備をします。
剣道部なら胴着、サッカー部ならユニフォーム、生物部なら虫取り網など。
同じクラブの他のチームと同じでも別々でも問題ありません。
コメディエアーを吸ってるはずなので、PCさんは競技に不利かどうかは一切気になりません。
・全員がチーム名の入った腕章をつけます。
・道具は何を使ってもいいし、物を投げて風船にあてて割ってもいいです。
・クラブに関係ある道具(かつ風船を割るのに適さない道具)を使うと、成功率があがります。
コメディエアーの影響か、華道部が一輪挿しを投げるとキレイにとんでいきます。
・射撃部や弓道部の飛び道具は、通常時より性能または競技者の腕が下がります。
強すぎるからコメディエアーによる調整が入っているようです。
・怪我は、体がぺちゃんこになってもエアガンが当たっても、最終的には大丈夫です。
すぐ治ったり、保健室直行だったり、終了後に治ったり(展開の都合次第で)いろいろです。
▼エリア
・エリアは、寝子高の敷地内すべて。
・スタート地点は、エリア内ならどこからでもよい。
・チームのメンバーは一緒に行動しても、バラバラに行動しても構わない。
ケータイなどで連絡をとりあってもいい。
・どこかに隠れてもいいけど、同じ所に3分以上とどまると何故か「シュワッチ」と叫んで走り出してしまいます。
・部屋などに忍び込んでもいいけど、鍵はかけられません。あるいは、タイミング悪く壊れます。
▼審判と中継
・有志による審判団と実況中継部隊がいます。(チームに属さないPCさんはアクションで指定OK)
・審判はどこにでも出没するので、インチキはできません。
ただし、楽しいインチキは認められる場合もあります。結果的には失敗に終わる確率が99%ですが。
・その他、たとえルールになくてもズルい、セコい、カッコ悪い戦い方の場合は、失敗する確率があがります。
・実況中継部隊は、校内放送とネコネコ動画での生放送を行います。
その様子を見たり聞いたりしていると、残ってるチームの風船の数がわかることもあります。
▼公認クラブの注意
・シナリオガイド公開時点で「公認クラブ」として認められていることが条件です。
※ご利用ガイド/寝子島高校とは(2)の中程に「公認クラブ」が記載されています。
・公認クラブからは何チームでもエントリーできます。
・同じクラブのチーム同士で協力することもできます。
ただし、ひたすら1チームを頑丈に囲んで守りぬく、みたいなセコい作戦が成功する確率は1%です。
▼公認クラブ以外の注意
・非公認クラブ、同好会などもそれぞれ1チームだけエントリーできます。
・シナリオガイド公開時点で「コミュニティ」として存在していて、寝子高で活動していることが条件です。
・事前にコミュニティなどで相談して、出場者を決めてください。
▼その他の注意
・クラブを掛け持ちしている場合、1つのチーム(クラブ)にしか参加できません。
・生徒会役員は、各クラブのチームとして参加するか、審判や進行役などとして参加するか、どちらかです。
・親しいクラブ同士で協力することはできません。こっそりやると、失敗する確率があがります。
・参加者が非常に多い場合、運動部と文化部の2部制になったり担当マスターが追加される可能性があります。
アクションのお願い
▼「キャラクターの行動」欄に書いてほしいこと
・クラブ名とチーム名
例:【文芸部/チーム芥川賞候補】【バドミントン部/アガサラ族】
・風船をつける位置
例:両足首に1つずつ。竹刀の先に1つと面の上に1つ
・攻撃方法
なるべく具体的に。
例:背後から近づいて手に持った剣山で直接刺す。屋上から新聞をまるめて投げる
・防御方法
なるべく具体的に。
例:ビート板でサッとガード。気合いの雄叫びでひるませる。
・居場所や移動の仕方
特にこだわりがない場合は記入不要です。
また、記入があっても展開次第ではアクションにない場所にも行ってもらうことがあります。
例:校長室に隠れて猫をかわいがる。グランドをひたすら走り回る
▼NPC
基本的には、出てきません。
必要に応じて誰かが出ることもありますが、アクションで希望を書くのはお控えください。
それでは、みんなで楽しくコメディエアーを吸ってピーヒャラピーピーとやりましょう~♪