【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー｜リアクション

【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦ｂｙコメディエアー

68.

　――うおおおおおおっ！！

　高らかな声とともに、駆け込んでくるのは、演劇部２チーム。
　
　新撰組、侍、姫忍者。
　獅子、黒猫、木こり。

　演劇祭でも、そのチームワークの良さを見せつけた。
　見せつけるは獅子のプライド。Ａ　pride　of　lion！

　――我ら、演劇部！

　雨龍雛は、この部費争奪戦を、舞台にできないかと考える。
　妙にせわしない、ドタバタしたものになるだろう。
　いっそ、アクションミュージカルなんていうのも楽しそうだ。
　なんといっても、ほら――今バトルしているところが、舞台みたいですよ！

　揃いの武器である、台本を取り出す。それぞれ内容は違うが、きっと見る夢の煌きは同じ。
　
　狙いすましたように殺到する武器。
　花、ハンマー、新聞、バトン、などなど。
　夕莉は台本を構え、それらに備える。
「これは何よりも思い、大事な密書なのだ！」裂帛の気合。「そんな攻撃で敗れはせん！」
　Ｂ５サイズの表紙に、あらゆる武器がつきささる。
　ヒラリと紙がまくられ、それらが吹き飛ぶ。
　仲間をまとめ、仲間が笑顔になることを誰よりも喜ぶ、演劇部部長の思いの発露であった。

　抜刀する麗仁。正統派の剣戟は、華道部の花を浴びて、凄惨なまでに美しい。
　神妙の居合の技が、一撃で壁を吹き飛ばす。
　
　ヤマト撫子の、七変化！
　テントが即座に展開、「ＫＥＥＰ　ＯＵＴ！」の立て札が立てられ、すぐさま飛び出す圭花。
　ジャンプしてマキ割りブレードロール。
　間髪入れずに再びテントに飛び込み「ＫＥＥＰ　ＯＵＴ！」。
　飛び出す圭花。無数の毒林檎が、矢継ぎ早に投げられる。
　雨あられと降り注ぐリンゴ。

　由貴奈はスポットライトで相手をほんろうし、台本で攻撃し続ける。
　影から影へ、戦闘モードでも夏朝のチェシャ猫は手ごわい。
　ナイフの爪を光らせ、敵の隙間を縫って駆け抜ける。

　打ち倒されていく、有象無象のクラブ軍団。

　迎え撃つは探検部。
　被った猫のぬいぐるみから、杖を突き出すみゆき。
　素早く躱しつつ、台本で一撃をくわえる夏朝。
　猫対猫！　人知を超えた、獣のバトルだ。

　事ここに至って、手段は選んでいられない！
　士は指を素早く三度スナップ。
　講堂上空に黒雲が巻き、雷撃の柱が突き立つ。
　士のろっこん「天の救い」。モード・コメディエアー。
　小規模な範囲での天候の変化が可能。
「霰でも雹でも、降らせてやるさ」

　吹き荒れる嵐の中、士は表で拾った栗を投げつける。
　軌道の読めない栗は、激しく巻き上がり、相手に突き刺さる。
　近距離、遠距離ともに隙のない演劇部。
　だが、乱数の大きいこの攻撃は、予想外。
　環境が煮詰まった時点で「ランダム要素のある効果」が、思わぬ力を発揮するのは、トレーディングカードゲームなどでもよくあること。　
　そして、いかなる環境の変化にも耐えうるのが、探検部の強味だ。
　サバイバル能力の高さ。
「二人の力で、いいチームができた」豪が静かに笑った。「感謝してる」
　片端から罠を仕掛け、引っかかった相手を無差別に吊り上げる。
　すでにろっこん発動済み。
　熱いファイトが身中に燃える。
　
　どれほどたくさんの相手でも、
　どれほど大柄な男子でも、
　仲間の思いに比べれば……。

　――『軽いぜ！』

　吊り上げられた縄は、地面に括りつけられる。
　あちこちで湧き上がる悲鳴。若干楽しそうなのは気のせいか。

　乱舞する演劇部に、華道部が花をまき散らして激突、めくるめく戦いの中、再び復帰した軽音楽部が爆音を奏で、ロックミュージックに合わせ、陸上部が攻め込み……。
　