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【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦 ｂｙコメディエアー
49.
「コメディエアー、中央情報局のコーナー♪」
陽気なサンバ調の曲と一緒に八重崎 五郎八と大田原 いいながアナウンス。
観客席が猛然と湧く。
「だいぶ入り乱れてきました、コメディエアー！」
「ゴチャゴチャになっとるのう」
「いくつか整理してきましょう」さらりと髪を流し、サインペンを手に取る五郎八。
ホワイトボードには、参加者の名前、チーム名などが几帳面に記されている。
「先ほどの水泳部の大技、それからジャッジによるコメディエアー裁判以後の展開ですが……」
きゅぽ、とサインペンのキャップを取る。
「まず陸上部。竜巻をまともに受けた彼らですが、男女合わせて風船２つロストです。
大技を繰り出した水泳部、風船３つロストし、校舎内で逃げながら戦っているようですね」
「逃げながら戦うのは、コメディエアーの加護を受けなくなる」志波 武道が分析する。「ここが正念場、ってトコだね」
「逆に乗り始めたのが射撃部と探検部。コメディエアーが『温まる』ことにより、じわじわ効いてくるタイプのこのチームが伸びています。ともに序盤で失った風船１つのみ」
「ジャッジとしては、どう思うかな？」いいながジャッジに水を向ける。
うーん、と早坂 恩が苦笑する。
「一生懸命な人達は平等に応援したいわ。でも、悪い子には、厳しくしないとねー」
……とは思いつつ、と溜息をつく。
昨年入院中で、その前は部活動に不参加だった恩。
「初めて参加組として関われる」と、張り切っている。
だが、あまり前に出るよりも、他の生徒会メンバーが生きてくるようにしたい。
陽太のジャッジも手伝い、エヴァの執行にも加わる。
こうして五郎八と一緒に、番組の手伝いもする。
世話好きの彼、こうしていられるのが楽しいのだ。
「新聞部は生物部と遭遇、戦闘した模様です。
多彩な戦略を誇るバランス型、最終的には……演劇部の【ぶち組】ですね……こちらが参戦して、まだ終結していないらしいです」
「生物部では、覚醒を果たした者もいたらしいの」
「コメディエアーではよくあることです。新聞部、風船２個ロスト、生物部、風船３個ロスト」
――覚醒した、パワーアップしたけれど、使い勝手の面で結局戻したりする。
よくあることだ。
「演劇部【時代劇】は、近接戦闘最強の破壊力を生かし、ばたばたと当たるを幸い、演劇空間に引きずり込んでしまうようです。トリッキーな【ぶち組】とは対照的ですね。
【ぶち組】が本格的にことを構えるのは、これが初めてでしょうか……」
「同じ女子として、期待ね」高梨 彩葉が一言付け加える。
「そのほか、最大火力であちこち荒らしまわる華道部も、風船１個ロストで突き進んでいます。
固定砲台として、攻撃を撃ちまくるスタイルの軽音楽部、風船１個ロスト。
大まかなところとしては、このような形でしょうか。」
「予断を許さんな」
「それではここで、曲入りまーす！」
ジングルが入り、軽音楽部の新曲『サンプンカン』が流れ始める。
一息ついた五郎八に、熱いお茶が差し出される。
礼を言ってコップに口をつける五郎八、僅かに眉をしかめる。
「猫鳴館特製、ドクダミ茶じゃ！」
水筒から紙コップに注ぎつつ、いいなが笑いかける。
ドクダミ。それも濃厚で、汁のような深み。
もう一口、飲んでみる。
渋くて苦いが、その清涼感が、疲労した躰を突き抜けていくようで、心地よい。
慣れてしまえば、独特の風味も、むしろ味わい深い。
「意外と飲みやすく仕上がったのう」
茶葉に湯を注ぎこむと、くるくると細片が舞い踊る。
一気に飲み干すと、鼻の奥にぬくもりと風味が溜まって、自分がこれほど疲労していたのだと実感させられる。
鎮静作用。コメディエアーと相性のよいお茶だ。
「んむ？ この茶は如何様にして作ったかとな？」
観客席にも振舞われるドクダミ茶。質問が飛んだ。
「猫鳴館に自生しておるドクダミ。これをな」いいなが葉を掌に取る。「摘んで、洗って、干して煎じたのじゃ」
さらりと言ってのけたが、これは実に手間のかかる作業だ。
ドクダミはデリケートな草花である。緻密で繊細な作業が必要になる。
根気とセンスのたまものであった。
「和菓子が合いそうね」
「おおう、それよ！」いいながプラスチックケースを取り出す。「旧市街にある、和菓子屋。ここの塩大福と味わうと、絶品なのじゃよ！」
皆にも味わってもらおうと、大量に用意した塩大福が振舞われる。
五郎八、観客、休憩に来た中継スタッフ、皆がドクダミ茶を啜り、塩大福にかぶりつく。
「これは……甘いというより、上品だな……」
志波 武道が寸評をくわえる。
「これが……塩大福……」鴻上 彰尋が驚愕に目を見開く。「そのあたりのコンビニで買うのと全然違う……黒檀の餡に、水晶の餅……豆の香りと、さわやかな塩加減で、まったくしつこくない……」
「ヘルシーってことで、お菓子に手が出しにくい女の子にも、オススメかな？」製菓部で、趣味がお菓子作りの高梨 彩葉も、これには納得である。
一斉にお菓子の実況を始める実況班。
――ドクダミ茶と塩大福でなごんでいる間にも、戦局は動く！
「コメディエアー、中央情報局のコーナー♪」
陽気なサンバ調の曲と一緒に八重崎 五郎八と大田原 いいながアナウンス。
観客席が猛然と湧く。
「だいぶ入り乱れてきました、コメディエアー！」
「ゴチャゴチャになっとるのう」
「いくつか整理してきましょう」さらりと髪を流し、サインペンを手に取る五郎八。
ホワイトボードには、参加者の名前、チーム名などが几帳面に記されている。
「先ほどの水泳部の大技、それからジャッジによるコメディエアー裁判以後の展開ですが……」
きゅぽ、とサインペンのキャップを取る。
「まず陸上部。竜巻をまともに受けた彼らですが、男女合わせて風船２つロストです。
大技を繰り出した水泳部、風船３つロストし、校舎内で逃げながら戦っているようですね」
「逃げながら戦うのは、コメディエアーの加護を受けなくなる」志波 武道が分析する。「ここが正念場、ってトコだね」
「逆に乗り始めたのが射撃部と探検部。コメディエアーが『温まる』ことにより、じわじわ効いてくるタイプのこのチームが伸びています。ともに序盤で失った風船１つのみ」
「ジャッジとしては、どう思うかな？」いいながジャッジに水を向ける。
うーん、と早坂 恩が苦笑する。
「一生懸命な人達は平等に応援したいわ。でも、悪い子には、厳しくしないとねー」
……とは思いつつ、と溜息をつく。
昨年入院中で、その前は部活動に不参加だった恩。
「初めて参加組として関われる」と、張り切っている。
だが、あまり前に出るよりも、他の生徒会メンバーが生きてくるようにしたい。
陽太のジャッジも手伝い、エヴァの執行にも加わる。
こうして五郎八と一緒に、番組の手伝いもする。
世話好きの彼、こうしていられるのが楽しいのだ。
「新聞部は生物部と遭遇、戦闘した模様です。
多彩な戦略を誇るバランス型、最終的には……演劇部の【ぶち組】ですね……こちらが参戦して、まだ終結していないらしいです」
「生物部では、覚醒を果たした者もいたらしいの」
「コメディエアーではよくあることです。新聞部、風船２個ロスト、生物部、風船３個ロスト」
――覚醒した、パワーアップしたけれど、使い勝手の面で結局戻したりする。
よくあることだ。
「演劇部【時代劇】は、近接戦闘最強の破壊力を生かし、ばたばたと当たるを幸い、演劇空間に引きずり込んでしまうようです。トリッキーな【ぶち組】とは対照的ですね。
【ぶち組】が本格的にことを構えるのは、これが初めてでしょうか……」
「同じ女子として、期待ね」高梨 彩葉が一言付け加える。
「そのほか、最大火力であちこち荒らしまわる華道部も、風船１個ロストで突き進んでいます。
固定砲台として、攻撃を撃ちまくるスタイルの軽音楽部、風船１個ロスト。
大まかなところとしては、このような形でしょうか。」
「予断を許さんな」
「それではここで、曲入りまーす！」
ジングルが入り、軽音楽部の新曲『サンプンカン』が流れ始める。
一息ついた五郎八に、熱いお茶が差し出される。
礼を言ってコップに口をつける五郎八、僅かに眉をしかめる。
「猫鳴館特製、ドクダミ茶じゃ！」
水筒から紙コップに注ぎつつ、いいなが笑いかける。
ドクダミ。それも濃厚で、汁のような深み。
もう一口、飲んでみる。
渋くて苦いが、その清涼感が、疲労した躰を突き抜けていくようで、心地よい。
慣れてしまえば、独特の風味も、むしろ味わい深い。
「意外と飲みやすく仕上がったのう」
茶葉に湯を注ぎこむと、くるくると細片が舞い踊る。
一気に飲み干すと、鼻の奥にぬくもりと風味が溜まって、自分がこれほど疲労していたのだと実感させられる。
鎮静作用。コメディエアーと相性のよいお茶だ。
「んむ？ この茶は如何様にして作ったかとな？」
観客席にも振舞われるドクダミ茶。質問が飛んだ。
「猫鳴館に自生しておるドクダミ。これをな」いいなが葉を掌に取る。「摘んで、洗って、干して煎じたのじゃ」
さらりと言ってのけたが、これは実に手間のかかる作業だ。
ドクダミはデリケートな草花である。緻密で繊細な作業が必要になる。
根気とセンスのたまものであった。
「和菓子が合いそうね」
「おおう、それよ！」いいながプラスチックケースを取り出す。「旧市街にある、和菓子屋。ここの塩大福と味わうと、絶品なのじゃよ！」
皆にも味わってもらおうと、大量に用意した塩大福が振舞われる。
五郎八、観客、休憩に来た中継スタッフ、皆がドクダミ茶を啜り、塩大福にかぶりつく。
「これは……甘いというより、上品だな……」
志波 武道が寸評をくわえる。
「これが……塩大福……」鴻上 彰尋が驚愕に目を見開く。「そのあたりのコンビニで買うのと全然違う……黒檀の餡に、水晶の餅……豆の香りと、さわやかな塩加減で、まったくしつこくない……」
「ヘルシーってことで、お菓子に手が出しにくい女の子にも、オススメかな？」製菓部で、趣味がお菓子作りの高梨 彩葉も、これには納得である。
一斉にお菓子の実況を始める実況班。
――ドクダミ茶と塩大福でなごんでいる間にも、戦局は動く！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年10月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年10月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年10月16日 11時00分
