- 0
- 0
- 種族
-
- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【生徒会総会】クラブ対抗！部費争奪戦 ｂｙコメディエアー
10.
「はーい、というわけでこちらコメディエアー中央情報局！」
明るいサンバ調の音楽とともに画面が切り替わる。
楚々とした眼鏡の和風美女と、だぶだぶの服きた小柄な少女がにこやかに手を振る。
いつ戦闘に巻き込まれるかわからない校庭を避け、比較的静かな校庭の一角に、机とパイプ椅子、録画機材を設置、それから大型のホワイトボードと大量の水性ペン。
『中央情報局』の完成である。
客席から、わっと拍手が起こる。
チームの組めなかった部員、参加を見合わせた一般生徒、早々に風船を割られてしまったメンバーなどが、そこに集まっていた。
オープンスペースの公開情報局。
静かな場所を選んだとしても、見学や乱入上等。
（場合によっては、情報局が戦場になるかも……）
そうなったらそうなったで上等。あまり騒ぐなら、こちらも本気をみせるまで。
ショウ・マスト・ゴー・オン。
一度始まった放送は、おいそれと止まるわけにはいかないのだ。
「ここからは、生徒会書記の私、八重崎 五郎八と、いいなちゃんの進行でお送りします」
流暢なトークを披露する五郎八。
大小さまざまなカードゲームの大会に参加している彼女。
戦術解説で子供の羨望を浴び、さりげない故事来歴でカルタ会に彩を添える。
大きな大会を大鉈で捌き、小さな大会ではほっこりムードを演出する。
大会の実況中継として、これほど適任の人物もいない。
その傍らにちょこんと座るのは大田原 いいな。
「儂は参加せずに解説役として、高みの見物をするのじゃ」
叔父貴も参加するという。一肌脱がねばならない。
「いろいろ情報が入ってきますね……」眼鏡を直して、五郎八はラップトップを覗き込む。「少し、整理してみましょう」
背景におかれたホワイトボードに、五郎八はさらさらと戦況を描いていく。
マグネットで作られた札を活用しつつ、どんどん解説を加える。
早く、そして流麗である。
下手なパソコンの画像を使うより、圧倒的に見やすく、把握しやすい。
状況の変化があれば即座に消し、あらたな状況を書き加える。
まるでマインドマップ、彼女の素早い脳の動きが、そのまま残像をのこしているかのようだ。
現場では、専門の実況中継として、放送部の鴻上 彰尋がスタンバイしている。
武道らも実況を担当しているが、運営との兼任であり、どうしても力がそがれてしまう。
実況専門の、精度の高い情報は、有難かった。
「……開始早々、状況は大分動いていますね。
まず、屋敷野 梢さん率いる生物部が、早々に風船を割られています。
冬場の合宿に予算をゲットしたいと語っていた生物部、大丈夫なのでしょうか？
そして華道部と演劇部が正面衝突し、演劇部の風船が割られています。
この戦いの余波を受けて、校舎の第一棟が大破。
コメディエアー的なあれで大丈夫だと思いますが、一般の方はあまり近づかないようにして下さーい！
現在のところ、大きな戦火を上げているのは……射撃部！ ちょっとすごい戦績！
皆さんも頑張ってください！」
それから、と五郎八はパソコンの画面に目を細める。
「ジャッジに判定を取られているチームが出ています。
文化部の某チーム、芸のない待ち戦術。
文化部の某チーム、突っ込みどころのないカウンター狙い。
運動部の某チーム、ひねりのないパーミッション。
文化部の某チーム、ありきたりのカテナチオ……」
コメディの要素のない戦術は、ジャッジに判定を取られる。
そういう場所ではコメディエアーが希薄になり、他チームの戦術に影響が出てしまう。
面白味のないトラップなども、片っ端から解除されてしまうらしい。
なにしろコメディエアー、人力ではいかんともしがたい。
どんなことが起こるか、想像もできないのだ。
「あっとそれから、華道部のバトル後に、こんな紙切れが落ちてたみたいです」
画面には『４３★１』の文字の書かれた紙きれ。
「……よさん、ほし……」スタッフの一人がつぶやく。
「優勝候補の華道部、彼女たちが残した謎のメッセージ！」
「……これ『よさん、欲しい』じゃ……」
「大胆不敵な勝利宣言！？ 勝利のカギを握る秘密の暗号！？ 謎は深まります！」
「五郎八殿……これは、面白いのう……」不敵に笑ういいな。
「すでにいいなちゃんは、何かひらめいたみたいです！ 皆さんもいろんなアイデア、どんどんお待ちしてまーす！」
「これ、誰が読んでも『予算、欲しい』……」
空気の読めないスタッフの頭に、すこーんとカルタの札が突き立てられたところで、画面転換だ。
「はーい、というわけでこちらコメディエアー中央情報局！」
明るいサンバ調の音楽とともに画面が切り替わる。
楚々とした眼鏡の和風美女と、だぶだぶの服きた小柄な少女がにこやかに手を振る。
いつ戦闘に巻き込まれるかわからない校庭を避け、比較的静かな校庭の一角に、机とパイプ椅子、録画機材を設置、それから大型のホワイトボードと大量の水性ペン。
『中央情報局』の完成である。
客席から、わっと拍手が起こる。
チームの組めなかった部員、参加を見合わせた一般生徒、早々に風船を割られてしまったメンバーなどが、そこに集まっていた。
オープンスペースの公開情報局。
静かな場所を選んだとしても、見学や乱入上等。
（場合によっては、情報局が戦場になるかも……）
そうなったらそうなったで上等。あまり騒ぐなら、こちらも本気をみせるまで。
ショウ・マスト・ゴー・オン。
一度始まった放送は、おいそれと止まるわけにはいかないのだ。
「ここからは、生徒会書記の私、八重崎 五郎八と、いいなちゃんの進行でお送りします」
流暢なトークを披露する五郎八。
大小さまざまなカードゲームの大会に参加している彼女。
戦術解説で子供の羨望を浴び、さりげない故事来歴でカルタ会に彩を添える。
大きな大会を大鉈で捌き、小さな大会ではほっこりムードを演出する。
大会の実況中継として、これほど適任の人物もいない。
その傍らにちょこんと座るのは大田原 いいな。
「儂は参加せずに解説役として、高みの見物をするのじゃ」
叔父貴も参加するという。一肌脱がねばならない。
「いろいろ情報が入ってきますね……」眼鏡を直して、五郎八はラップトップを覗き込む。「少し、整理してみましょう」
背景におかれたホワイトボードに、五郎八はさらさらと戦況を描いていく。
マグネットで作られた札を活用しつつ、どんどん解説を加える。
早く、そして流麗である。
下手なパソコンの画像を使うより、圧倒的に見やすく、把握しやすい。
状況の変化があれば即座に消し、あらたな状況を書き加える。
まるでマインドマップ、彼女の素早い脳の動きが、そのまま残像をのこしているかのようだ。
現場では、専門の実況中継として、放送部の鴻上 彰尋がスタンバイしている。
武道らも実況を担当しているが、運営との兼任であり、どうしても力がそがれてしまう。
実況専門の、精度の高い情報は、有難かった。
「……開始早々、状況は大分動いていますね。
まず、屋敷野 梢さん率いる生物部が、早々に風船を割られています。
冬場の合宿に予算をゲットしたいと語っていた生物部、大丈夫なのでしょうか？
そして華道部と演劇部が正面衝突し、演劇部の風船が割られています。
この戦いの余波を受けて、校舎の第一棟が大破。
コメディエアー的なあれで大丈夫だと思いますが、一般の方はあまり近づかないようにして下さーい！
現在のところ、大きな戦火を上げているのは……射撃部！ ちょっとすごい戦績！
皆さんも頑張ってください！」
それから、と五郎八はパソコンの画面に目を細める。
「ジャッジに判定を取られているチームが出ています。
文化部の某チーム、芸のない待ち戦術。
文化部の某チーム、突っ込みどころのないカウンター狙い。
運動部の某チーム、ひねりのないパーミッション。
文化部の某チーム、ありきたりのカテナチオ……」
コメディの要素のない戦術は、ジャッジに判定を取られる。
そういう場所ではコメディエアーが希薄になり、他チームの戦術に影響が出てしまう。
面白味のないトラップなども、片っ端から解除されてしまうらしい。
なにしろコメディエアー、人力ではいかんともしがたい。
どんなことが起こるか、想像もできないのだ。
「あっとそれから、華道部のバトル後に、こんな紙切れが落ちてたみたいです」
画面には『４３★１』の文字の書かれた紙きれ。
「……よさん、ほし……」スタッフの一人がつぶやく。
「優勝候補の華道部、彼女たちが残した謎のメッセージ！」
「……これ『よさん、欲しい』じゃ……」
「大胆不敵な勝利宣言！？ 勝利のカギを握る秘密の暗号！？ 謎は深まります！」
「五郎八殿……これは、面白いのう……」不敵に笑ういいな。
「すでにいいなちゃんは、何かひらめいたみたいです！ 皆さんもいろんなアイデア、どんどんお待ちしてまーす！」
「これ、誰が読んでも『予算、欲しい』……」
空気の読めないスタッフの頭に、すこーんとカルタの札が突き立てられたところで、画面転換だ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年10月09日
- 参加申し込みの期限
-
- 2015年10月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年10月16日 11時00分
