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天使が瞳をひらくとき
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◆
なんだかよくわからないけど、
呉井 陽太
は気付いたら教会に迷い込んでいた。
また不思議な現象が起こっているのだろうか――なんて疑問は、狐兄弟の姿を見た途端どこかへ吹っ飛んでいってしまった。
一目散に、だけど怖がらせないように駆け寄って。ただでさえ糸目な瞳をますます補足して、
「会いたかった、会いたかったよぅ♪」
まるで恋人との久しぶりの逢瀬の如く。むぎゅっと狐を抱きしめる。もふもふの柔らかくて暖かな毛の感触が、陽太を受け止めてくれた。
「ふあぁ……やっぱり狐さんはカワイイなぁ」
頬をゆるめに緩めてむぎゅむぎゅもふもふに夢中になっていると、ふと背後からなまあたたかーい視線が注がれているような気がしてきた。
「ありゃ……?」
むぎゅむぎゅし過ぎてずれてしまった眼鏡をなおしつつ振り返ると、
「……オマエ、大丈夫か?」
哀しいかな、
楢木 春彦
が若干引いたような目でこっちを見ていた。
あまりにもどストレートな春彦の言葉に、
「んもぅ、いいでしょー。この狐さん、ほんとかわいくて大好きなんだよぅ」
ぷんすこ頬を膨らませる陽太。そんな彼に、「確かにコイツら可愛いけどさ」と春彦は歩み寄っていく。きょろきょろと、嫁が居ないかと辺りを見回しつつ。
「随分寂れてっケド、こんなトコあったっけ?」
「あぁ、春彦君もここに迷いこんじゃったのん?」
「そうなんのかな。オマエも居るとは思わなかったけど」
そこでふと、陽太はむぎゅむぎゅする手を止めた。少し懐かしむように、
「なんか初めて会った時も、こんな風に街で偶然会って不思議な現象に巻き込まれたんだよねぃ」
「そーいや、そうだったよなー」
その時のことは、今もよく覚えている。一緒に居る時に、妙な出来事に遭遇するのがよくあるからかもしれない。
「当たり前になってきちまってるけど、随分懐かしく感じるぜ」
時間で言えば、まだ一年も経っていないはずなのだが。
「これからもこーいう事が増えるのかなぁ」
「かもな。コレも縁っつーヤツじゃねえかな」
妙な出来事の中身はともかくとして、陽太との縁は悪いものではないし。
そこでふと、小さな鳴き声と駆けて来る足音。もしやと春彦が振り向けば、そこには彼の嫁の姿。人だったなら、ちょうどお姫様抱っこになるような感じで抱え上げる。
「よっ、元気してたか?」
鳴き声がそれに応えて、尻尾が抱える手をもふもふ撫でる。その感覚がくすぐったいような、心地いいような。
そんな風に、二人して狐をもふっている時。
陽太は、天使の像の姿をふと目の端に停めた。
狐に合わせてしゃがみ込んでいるので、ちょうど陽太からは見上げるような格好。ステンドグラスの光を背負い白薔薇に覆われたそれは、何だかとても懐かしいように思えた。
「春彦君は天使さんにお祈りする?」
「天使に祈り?」
振り返った春彦が、まじまじと天使の像を見つめる。嫁をもふりながら、少し考える素振りを見せ。
「特に祈るような事は思いつかねぇケド」
だけども腕の中の嫁を見やって、
「……あ、そうだ」
ふと思いついた顔になる。天使像から嫁が見えるように、少しだけ持ち上げて、
「コイツ、俺の嫁さん予定なんだけど。人間の姿だったらもっとイイのになーなんて」
もちろん冗談なのだろう、言ってる端から春彦自身が笑っていた。
「そりゃ人間に変わったら、美人さんかとても可愛い子になりそうだけど。まさかの願い事だったわー」
驚くというよりはちょっと呆れたように、あるいは可笑しそうに陽太も笑う。すると今度は春彦が、
「んじゃ、呉井のお祈りは?」
ちょっと考え、思いついたその拍子。そのままぽろっと、陽太の口から祈りがこぼれでた。
「友達と家族が無事に過ごせますように、かなぁ。……いやぁ、いつ何が起こるかわからないしね」
「妙なことは色々起きるしな、この島。そーいや家族って言うと、演劇祭で同じ苗字のヤツ居たっけ。アレって弟とか?」
祈りを聞いた春彦は、何の気はなしに小さな疑問を口にした。
「ん……、あぁ……演劇祭に弟が出てたね」
陽太の返事は、何処か歯切れが悪く。何かあったのか、と問いかけてみたところ。
「ケンカしちゃってなかなか話せなくてさ。いつか仲直りしないとは、思ってるんだけどね……」
辛そうな表情を隠すように、陽太は狐兄弟の毛に顔を埋めた。
どうりで、あまり話を聞かなかったわけだ。上手くやってそうなタイプに見えるのに、なかなかどうしてわからないものだ。
ケンカの原因もわからないし、春彦に下手なことは言えないけど。とにかくちょっとくらい励ましたくて、気付いたら。
「つーかその祈りならオマエも中に入れとけよ。ダチと家族だけじゃなく、呉井も無事に過ごさねぇと意味ねぇし。何かあったら心配すんだろーが!」
ぺしんと背中を叩いてそんなことを言っていた。
陽大の口元が、ほんのすこしだけ緩く弧を描く。
「心配してくれてありがとー。オレもその中に入れておくから、キミも怪我しないようにね」
「おう、さんきゅー」
にっと笑った、その瞬間。
急に、腕の中の嫁が重くなった。
「おおぅ!?」
不意打ちの重量増加によろめく春彦。そして何故か、顔をそむけたかと思うとぷるぷる肩を震わせる陽太。
それもそのはずだった。
春彦はいつのまにか、お姫様抱っこしていたのだから。
狐の耳を生やした、可愛らしい和服姿の女の子を。
「俺の嫁がマジで女の子になったー!?」
たー、たー、たー……とこだまする春彦の叫び声。
もっとも、それはほんの束の間の幻だったのだけれども。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
癒雨
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月18日
参加申し込みの期限
2015年09月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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