戦え！　亡霊戦隊ユウレイジャー！｜リアクション

戦え！　亡霊戦隊ユウレイジャー！

　こうして無事に5色のユウレイジャーはそれぞれ自分の望みを満たし、あかずの間へと戻っていった。
「お供え物をみんなで集めました」
　綾辻綾花が桃缶やキュウリやパプリカやレトルトカレーや青魚。5色のお供え物を置く。
「これからは当番制で、定期的に供えるようにしましょう」
　また出てこられたらたまったものではない。全員同時に激しく何度もうなずくのだが。
「楽しかったなの！　また今度出てきて一緒に遊ぼう！」
　橘明里だけは違うらしく、扉向こうに叫んでいる。
「次また出てきたら、全力でビームをぶっ放して撃破してくれるわ！」
　伊賀解理は本気の口調で言った。

　夏神零による供養の儀式も無事に済み、いよいよ本案件も一件落着の様相。
「後は事務処理……か」
　肩を落としながら自治会長邪衣士がつぶやく。
「今回の件で北側の窓ガラスが何枚も……新館は壁やら床が一部破損……この騒動で逆に書類が増えたような」
　士の頭がさらに痛くなる。
「お疲れさまだな邪衣。鍵かけだけは忘れずにな」
　労いつつ念を押す八神修に士は少しだけ笑顔を見せる。
「ああ」
　全員の見守る中、あかずの間に立つ士。厳かな音もなく、扉は静かに施錠された。

　ホッと息をついたその直後。
「ん」
「どうしました自治会長？」
　鈴野加代が声をかけると士は首を捻る。
「なんか中から小さい爆発音のようなものが」
　まあでも……あかずの間の中は管轄外だからいいか。始末書対象から除外と決め込む。
「それよりも……前会長には始末書を書かせないとなぁ」
「そういえば前会長が見当たらないのだーもしかして逃げたのだ？」
　後木真央が気づく。
「……どこまでも追いかけてやるさ……ゆるさないよ？」
「か、会長が黒いのだー怖いのだ！」
　指を3回弾く。近くに雷の落ちる轟音が鳴った。

（あの量の煙じゃあ大爆発を起こすには至らなかったようだねぃ）
　隅で一人骨削瓢、あごを撫でつつあかずの間を見つめる。
（今回は急だったから準備不足だったが、次開いたときはもっと愉快なことにしたいよねぃ）
　ニヤッと笑うと、誰の目にもとまらないうちに地下へ下りていく。
（まだまだここには面白いものがたんまりある、これだから猫鳴寮生はやめられないよ）

　以降、あかずの間にはきちんと毎月お供え物が置かれるようになる。廃寮の危機は去ったわけだが、今日もどこかで、窓が割れたり床が抜けたり屋根が弾け飛んだり大雨で1階部分が浸水したり、絶えず廃寮のすぐ隣にいる猫鳴館。皆で知恵を出し合い協力し合い、少ない資産を駆使してやり繰りする。
　これまで何とかなってきたのは、あかずの間に住むユウレイジャーのおかげ……かどうかは、全くもって定かではない。

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あとがき

担当マスター：小西秀昭
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というわけで猫鳴館の廃寮は無事、免れました！

どうもっ！　「（すでに廃寮みたいなもんなのに）廃寮になるとどうなってしまうんだろう！？」とバッドエンドもちょっと考えてしまった小西秀昭ですっ！
皆さんの頑張りのおかげでユウレイジャーは大満足であかずの間へ戻ってくれたご様子。自治会長もこれで一安心ですね。処理するべき作業は増えてしまったようですが……。ちなみに前自治会長の海原茂氏ですが、現自治会長にこの後じっくり灸を据えられたようです。

アクションはピンクユウレイジャーへのアプローチがやや多めでしたが、全体的に満遍なくアクション掛けされていました。存在感の薄い緑ユウレイジャーに誰もアクションをかけなかったら……と不安でしたが、ヨカッタヨカッタ。

これからも猫鳴館はさらにフツウでないことが起こるのでしょう。次は何が待っているやら。とりあえずあかずの間へのお供えはお忘れなきよう、お願いしやす！

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