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MILK HALL
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「みるく、ほぉる……?」
詠坂 紫蓮
は看板に書かれた筆記体の文字を読み、往来のど真ん中で悶々と妄想に浸っていた。
(響きがなんとなくえっちな香り? いやいや、まさかこんな町中にそんなお店ないよね)
流石高校一年生という所だろうか。ミルクとホールの和製英語の組み合わせで「えっち」に至るとは、想像力が豊かな少女である。
そして好奇心が強いのも、また少女の特権だろう。そろりそろりと緊張しつつ路地裏へ這入り、紫蓮は真鍮のドアノブに手をかけた。
チリンとなったベルの音に心臓が思わず跳ね上がるが、目の前に広がったのは、レトロな雰囲気の——ごく一般的な喫茶店だった。
「いらっしゃいませ」
出迎えてくれたのもまた、自分とそう年の変わりそうにない少年——直治だ。感情が冷えると“もしあの時扉を開けた先にめくるめくピンク色の世界が広がっていたら、どう逃げれば良かったのか”と今更ながらに気づき、眉をハの字にして安堵のため息が出た。
(よかった……、いい雰囲気の喫茶店って感じね)
「お一人様で宜しいですか?」
「あ、一人ですー」
「カウンター席とテーブル席がありますが、どちらにしますか」
「どっちでも」
「それではこちらへどうぞ」
さて、定型句以外敬語では無いこの会話は、実は直治の『素』だった。
彼の平素の無愛想でつっけんどんな態度は、素の言動が年相応でないと自覚した本人が、気にしているところからきていた。しかし店員として接客するならば、丁寧な言葉遣いをしても不思議にとるものはいないだろう。
(お客様には素の口調で喋っても、おかしくは思われないですよね……?)
直治は接客アルバイトに挑む若者が引っかかりがちな言葉遣いに対しては逆に気を抜いていたが、客である紫蓮が(すごいなこの子、年下かな?)と関心しきっていたので、実際に問題ないだろう。
兎に角そんなやり取りを経て、紫蓮はテーブル席に案内された。
(お昼近いし後で食べ物も頼もうかな。メニューメニューっと)
直治に渡されたメニュー表に並んでいるのは、矢張り一般的な喫茶店や洋食屋のそれだ。
実は紫蓮はこの店が飲食店だと分かった時点で『ミルク』からまた連想をしており、牛肉を取り扱う店ではと考えていたのだが……、それを言うならビーフだと突っ込みたいところである。
漸く此処がどんな店かを理解し始めた彼女は注文を決め、近くの席へグラスを置いていた店員——レナートを呼んだ。
「えーと……紅茶……ミルクティーください。それから——」
メイン料理を注文してから、紫蓮は店員がやはり同年代風に見えるのをきっかけに、質問をぶつけてみた。
「あ、すいません。ミルクホールってどういう意味なんですか?
ちょっとよくわからないで入っちゃって」
「聞き慣れない言葉ですよね——」
レナートは客を笑顔でフォローして、ミルクホールについての正しい知識を教えてくれた。
「ミルクホールは和製英語で、ミルク——牛乳を提供するホール——会館と言うより店に近い意味をもって使われたらしいです。
そもそも始まりは明治時代辺りで、その頃の一般的日本人は体格も小さかったことから、政府が牛乳を飲むことを推奨していたとか。
ミルクホールはそんな時代に牛乳や軽食を提供する店として、大正時代は学生に人気の洋食を扱う簡易店舗やモダンな……今で言うカフェのような形で受け入れられていたそうですよ」
この手の質問は多いようで、レナートの説明は淀みない。紫蓮も「ふむふむ、なるほど」と相槌をうって聞き入っている。
「喫茶店やカフェやコーヒーショップのある今ではもう、ウチのようにミルクホールの名前だけを残した店が多いですね。
勿論メニューにミルクは有りますし、仕入先にこだわりも有りますが、特別政府からオススメされている訳じゃないんです。まあ、牛乳を飲んでも身長は伸びないとか言われてますし」
どうやらえっちな事とも牛肉とも関係無いと分かってスッキリすると、紫蓮はもう一度メニュー表に視線を落とした。
「あ、じゃあこのまま注文続けて良いですか?」
ミルクホールの昔の習わしに則って、ミルクを注文に付け加えたのだ。
「あと、食後にミルクティーもう一杯とケーキ、くださいな」
「紅茶はポットですが宜しいですか?」
それではお腹が水分でたぷんたぷんになってしまう。紫蓮があっと慌てると、すかさずこんな提案をされた。
「ミルクはお食事の前にお出しする事もできますよ。お食事の後にケーキセットをミルクティーでお持ちして宜しいでしょうか」
そんな紫蓮へのレナートの接客を、テーブルを担当してた直治が遠巻きに見ていた。
普段叔父が営む古書喫茶で手伝いの真似事はしているが、それは店、アルバイトと言うには何か違うと感じていた。そして実際ホールに立ってみると、接客はソツなくこなせるものの、まだ未熟な部分が身に沁みて分かってくる。
先程のレナートの対応もそうだ。自分だったらあんな風に、先回りした接客が出来ただろうか?
(あの人、あんなに丁寧な対応。……私も見習わなくては)
直治はこの職業体験で、しっかり社会勉強をして帰ろうと、気持ちを新たにする。
* * *
紫蓮のテーブルに、メインの料理の皿に入れ替わって、ケーキと紅茶が運ばれてきた。
直治に注がれた一杯目を飲んで、ふぅと一息つくと気持ちも落ち着いてくる。アンティーク調の調度品に囲まれて、優雅な午後のひと時、と言った感じだ。
(なんていうか、絵になるわよね……)
文庫本広げた自分の姿を遠目に見ている気分でいると、ふと誰かが向かいのテーブルに居るように見えた。
(一人じゃなくて、あの人と二人で来たりしたら……もっと絵になったりするのかな……?)
などと思ってしまうと妄想が止まらない。何しろ彼女はミルクでえっち、ミルクで牛肉専門店まで考えるような想像力豊かなお嬢さんなのだから。
「もーっなに考えてるんだろ私っ!」
いつの間にか口から出ていたらしく、客の声に反応したレナートと目があって、紫蓮は誤魔化すように席を立った。ちょうど良い頃合いだ。
しかし——つい勢いで頼みすぎてしまったから、お会計が心配である。あんまりアレコレと考え過ぎて、メニュー表を見た時に、値段のこと忘れてしまっていたのだ。
さて、価格は良心的で取り敢えず支払いを無事済ませ、紫蓮は「ご馳走様でした!」と元気に挨拶をしてくれた。良いお客さんだ。
客が帰ったのを確認して頭を上げたレナートがこっそり耳打ちで零した
「可愛いけど、一人で百面相しててちょっと変わった子だったね」については、直治も曖昧な反応で濁すしかなかったが——。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月09日
参加申し込みの期限
2015年08月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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