this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
夢で会えたら
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
19
つぎへ >>
【4】言うわけにはいかない
夢の中に広がるのは、現実と同じく遠くにうろこ雲が浮かぶ、青い空だった。
それを見上げていた
壬生 由貴奈
は、人の気配につとふり返った。
「あれ? 先輩もここで、早弁ですか?」
片手にパンと缶ジュースを下げて、気楽な調子で尋ねて来たのは、中学のころの後輩だった少年だ。
(この手のオカルトは信じてないんだけど……本当にあるもんなんだねぇ)
由貴奈は胸に呟き、少年とあたりの風景を見比べる。
そこは、由貴奈がかつていた本土にある中学校だった。
そう、彼女は目の前の後輩の少年に会いたくて、噂の方法を試したのだ。
少年は、近くまでやって来ると、由貴奈の視線を追うように空へと目をやった。
「あの雲の形見てると、なんか腹減って来ませんか? で、ついつい早弁したりするんすよ」
言って彼は、へらへらと笑う。
(ほんと、あのころと変わらないねぇ)
その顔を見やって、由貴奈は苦笑と共に思った。
少年は、お調子者で快活だった。
(中学のころのうちとは、大違いだよぉ。中学の時は、ねじくれて根暗だったからねぇ)
当時の自分を思い出し、由貴奈は更に胸に呟く。
その脳裏に、ふいにまざまざと一つの記憶がよみがえった。
閃く銀の刃。血にまみれて倒れる少年。恐怖に引きつった母の顔。必死に叫ぶ父の顔。
細切れの映像と共に、妙に生々しい肉をえぐる感触と衝撃が手によみがえる。
そして、血に染まって倒れる少年でも両親でもない男の姿――同時に世界は、赤く染まって行く。
いつしか、由貴奈の息は荒くなっていた。
両手は無意識に握りしめられ、全身を冷や汗が濡らす。
「先輩?」
少年に声をかけられ、由貴奈はようやく過去の記憶から引き戻される。
握りしめた両手を離すと額の汗をぬぐい、大きく一つ深呼吸した。
「大丈夫ですか? 気分が悪いなら、保健室へでも……」
少年が、心配げにこちらを覗き込んで来る。
それへ、相変わらずだと胸に苦笑しつつ、由貴奈は答えた。
「大丈夫だよぅ。ちょーっと立ちくらみがしただけだから」
「立ちくらみって、それ、ヤバくないっすか?」
驚いて、なおも心配げに問う少年に、由貴奈は笑う。
「へーきへーき。女の子には、こういう時もあるもんなんだなぁ」
「なら、いいっすけど」
言って、少年は幾分かホッとしたように笑い返した。
「先輩、やっと笑ってくれたっすね。さっきから、ちょっと変な感じだったから、どうしたのかなって心配だったんすよ」
「悪いねぇ。ちょっと考えごとしてただけだよぉ」
のほほんと笑いつつ言って、由貴奈は昔の自分なら、こうは返さないだろうなとふと考える。そして、言った。
「今こういう性格でいられるのは、きみのおかげかもねぇ。だから……」
言いかけ、彼女は唇を噛む。
だから――なんと言えばいいのか。ふいに彼女は、その先の言葉を見失った。
ありがとうと言えれば、どれだけ楽かと思う。
いや、だが……当時の状況を思えば、「ごめんね」の方がいいのだろうか。
(今生きていられるのはきみのおかげだから、『ありがとう』? それとも、今も在ったはずのきみの生を奪って『ごめんね』?)
考えはただ堂々巡りを続けるだけで、言うべき言葉は見つからなかった。
ぐるぐると考えた末、出た結論は。
(どんな言葉にしてもダメだよ……言うわけにはいかない)
そう、結局何も言わないのが正しいのだ――彼女には、そんなふうにしか思えなかった。
目が覚めて、眠気覚ましのコーヒーを淹れながら、由貴奈は小さく吐息をついた。
珍しく長く眠れたはずなのに、相変わらず寝足りない気がするのは、夢の内容のせいかもしれない。
(……言うわけにはいかない……か。だよねぇ)
胸に呟き、砂糖もミルクも入れないコーヒーを口にして、彼女は思わず顔をしかめた。
結局、一人生き残ってしまった自分は、ただ生きて行くしかないのだ。
(彼の分も……なんておこがましいことは言えないけれどもねぇ)
もう一度低く吐息をつくと、彼女は顔をしかめつつ苦いコーヒーを飲み干した。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
19
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
夢で会えたら
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月05日
参加申し込みの期限
2015年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!