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夢で会えたら
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【2】オルフェウスのように
これは、いつもと同じ夢だ――。
飛吹 蓮太郎
はあたりを見回して、思う。
彼がいるのは、どこまでも続く鍾乳洞の中だった。天井からは奇怪な形の岩が垂れ下がり、壁や地面はところどころ発光している。そのせいで、真っ暗ではなかったが、さりとて明るいわけではない。薄闇に包まれたそこは、さながら神話に言われる冥府のようだ。
十六年前、妻のアリアが亡くなって以来、彼はこの夢を見るようになった。
夢の中の彼は、自分の意志で動けず、どこか傍観しているような感覚があった。
にも関わらず、彼はここで、亡き妻に瓜二つな女性を愛しいと感じ、その女性をこの冥府から現世へと連れ戻そうとするのだった。
しかもその夢を見る回数は、寝子島に来てから多くなっているような気がする。
だから――今夜は試してみた。
『噂の夢』を見る方法を。
(そう、だから……今夜はいつもと違うはずだよ)
胸に呟き、彼は鍾乳洞の中を歩き始めた。
と、前方から誰かが歩いて来る気配があった。蓮太郎は軽く眉をひそめ、立ち止まってそれが視認できる位置まで来るのを待つ。
やがて近づいて来たのは――。
「アリア!」
彼は、思わず叫んだ。
ブルートルマリンの瞳に、長い栗色の髪。明るい笑顔でこちらを見つめて来る女性は、間違いなく彼の亡き妻アリアだった。
アリアは、彼の名を呼ぶと生前と同じく、大きく両手を広げて彼の首をしめるような勢いで抱きついて来た。
そう、生前の彼女は自由奔放でハグ魔だった。
「アリア、アリア!」
蓮太郎はその名を叫んで、彼女を掻き抱く。
この彼女には、今まで見ていた夢の女とは違う、たしかにアリアだと感じられるものがあったのだ。
「アリア、一緒に行こう」
腕をほどいたアリアの手を取り、蓮太郎は叫ぶと走り出す。
夢の中で、いつも彼女に瓜二つの女性の手を引いて走ったのと同じ方角――現世への出口があるとおぼしき、その方向へ。
「君に話したいことが、山ほどあるよ。やっと結婚式を挙げられるし、婚約指輪も渡せる。息子もぬいぐるみのカンスケも、寂しい思いをせずに済む。また二人でユニット組んで、世界一の音楽家になるって夢に向かって前進しようよ」
走りながら、蓮太郎は熱っぽくそんな言葉を告げた。
途端、アリアの足が止まり、蓮太郎はつんのめった。その拍子に手が離れる。
「あ……」
慌てて背後をふり返り、彼は再びアリアの手を取ろうとした。が、アリアは自分の手を後にかくして、かぶりをふる。
「お願い、アリア。僕から離れないで。これ以上、寂しい思いはしたくない」
そんな彼女に、蓮太郎は必死で言い募った。だが、彼女は再度かぶりをふる。
「だめよ。……一緒には行けないわ。だって、私にはもう、魂の入るべき器がないもの」
「そんな……だって……」
思わず顔をゆがめる蓮太郎に、彼女は柔らかく微笑んで言った。
「でも、安心して。私はずっと、あなたの傍にいるわ。器はなくても、魂のままでも、ずっと」
「アリア……」
小さく目を見張る蓮太郎に、続ける。
「もう昔のように、ピアノを弾くことはできないわ。結婚式も挙げられないままだし、息子やカンスケを抱きしめることもできない。……でも、それでも、私はずっとあなたの傍にいるから。だから、寂しがらないで。ね?」
ブルートルマリンの瞳でこちらを覗き込まれ、蓮太郎は小さく目をしばたたいた。と、両手で顔を捕えられ、羽毛のように優しいキスをされる。
「アリア……!」
彼は、思わず息を飲む。
それへ、身を離してアリアは再び笑いかけた。
「約束するわ。私は、ずっとあなたの傍にいるから。……あの子たちにも、よろしくね」
言葉と共に、ふいにあたりは真の闇へと飲まれて行く。
「待って、アリア……! アリア……!」
彼は必死に手を伸ばすが、闇は晴れてはくれなかった。
自分の叫び声で目覚めて、蓮太郎は思わず身を起こした。
そこは見慣れた自分の部屋だ。
「アリア……」
さっきまで見ていた夢を思い出し、妻の名を呼び、口元に手をやる。妻の唇の感触が、今も残っている気がした。
「……そうだね。オルフェウスも、結局は妻を冥府から連れ戻せなかったんだよ……」
低く呟き、苦く笑う。だが、眠りに就く前よりは、喪失感も寂しさも薄れているような気がした。
(アリアは、魂のままでずっと僕の傍にいるって言ってた……)
胸に呟き、あたりを見回す。
「アリア、そこにいる? 姿は見えなくても、本当にずっと傍にいてくれるなら僕は……少しは寂しくないよ」
声をかけ、寝床から出ると彼は、カーテンを開ける。
朝の光が、室内に雪崩れ込んで来た。まぶしげに目を細めてそれを眺め、彼は背後をふり返る。
「おはよう、アリア」
言って彼は、微笑んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月05日
参加申し込みの期限
2015年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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