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【13】昔の私に
懐かしい、という感覚はなかった。
室内を、ただ冷めた目で眺める。
そこは、
桜 月
がかつてくらしていた、両親の屋敷だった。
(昔の自分に会ってみたい……)
夢の噂を聞いて、彼女は思った。
幼いころ、彼女はこの屋敷に閉じ込められていた。
両親は彼女の外見と日中外に出られない体質を嫌い、傍に寄せ付けようともしなかった。彼女が両親と会うのは、一年に一度、親戚たちが集まる時だけだ。あとは、メイドたちや執事に世話を任せきりだった。勉強は、家庭教師に教わった。
そんな生活も、祖父母に引き取られて一変する。そのくらしは、穏やかで温かなものだった。
更に祖父母の勧めで寝子島に来て、学校に通うようになって、彼女は自分がずっと寂しかったことを自覚したのだ。
(友達ができた、将来の目標もできた、私はこの島で、たくさんの大切なものを得た)
深い実感と共に、彼女は思う。そして、だからこそ、昔の自分に会ってみたくなったのだ。
(どうやら、成功したみたいだな)
室内を見回して、彼女は胸に呟く。
奥の方に据えられたベッドに、幼い月が座っていた。
月は、そちらに歩み寄る。と、幼い月が顔を上げた。
「お姉さん、だあれ? どこから来たの?」
「さあ、誰だろうな」
問われて月は、はぐらかすように返すと尋ねる。
「こんなところで一人でずっといるのは、嫌じゃないか?」
「平気よ。だって私、いい子だもの。……着替えもお風呂も机の掃除も、全部一人でできるよ」
答えて幼い月は、ためらいがちに彼女を見上げた。そして問うて来る。
「……そうやっていい子にしてたら、お父様もお母様も、私に会いに来てくれるよね?」
その目にはどこか、すがるような光が宿っていた。それに気づいて、月は小さく唇を噛みしめる。
「会いになんて来ない」
更にきつく唇を噛みしめて、月は言った。
「君がどれだけそうやって努力しても、彼らにとって君は、悪い子なんだ。君の行動が、ではなく、存在そのものが悪い子なんだ。……だから、来ないよ」
「嘘!」
鋭く息を飲む音がしたと同時に、叩きつけるような叫びが返って来た。
「嘘よ、嘘! メイドたちも執事も、言ってるわ。私がいい子になったら、お父様もお母様も会いに来てくれるって!」
「メイドたちはただ、君の質問への答えに困って、そんなことを言うだけだ。両親にとっての『いい子』は、黒い髪と黒い目で、健康的な肌をして、日の光をどれだけ浴びようとも、平気で走り回れる子供のことでしかないんだ」
それへ月は、容赦なく事実を突きつける。それはどこか、自分で自分の体を傷つける行為にも似て、鈍い痛みを伴っていたが、同時にガラス細工を壁に叩きつけて壊す時のような爽快感も伴っていた。
「やめて、やめてよ! だってそれじゃ私、お父様にもお母様にも、会ってもらえない……!」
両手で耳をふさいで叫ぶと、幼い月はベッドに突っ伏して啜り泣く。
その声に我に返って、月は呆然と昔の自分を見下ろした。ふいに胸がしめつけられるような気がして、彼女は胸元を押さえる。
頬を、涙が伝った。
(泣いているのは、昔の私……? それとも、今の私自身なのか?)
涙の感触が、そんな惑乱を誘う。
思わず目を閉じた途端に、闇が彼女を包んだ。
天井をぼんやりと見上げて、月は小さくまばたいた。
目尻にたまった涙が頬にすべり落ち、冷たい尾を引く。
(私はもう大丈夫だと、寂しくないのだと思っていたが……そうじゃなかったのか……)
どこか呆然と胸に呟き、彼女は手の甲で涙を拭った。
今が満ち足りているならば、昔の自分の言葉に、あれほど怒りは湧かないだろう。ゆるぎなく穏やかに、「もっと幸せで満ち足りた未来が待っている」とでも返せたはずだ。
胸の底には、寂しくて哀しい気持ちが石のように重くわだかまっている。
「私は、今得ているものだけじゃ、満足できていなかったんだ。……もっとがんばらないと」
自分に言い聞かせるように呟いて、もう一度涙を拭うと、再び眠ろうと目を閉じた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年08月05日
参加申し込みの期限
2015年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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