ここは図書室だ。
北校舎(特別教室棟・3階建て)の3階に位置するため見晴らしもいい。
生徒数に見合って図書室も広く本も豊富なようだな…。長机で勉強するのもいいだろう。
図書室では静かにな。
イデオロギー…権力の資源…支配の三類型…少数支配の原理…
…思想や用語や歴史もだけど、法律のお勉強もしなきゃいけないなぁ…
ううーん、お勉強の方はゆっくりやってこう、原稿だって予定抱えちゃってるし…(ぶつぶつ
さぁて、社会科学の本は…んー?どこだろー?(きょろきょろ見回し)
>灯路くん
あ、マンガならそっちの棚だよー! おすすめのやつ、紹介する?
借りてた本を返却)
さて、何を借りようか…
真辺に気が付く)テスト対策か。熱心だな。
さて、と
中間近いし少し復習でもしようかねぇ
ぬー…寮だとどうしても違うことしちゃうしー
国語と社会と英語も大丈夫ー……
理科は暗記だから、一夜漬けで何とかー
残るは数学ー……数学かぁ……
(若干遠い目しつつ数学の問題集を広げて)
漫画とかねぇかな……(棚を漁る)
仲間、かどうかは時と場合によるかもねぇ。
これだけいて全員が全員仲よしこよしとはいかないもの。
(これもやはりさらりと言ってのける)
じゃ、またね。
……ぬいぐるみは、部屋の片付けの助けになるならもらってあげる。
(ひらひらと手を振って見送った)
……さて。私も帰ろうかしら。
(それから、自分も図書室を退出)
(他にも超能力者がいるという言葉に、少しびっくりしたように目を開いた)
…そうなんだ。…まだまだここには知らない事がたくさんあるね。…まさか圭花ちゃんも超能力者だとは思わなかったけど。…という事は同じ超能力仲間、かな?…ふふ。
(穏やかに笑ったあと、時間が時間である事に気付き)
…もうそろそろ行かなくちゃ。… 夕飯の買い物に行かなきゃいけないし。
…今日は楽しかったよ。…君と友達になれて良かった。…じゃ、また話す機会があったら、今度は圭花ちゃんの分のぬいぐるみ持ってくるよ。
(小さく手を振った後、ぬいぐるみを抱きながら図書室を後にした)
(ぬいぐるみをいじるのを止め、照れ隠しに咳払いする)
やっぱり私ぬいぐるみなんてガラじゃないわ。なんだか調子が狂ったみたい。
自分の話なんてあんまりしないんだけどね……少し喋り過ぎたわ。
(探るような目で、数瞬考えた後)
特殊な力って、それはもしかしていわゆる超能力だったりするかしら。
あ、驚かないわよ。
(さらりと口にして、事もなげな表情)
知り合いにも何人かいるし……実は私も使えたりするし、ね。
ぬいぐるみを動かすなんて可愛げのある力じゃないけど。
…あー、なるほどね。…僕もそういう感じ。…なんだかそわそわしちゃうというか。
…そう? …まあよく変わってるとは言われるね。…もう言われ慣れちゃってるくらい。…でも、男がぬいぐるみ作っちゃいけないなんて決まりはないんだから、おかしいなんて言われても全然気にしないよ。
…操り人形は、気付いたら出来てたかなあ。…なんか特殊な力らしいけど、名前忘れちゃった。…漫画みたいで嘘臭いけどね。
(顔が赤くなっている事に気付く)
…どうしたの? …風邪でもひいた?
(つんつんとぬいぐるみをつつく)
安心できる、ねぇ……。
私にはそういうもの、あんまりないかも。
物をよく壊すタチでね……あ、でも、枕とかはあるかしら。
使い慣れた枕じゃないと眠りが浅くなるほう、私。
こういうの作るって、ますます変わってるわ……。
ていうか、私の知ってる限りじゃそんな男子いないし。
それに操り人形?器用なのね、マシュー君は……。
(ぬいぐるみに気をとられているようで、自分のことも普段よりずっと饒舌に、素直に話す)
……ん。
(と、そんな自分に気付いて動きが止まる。
微かに赤くなる)
…んー、じゃあ圭花ちゃん、って呼ばせてもらうね。
(ぬいぐるみに興味津々という事に少し笑いながら)
…持ち運びしてる意味は特にないけど、持ってると安心できるって感じかな。…これがなくてテンパると思わず方言使っちゃうし。
…暇潰しに作ったりするんだけど、今はいっぱいありすぎて場所とっちゃってるんだよね。…捨てるにも捨てられないしさ。
…腹話術は出来ないけど、操り人形みたいな事は出来るよ。…まあ、やると疲れるから滅多にやらないけど。
好きなように呼んでくれて構わないわよ。
こっちも先輩抜きのマシュー君で呼ばせてもらうし。
(ぬいぐるみをつつこうと無遠慮に指を伸ばしつつ)
気になるといえば気になるわね。ぬいぐるみを持ち歩いてる男子、そうそういないし。
腹話術でもするわけ?
……って、たくさんあるの?
持ってこなくていいわよ、私どー考えてもそういうガラじゃないし。
(とは言いながら、視線はぬいぐるみを追って移動する)
…桃川さんね、よろしく。圭花ちゃんって呼んだほうがいいかな?
(にこりと笑いながら)
…マシューはアダ名だけど、子供の頃から呼ばれてるから、そっちで呼んでもらうと助かるな。
外国じゃなくて、青森の津軽出身だしね。
(ぬいぐるみに注がれている視線に気付き)
…ん、これが気になるの? …このぬいぐるみはあげられないけど、部屋に帰れば他のいっぱいあるよ。…持ってこようか?
あんまりそういう雰囲気も何もないもんだから気にもしなかったわ。
でもま、どの道私は先輩に気を使うようなタイプじゃないから、その辺はご心配なく。
(とはいえ2・3年生はいつもは先輩呼びなので若干収まりが悪そうに)
……マシュー、君?外人、じゃないわよね。
私の方は、桃川圭花。1年2組よ。
よろしく。
(ふとぬいぐるみに視線が移る)
……うん。ないわ、威厳とかそういう雰囲気が、全く。
(ばつの悪そうな表情に少し微笑ましく笑って)
…別にお説教って訳じゃないんだけど、ちょっとアドバイスをね。…まあ僕も他人にガヤガヤ言われるのは好きじゃないから、そんなこと言えないけど。
…うん? …ああ、ふふ、分からないのも無理はないかな。…先輩ってツラじゃないし、それに先輩面するのも好きじゃないからさ。
…だから敬語や先輩呼びはむず痒いからさ、そのままでいいよ、うん。
(大きくあくびをしながら、ぬいぐるみの頬を伸ばす)
…そうだ、名前聞いてなかったね。…僕はマシューって言うんだけど、君は?
あー分かった、分かった。分かったわ。
分かったからお説教は勘弁してよね。
年上みたいなこと言っちゃって……
(相手の真剣な表情に、口ではうるさそうに言いつつ、ばつの悪そうな表情。
わざとの時はともかく無意識にまで相手を困らせるようなことが口から出るのは悪い癖だ)
……ん。年上?
(再びじろじろと。今さらジャージの色に注目する)
えーっと、2年生?てことは先輩なの?
(こちらも少し笑って)
…よく言われるよ。…だらしないからかな?
(劣等生という言葉を聞き、少し真剣な表情になる)
…劣等生ねえ。
…ただ単に特技がないから、劣等生だと決め付けるのは良くないな。…僕だって青森のド田舎から逃げてきたし、授業だって数えるくらいしか出てないよ。…料理や裁縫なんて、他にも出来る人は五万といるんだから。
…ふふ、あんまり自分に劣等感を感じちゃだめだよ。…君も僕も、まだまだ時間はあるんだから。
(穏やかに笑って、ぬいぐるみの尻尾を引っ張る)
(ゴーヤチャンプルの調理法に関する薀蓄を聞いて、感心した表情)
料理、詳しいのね。……そんな感じに見えなかったわ。
あ、今のは別に貶したわけじゃないわよ?
(今度はおかしそうにくすりと笑った)
好きな料理ねぇ……私、家庭科の実技は食べ専で通してるの。
連日外食するほどお金もないし、料理なんて特技はもちろんない。
ていうか特技って特技がないわ。筋金入りの劣等生。
分かった?
(肩をすくめつつ)
…あー、図書室だもんね。…そりゃ聞こえちゃうか。
…そう? …僕、あんまりそういう事考えた事ないからなあ。…いつも通りの服装なんだけど。
(自分の着ているジャージとぬいぐるみを摘まんで見比べながら)
…なんだ、嫌いなんだ、ゴーヤチャンプル。…でも、ある程度塩もみして鰹節と一緒にサッと茹でれば苦味はかなり取れるよ。…嫌いなら仕方ないんだけどね。
…なら、夕飯はその好きな料理にすればいいのに。…確かにオバチャンの料理はおいしいけど、僕みたいに作る人もいるし、少ないけど外食してる人もいるから。…夕飯は自分の食べたいものにすべきだと思うな。…なにを食べても人の勝手だけどね。
(あくびをしながらのんびりと答える)
独り言だった?ここ静かだったから、耳に入ってきちゃったわ。
(ジャージにぬいぐるみという、図書室では輪をかけて浮きそうな出で立ちをじろじろと見て)
それに、あなただいぶ目立ってるし。
(ゴーヤチャンプルのことを聞かれると意地悪そうに目を細めて笑う)
逆よ。嫌いなの。私、あの苦さはまるきり駄目だわ。
もし好きな料理なんか口走っちゃったら、夜にはその料理のことで頭がいっぱいになって
ご飯が味気なくなりそうだもん。
(ふと聞こえてきた声に気付き、納得したように顔を上げる)
…そうか、ゴーヤチャンプルか。…なるほど。
…今はもうゴーヤも売ってるし、スパムもまだ部屋に残ってるしね。…念入りに苦味をこそげとるのが面倒臭いけど、まあよしとしようかなあ。
(声のした方向に振り向き、無表情から少しだけ微笑む)
…今献立の提案をしてくれたのは君?…ゴーヤチャンプル、好きなの?
(猫のぬいぐるみを抱きながら話しかける)