ここは図書室だ。
北校舎(特別教室棟・3階建て)の3階に位置するため見晴らしもいい。
生徒数に見合って図書室も広く本も豊富なようだな…。長机で勉強するのもいいだろう。
図書室では静かにな。
にゃぁ!? くそぉ、その手があったか! 逃がすかぁ!
(先に出て行った昴を追いかけて図書館を後にする)
勘弁してくれ…いや、待てよ?先に行って隠せば…?
というわけでお先ー
(呟きはしっかり聞こえてたらしく冗談めかしてそう言うと言葉の割りに全然急がず、こいこいと手招きしながら先に出て行く)
いいのかい? それじゃあ、お邪魔させてもらおうかな?
……昔のアルバムとか漁れば出てくるかな
(誘いに応じてこくりと頷くと、ぽつりと呟いて)
…たまたま昔住んでただけだ
なんなら一緒に行くか?ここほどじゃないが本もあるし、あそこならのんびりできるだろ
(何故か少しだけ言葉に詰まってから応え、興味があるというなら一緒に行くかと誘う)
なんと……山奥とはいえ屋敷を持ってるとは、昴もなかなかのセレブなのか……
それにしても昴の屋敷か……ちょっぴり興味あるかな
(意外な話に驚きながらも、興味を示して)
ん…ちょっとな…
…いや…九夜山に俺が所有者になってる屋敷があってな、そこの管理は親戚に任せてたんだが今月から暫く管理が出来なくなると連絡がきてたんだ。で、今そこの清掃やらなんやらが終わったから確認に来てくれとメールがあった
(普段ひとにあまり自分のことは話さないので一瞬伏せようとするが隠し事は無しにしようと判断したらしく、すぐに事情を話す)
ん、どうしたんだい昴? そんな真面目な顔をして
(不意に真剣になった相手の様子に首をかしげる)
さすがにそんなの勧めないって
ん?……そうか、もう済んだのか……
(さっきのやりとりの後にそれはないので肩を竦めるが電源を入れたスマホを少しいじるとふと真剣な表情になって呟く)
いいのかい? じゃあその……あまり過激じゃない健全系のやつがいいかな
(言わなくても大丈夫だろうとは思っているが、念のためにそんなことを言って)
まったくだな
あぁ、もし少女漫画に興味があるならいくつかおすすめしてやろうか?確か……ん?タイトルなんだったかな…?ちょっと待ってくれ
(二人して笑ってからもし興味があるならとタイトルを教えようとするがど忘れしてしまい、調べるため仕方なくさっき切ったスマホの電源を入れる)
そ、そうか……フィールか。フィールならなんとか感じるしかないな
……確かに、男子から少女漫画について力説されるなんてなんだかシュール極まりない光景だよ
(釣られてくすりと笑って)
難しく考えるな、フィールだフィール
…あー、だが全部が全部そうじゃないぞ?もっとプラトニックなものも……なんの説明してんだ俺は
(二人して照れて目を逸らした上に少女漫画の内容について力説しようとしてる自分がなんだか笑えてきて小さく噴き出す)
なにかがおかしい……なにがとは言えないが、なにかがおかしいぞ……
そ、そうか。つまりは、そういう事なんだな……
(なんとなく想像通りだったので、顔を赤らめつつ同じく目をそらして)
少女漫画読んでるだけで乙女だったら少年漫画読んでたら少年になっちまうだろ。…あれ?違わないか
描写?あぁ、そりゃもういろいろえげつないが……説明はやめとくか
(実際そのへんのエロ本レベルのもあるがなんとなく解理は耐性なさそうなので目を逸らして説明は放棄)
なんて事だ……こんなところで乙女力が負けるとは思わなかった
しかしだね、最近の少女漫画はこう、色々と描写が過激と聞くが……そこのところはどうなんだね?
(おずおずといった様子で訪ねて)
興味があるというか恋愛物の少女漫画の類は割りと読むからな
最近はなに読んだっけなぁ…
(さっき言ったとおり面白そうだと思えば本当にジャンルは問わないらしく、最近読んだタイトルをいくつか口にする)
い、いや苦手というよりは普段全く読まない類の物だからさっさと退けただけで特に他意はないよ!
そ、それとも昴はそういう本に興味あるのかい……?
(あたふたと言い訳をするが、浮かんだ疑問を口にして)
……そう、だな
…?こういうの苦手か?
(時折見せる可愛らしい反応にどうしても言葉が詰まってしまうが恋愛小説をそそくさと戻すのを見るとひょいと手にとってにやりと笑う)
昴も同じ、か……ほんの小さな事なんだけど嬉しいな
(などと微笑みながら適当に本を見てたら、恋愛小説を発見。妙に意識してしまい、ささっと元の場所に戻す)
小説は殆ど原作の外伝物ぐらいしか読まねぇなぁ…。それ以外は大体解理と同じだな。表紙とあらすじ見て気が向けば、だ
(隣で同じように表紙を見たりしてるが興味を引くものはなさそう)