this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
あの日のあとで
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
水晶になった歌声を、
ロベルト・エメリヤノフ
は、
来島 アカリ
の家まで大切に連れ帰った。
就寝のための準備を終えてアカリがロベルトの元まで戻ると、
「はぁ……やっぱり彼の歌は最高だね。あの歌……本当に良かった……」
水晶を灯りに翳すロベルトの、陶酔したような声が丁度耳にとび込んできて。
「これを見ているとあの歌を、あの場面を思い出すよ……うん、良い……」
美しく力強い歌声は、今もロベルトの耳にこびりついている。
目元を和らげるその様子を目に、アカリは、ふっと表情を曇らせた。
見たくはないものを見てしまった、と思う。
(……二人でいても、俺のこと見てはくれないのかな)
アカリは、ロベルトのことが好きだ。
自覚した想いは、彼への接し方さえも忘れさせてしまうほどの強いもの。
一緒にいたい、けれど、愛してもらえる自信がない。
だからこの恋心は、胸の痛みと共に忘れてしまいたい。
アカリはそう、自分で自分を諦めてしまっている、のに。
「――先輩、そろそろ寝ませんか?」
「……ん? ああ、もうこんな時間か。ごめん、来島」
いえ、と応じて、アカリは淡く微笑んでみせた。
きっと、表面上は上手く笑えているはず。ロベルトにも、何も気付かれていないはず。
(このまま隠し通して、全部忘れられれば……)
そう願う一方で、胸の奥にいるもうひとりのアカリは、でも一緒にいたいのだと叫んでいる――。
「……先輩、ベッド使っていいですよ。俺、ソファで寝ます、から」
何とか笑顔を繕ったままで、アカリはそう言い切った。
一緒にいると、心が引き裂かれそうになって、堪らないのだ。一方のロベルトは、
(最近なんだか来島、僕のこと避けてる……? ……うーん気のせいかな)
と、アカリの変化にきちりと気付いていた。気付いた上で、
(美少年が冷たく僕を……いいね!)
なんて思ってしまう思考回路の持ち主がロベルトという男である。
でも、と、ロベルトは改めてアカリの顔を密かに、けれどまじまじと見遣った。
(ちょっとだけ、いじわるな質問をしてみようかな……?)
そしてロベルトは、自分から距離を取るようにソファで眠る用意を整えるアカリへと、声を投げる。
「――来島、最近僕のこと避けてる? 嫌いになった?」
びくりとして、ロベルトへと眼差しを遣るアカリ。
その双眸に隠しようのない戸惑いの色を乗せて、
「そんなことない、です。先輩の気のせい……ですよ」
と、アカリは内心大いに狼狽しつつ、今にも消え入りそうな声で、答えた。
そのいじらしい姿に、ロベルトはつい、また言葉を重ねてしまう。
「ほら、今も目をそらして……君の美しい顔をもっと見せてよ」
「言われると逆に目合わせづらい、でしょ……それに、そーゆーこと言わないでくださいって……」
「……どうして?」
こてん、と首を傾げるロベルト。
今や頬を季節外れな桜の花弁の色に染めて、アカリは、ぽつ、と漏らした。
「……恥ずかしいから」
今のアカリに紡げる、精一杯の言葉。それを受けてロベルトは、
「ふふ、可愛いね」
なんて、いっそ屈託がないほどの満面の笑みをその顔に乗せて、臆面もなく零すのだ。
ロベルトからしてみれば、アカリは自身の理想にぴたりと填まる美少年である。
故に、優れた芸術品を愛でるようにして、ロベルトはアカリを愛しく思っている。
「とにかく、ソファで寝るなんて身体に悪いよ。さあこっちへ」
ベッドをぽんぽんと叩いてみるものの、まだ戸惑っている様子のアカリ。
ロベルトは半ば確信犯的に、軽く首を傾けて甘いような声を出した。
「僕、君みたいな美少年と一緒に寝たいなぁ……?」
頬を益々朱に染めて、視線をあちこちへと泳がせて。じきに、アカリはようやく、
「もー……今日だけ、ですからね……?」
と、ロベルトの望んだ通りに丸め込まれてくれた。
かんばせに喜色を乗せて、うんうん、と頷くロベルト。
「今日だけ、今日だけだね」
そして、2人は一緒にベッドの中へ。
すぐ近くにロベルトの温もりを感じながら、アカリは考える。
(先輩、気付いてたのか……そんなわかりやすかった?)
上手に笑えているつもりだったのに、全部見透かされてしまっていただなんて。
(でも……気づいてるってことは、少しは俺のこと、見てくれてるのかな)
ちらりと傍らの人の顔を見遣れば、視線に気付いたロベルトと、目が合う。
にこり、と笑み掛けられて、アカリもどうにか、口元を笑みの形に歪めた。
上手く笑えたかどうかは、わからない。
すぐに顔を逸らしてしまったアカリの様子に、ロベルトもまた思案する。
(……本当に僕の事好き……なのかな、来島って……)
こうして泊めてくれている以上は嫌いじゃないんだろうな、とはわかるのだけれど。
(いずれにせよ、美少年の歌を聞いて、美少年に添い寝してもらうなんて……今日は最高の日だ……!!)
耳から離れないあの歌声と、すぐ近くの温度。
そのいずれにも違いなく幸福を見出しながら、ロベルトは瞼を閉じた。
その横顔にまたすいと視線を遣って、アカリは切なく想う。
(解ってるのに……)
きゅうと、胸が締め付けられるような感覚。
(期待しちゃダメだって、先輩は俺のこと見てくれないって……好きになんて、なってくれないって)
だけど今ここに、好きになってしまった人の温もりが確かにあるから。
(……今だけ、今だけだから)
――先輩の隣で、先輩を好きでいさせて欲しい。
花弁に剣を携えたあの歌声の結晶が、ちくりと胸を刺すような心地が、した。
それぞれに全く色の違う想いを抱いた2人の夜は、温もりを隣り合わせに、深く深くなっていく――。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
後日譚の元となるシナリオに敬意を払って、を心掛けて執筆に当たらせていただきました。
心に残る後日譚な時間を紡げておりましたら幸いでございます。
なお今回、ルールとの兼ね合いによりアクションを採用できなかった方々がいらっしゃいました。
詳しくは、個別コメントをご確認願えればと存じます。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
あの日のあとで
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月15日
参加申し込みの期限
2016年12月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!