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あの日のあとで
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バレンタイン後の、最初の月曜日のこと。
放課後の廊下、その喧騒を潜り抜けて、
御巫 時子
は理科室を訪れた。
ふわり、編み込んだ髪が揺れれば、黒髪を彩るバレッタも一緒に踊る。
「尚輝先生、いらっしゃいますか……?」
「ああ、御巫さん」
扉を開ければ、授業の片付けをしていたらしい
五十嵐 尚輝
先生が、ぽつりと言った。
分厚い前髪の向こう、その目が柔らかく細められる。
「お弁当、今日も美味しかったです。ありがとうございました」
「いえ……あ、完食してくださったんですね……」
受け取った、保温機能が付いた弁当箱。
朝渡した時とは明らかに異なるその重みに、時子はぱっと表情を華やがせた。
「御巫さんの料理は美味しいので。それに、僕の好物まで入れてもらってしまって……」
「卵焼き、お口に合いましたか?」
「ええ、とても」
バレンタインの放課後、時子は五十嵐先生に、弁当のおかずにリクエストがないか尋ねた。
その際、五十嵐先生がぼそぼそと甘めの卵焼きが好きだと言ったのを、時子はきちりと胸に留めていたのだ。
(喜んでもらえたみたいで、良かった……チョコレートも、食べてもらえてるでしょうか?)
時子は、あの日の出来事を脳裏に描いた。
(尚輝先生は、美味しいと言ってくれましたが……)
あの後、時子手作りのナッツ入りチョコレートはどうなったのだろうか。
(疲れた時にでも食べてもらえてたら嬉しいのですが……)
そんなことを思ってそわそわとしている時子へ、
「御巫さん、飲んでいきますよね」
と、五十嵐先生が、いつも通りにビーカーに淹れたコーヒーを差し出した。
こくりと頷いて、両手で包み込むようにしてビーカーを受け取る。
その温もりに、心がほぐされるような心地がした。
「あの、尚輝先生……」
「はい?」
ずず、とコーヒーを啜っていた五十嵐先生が、時子へと向き直る。
勇気を出して、時子は、胸の内の問いを口に出した。
「えっと、チョコレートは……」
「ああ、すいません。もう全部食べてしまって。実は――気付いたら、箱が空っぽになっていたんです」
――少しずつ大事に食べるつもりだったんですが、美味しかったのでつい。
叱られた子供のように、軽く肩を落とす五十嵐先生。
時子は思わず、「そんな顔をしないでください……!」と、ぐっと身を乗り出した。
「日持ちするとはいえ手作りでしたし、美味しく食べていただけたならそれが一番なので……」
「……そう、ですか。なら、良かった」
ふっと、五十嵐先生の口元が仄かに和らぐ。
ついつい力説してしまった気恥ずかしさと、先の言葉通りの嬉しさ。
その両方を、時子はコーヒーを以って喉の奥へと流し込んだ。そして。
「……尚輝先生は、バレンタインの日にチョコを何個貰われたのでしょう……?」
時子は、胸に燻るもう一つの疑問を口にする。
これは、時子からしてみれば、すごくすごく気になることだったのだけれど、
「何個……何個だったかな……幾つかは頂いたんですが、正確な数は……」
という具合で、五十嵐先生はそこのところに殆ど頓着がない様子。
これでは、その中に本命があったかどうかも把握していないのだろう。
時子は、ちょっと拍子抜けしたような気持ちで、自分が贈ったチョコレートのことを思った。
(チョコに添えたメッセージカードの『想い』には、恋心も含まれているのですが……)
でもこれは、いずれにせよ、時子の心の中だけの秘め事だ。
時子は、何気なしに自分の髪に手を伸ばした。
五十嵐先生に選んでもらったバレッタに触れ――そして、気付く。
(か、髪が絡まってます……! ずっとこのままだったなんて……!)
面映ゆさに頬が火照るのを感じながら、一旦、ビーカーを机に置き、バレッタを外そうと試みる。
狼狽が災いして、今度は袖のボタンに、髪が絡まり付いてしまった。
(う、動けません……!)
とても不自然な体勢で固まってしまい、真っ赤になる時子。
その異変に、五十嵐先生はやっと気づいて、
「御巫さん? 大丈夫ですか?」
その手が、時子の髪にそっと触れる。
器用とは言えない指が、それでも精一杯丁寧に、縺れた髪を解いてくれた。
「あ、ありがとうございます……」
「いえ。痛くはなかったでしょうか」
「はい……先生に早く会いたくて廊下を小走りしたからですね。気を付けます……」
恐縮しきり、僅か俯いて、時子は五十嵐先生から手渡されたバレッタを止め直す。
その様子を眺めながら、ふと、思い出したように五十嵐先生が言った。
「そういえば。この間言い忘れてしまったのですが……その髪飾り、よく似合ってます」
「っ……!」
不意打ちの褒め言葉に、ハッとして顔を上げる時子。
時子の反応に、五十嵐先生は不思議そうに首を傾けた。
「……僕、何かおかしなこと言いましたか?」
「いえ……いえ、その、嬉しくって……」
お気に入りのバレッタを髪に添えてきた今朝の自分。
その選択を褒めたいような思いで、時子は頬を益々以って朱に染めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月15日
参加申し込みの期限
2016年12月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年12月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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