祈りの家を隠すように、又は縛るように
白を纏った野薔薇が生い繁る。
入り口付近の外壁には薄汚れた小さなプレートが嵌め込まれており
「九夜山勿忘草教会」という文字が刻まれているのが確認出来る。
この教会の正式名称らしい。
ああ、そうだよ。
何気なく話をしたりして、ふと気になったところに出掛けたりもして、
そういう時間を沢山作っていこうか。
魔法なら、それは僕とお嬢さんの2人でできた魔法だ。
僕らは魔法使いでもあったのかもしれないね。
(無邪気に笑う彼女にそう言い、自分も笑みを浮かべる)