祈りの家を隠すように、又は縛るように
白を纏った野薔薇が生い繁る。
入り口付近の外壁には薄汚れた小さなプレートが嵌め込まれており
「九夜山勿忘草教会」という文字が刻まれているのが確認出来る。
この教会の正式名称らしい。
あ、あの。
(からかうような声に更に羞恥を煽られ声が上擦る。
頭を撫でられながら、知り合ったばかりの男女が
こうして抱き合っているのは色々とまずい気がする。
離れた方がよいのでは、などと常識的な考えを巡らせるも
心地良さが勝り離れられず。
それはさておき…。)
は、白露さん。
突然泣かれたり抱きしめてって言われたり、嫌じゃないの?
恥ずかしくないの…?