だんぼーるはうすから、相変わらず突貫工事の気配がする扉が一つ。
扉を開ければ、よりもう少し広くなったとはいえ、やはり置かれている殆どがダンボールで作られた、この小屋へと繋がっている。
外からも直接入れるようになっているように、外への扉も付いている。
『防水ダンボールでも劣化する』と気がついた結果、前回よりも少し強固に、以前のを多少ながらも大きく建て替えをした模様。
ダンボールの机の上に置かれた、銀ワイヤー細工で作られた籠の中には『この飴でも、吹くと音がなるらしい』というネタ情報に騙されて購入したパイン飴が大量に積まれている。
同じくダンボールで作られたテーブルの上に載っているのは『午前の紅茶』から始まるお茶とミネラルウォーター、それを注ぐ紙コップの類。
飲み物食べ物等は、購入して自由に持込みが出来そうだ。
※大変申し訳御座いませんが、以前問題を起こされた方の入場は固くお断りしております。
※こちらは、いらっしゃって下さった色んな方のちょっとした御厚意だけで成り立たせて頂いている場所となっております。
どうか、何卒ご理解の程を頂けますよう宜しくお願い致します。
『いめちぇん』…!
確かに、その言葉には先進魁じみたものを感じます! 『休息とおしゃれと安らぎ』……ああ、なんてハードルが高いのでしょうか……!
ですが、寝子島テレビで拝見しました、ファッションチェックを行う芸能人さんが【おしゃれは我慢よ!】と言っていたので、
きっとアルパカ仮面さまには、それだけの才覚があります、きっといえ間違いなくあるのかと!!
まずはおしゃれの為に、その純白のもふもふをレインボーに染め替え……
(言い掛けたところで、アルパカ仮面様の頭が取れたのに、驚いて目を見開いて)
五月さん!! 『知ってた!!』 五月さーんっ!!
(もちろん知っていても嬉しく。改めて、机越しに全力でハグしようと)
ふっふ。喜んで頂けて嬉しいですー(眼鏡キラーンキラーン!)
私の家……いえ、基地の近くのお団子屋さんのお団子なんですよー。
ええ、もふもふが凍るのです、主殿……。
高い場所やスピードが出る場所はアルパカ仮面とても好ましいと思うのですが、
主殿の仰る通り、実に大変な事になってしまいかねないのです……(ごくり)
(茉菜さんの占いの言葉を聞いて)
おお……!やはり、やはりこのままでは大変な事になりかねないのですね……!
ありがとうございます、主殿……!
休息とおしゃれと安らぎ……なるほど、つまりはいめちぇんという奴ですな!
実にハイカラで心惹かれるお言葉ですー。
(いめちぇん、いめちぇん、と繰り返した後)
…………。
(おもむろにアルパカの頭を取った!)
ミステリアスな雰囲気を常に漂わす大人のアルパカ……!!(脳内が不思議な想像をしている)
わぁっ、お団子! 嬉しいです、アルパカ仮面さまありがとうございます!!(大喜びしながら、お受け取りし、そっと脇に置きながら)
も、もふもふが……凍る……!?(隠しきれない戦慄)
では、その重くなられてしまっては、電柱や高層ビルを上から覗き込んだ時や、ねこでんの車窓から顔を出したら、その重みで頭から落ちてしまう可能性も……!!(真顔)
大変……! アルパカ仮面さまにその様な──!(何故かこちらが追い詰められたように、真剣にカードを引いて)
……大変です……! アルパカ仮面さま……そのままでは、もふもふが凍り付いた水分で重力に逆らえずに、大変な思いをすると出ています!
自己鍛錬は程々にして、アルパカ仮面様にも妥協は必要なのだと知りました!!
アルパカ仮面さまにも、休息と安らぎとおしゃれは必要だと思うのです! これを機に、是非おしゃれをなさっては如何でしょうか!(家臣が進言するような、緊張感にあふれた面持ち)
おお。だんぼーるはうすの主殿が新たな力を……!(カッ!)
さすが主殿、これはわたしも眼鏡の反射をより鍛えねばなりますまい……!
ふっふ。『みすてりあす』は人生のスパイス。
いつかは『みすてりあす』がよく似合う、オトナのアルパカ仮面になりたいものですな(キラーン!キラーン!)
それでは、お邪魔して……よっこらしょっと(茉菜さんに続いて座り)
やあ、このテーブルの高さ、ええですねー。ふっふ。
こちらはお土産ですー良かったらどうぞお召し上がり下さいませー。
(三色団子の入ったパックを取り出し)
おお。だんぼーるはうすの主殿は太っ腹でらっしゃる……!
その、実は、ですな。この頭のもふもふが、冬場になると雪で凍り付いて、その。
……重くなりまして。こう、ふらふら、と。ふらふら、とですね(ごくり)
この自然からの試練を抗う(凍結対策)べきか、敢えて受け入れ自らを鍛えるべきかを悩んでおりまして(真顔)
ああ、名残惜しい……(もっと堪能していたい衝動を我慢し、ふるふると手を放して)
ああっ、眼鏡の反射が眩しい!でも、そんなミステリアスなところも、アルパカ仮面さまの良いところ……!!(光反射耐性ゲット)
はいっ、どうぞ座って下さいっ。
売らないどころか、占い殆ど無料配布状態なんですが、良かったらアルパカ仮面さまも是非っ!
(ちゃぶ台めいたテーブルにご案内して、自分も座りながら)
はいっ、……アルパカ仮面さまは、何か気になる事でもおありなんですか? 明日の天気とか……!?(アルパカ仮面にはヒーローなので、悩みが無さそうな心持ち)
おお、見事なもふりっぷりです!
このもふっもふなアルパカヘッドも喜んでおりますー(力強く頷き)
おお…!(眼鏡をキラーン!と光らせ)
つまり、だんぼーるはうす創刊号というわけですなー。
創刊号、実に、実に心躍る言葉です。素晴らしいですー!(キラーン!キラーン!)
わ、わ。ありがとうございます。
それではお言葉に甘えて、失礼いたしますね(ひょこひょこと中へ)
きゃーっ、アルパカ仮面さまーーーっ!
(広げられた腕に遠慮なくダイブしてから、両手で存分にもふもふ)
素敵なもふもふです!アルパカ仮面様!(目をキラッキラと輝かせて)
はいっ、『製造当時をそのまま再現! 毎号パーツが付いてくる!創刊号は290円!!』の【創刊号部分】を目指してみましたっ!
すごいっ、アルパカ仮面様は何でもご存じなんですね!
どうぞっ、今本当に飴だけなんですけれども……!!
(いそいそとご案内)
ふっふ。
このもふもふは、いつでもどこでも、お茶の間の皆様の為に存在致します。
ささ、思う存分、思う存分、もふってやって下さいませ!
(眼鏡をキラーン! と光らせ、ウェルカムと言わんばかりに両手を広げた!)
(そして、片付いただんぼーるはうすの中を見ながら)
何だか、少し懐かしい感じが致しますねー。ふっふ。
えっと……これで、テーブルと、本と、(指差し確認)飴以外は全部向こうに運び込んだかな。
大分すっきりした、最初の頃を思い出すね。
(満足げに呟いて、辺りを見渡して見えた白いもふもふ)
あれは……!
アルパカ仮面様! きゃー!素敵ーっ!! もふもふさせてくださーいっ!(勢い良く駆け寄って)
(扉の前で立ち止まり、携帯を開いて中身を見た後)
(コンコン、と扉をノックし、)
こんにちはー。茉菜さ……こほん。
だんぼーるはうすの主殿はいらっしゃいますか?
(アルパカ頭がひょっこりと顔を覗かせた)
(抱き締められて驚き、去りゆく姿を見つめて慌ててお辞儀をし直して)
……人はつまらない時に黙るものだと思っていたけれども…
胸が一杯だったり幸せな時も、上手く言葉って出ないんだ……(初めての事のように実感)
さて、お片付けを始めなきゃ。
宝物ばかりだから、全部家に運べるようにしなくちゃだね。
…うん。
それじゃあ、私はそろそろお暇するわね。
…また会いましょう。
私の大切な可愛い、愛しい子。
(茉菜さんをそっと抱き締めた後、その場から退出する
はい、決めました。
片づけ終わったら連絡するってお客様がいて、それで最後です。……楽しかった。
(一人心地に呟いて。
冴来さんの言葉を聞いて。途中まで真っ赤になったり否定をし掛けて我慢して。
最後に)
……本当に、有難うございます。(深く深く一礼して)
そう…。それは、寂しくなるわね…。
私もあの子のことは、今もあまり良く思ってはいないけど
きっと、なんだって考え方次第なのよね。
あの子が天界から落ちてきて
貴女をもれいびにしてくれて
治療に耐えられるだけの生命力を与えてくれたと思えば。
あの子のお陰で私は大切な貴女を失わずにすむ。
感謝しなくてはね。
貴女と過ごした時間は私にとっても
輝くような、とても愛しい時間だったわ。
こちらこそ、一緒にいてくれて有難う。
元気になったらまた、戻っておいで。
今までもこれからも変わらずに、私はずっと貴女が好きよ。
本当に、冴来さんは……(天使のような人、という言葉を飲み込んで)
幸せで、か……(天界での事を思い出し、少しぽつりと)
冴来さん、私本土に帰ろうと思うんです。私、ほんの少し持病があって、でもお金なかったり、寝子島じゃ手術も出来ないから……
とは言え、お金はお父様のお金なんだけれども!今なら、手術しても大丈夫なんじゃないかなって思うんです。もれいびって頑丈ですし!
天界で、ねこの言葉を聞いていたら『ああ、そういうものなんだな』って──物凄く、腑に落ちたというか、ののこが憎いのは変わらないけれども、してはならない納得しちゃった……って。
……だから、もうしばらく後片付けしたら、帰るって、お父様ともきちんと話を付けて、ここも完全に取り壊して……
……今度戻って来る時には、何の障害が無く大手を振れるように。本土に戻ろうと思います。
うん──だから……冴来さんの事や、今まで一緒にいて下さったご恩とか、遊びに来てくださった皆さんの事とか、忘れません。本当に輝くような時間でした。
有難うございます(冴来さんへ、深く深くお礼と共に頭を下げて)
(お気になさらずにー!)
生きてここにいてくれるだけで。
私にはそれで充分なのよ。
欲を言うなら、貴女が幸せでいてくれたら
私はもっと嬉しいわ。
テスト…面倒よね。
あんなもの無くなってしまえばいいのに…。
好きな時に好きな事だけ学んで生きていきたいわ。
ああ、天界なら私も行ったわ。
といっても、すぐに魔界へ落とされてしまったけれど。
…二本足で立って歩いていても
猫の姿をしていて「にゃー」と鳴くなら猫、なのかしら…?
(長く掛かってしまい本当に申し訳ありません……っ!!)
えっ、え、あの!そんな事は…! いるだけでなんてそんな事はっ!(顔を真っ赤にして)
でも……そうなら、少し、嬉しいです、ね……(俯き)
最近は……ずっと引きこもってましたね。ずっと勉強してました。一応、これで抜き打ちテストが来ても少しは大丈夫かなって。
物理とかは…相変わらず理解できないですけれども(汗)
変わった事──天界に行って、2本足の『ねこ』をくすぐって来ました!動物虐待!(ホワシナ)
……でも、2本足のねこって、本当に猫に分類して良いのか分からないですね。じっと見つめながら少し本気で考えてしまいました(しみじみ)
あらあらまあ。
(勉強道具をしまい込む茉菜さんの様子に苦笑)
有難う。それじゃあ、お言葉に甘えて。
気を使わなくて大丈夫よ。
貴女がいるというだけで
私にとって此処に訪ねてくるだけの充分な理由になるのだから。
他の人にとっても、きっとそうよ。
最近の調子はどう?
何か変わった事はあった?
勉強なんて、3の次です!
例え0点科目があろうとも! 勉強なんて訪ねて下さる人がいるなら5の次です!(断言)
はいっ、勉強は『しまってしまいます! どんどんしまってしまいます!』(纏めて大きくない机の下に封印)
どうぞ座ってくださいっ。相変わらずペットボトルのお茶と飴と……少しのバウムクーヘンならあります!
(お茶を注いで、出したのは個別包装された一口サイズのバウムクーヘン)
いいえ。こちらこそ、ありがとう。
(茉菜さんに向け、愛おしげに目を細め、微笑んで)
そう言ってくれるのは嬉しいけれど、いいの?
貴女、勉強の最中なのでしょう?
私がいると邪魔にならない?