だんぼーるはうすから、相変わらず突貫工事の気配がする扉が一つ。
扉を開ければ、よりもう少し広くなったとはいえ、やはり置かれている殆どがダンボールで作られた、この小屋へと繋がっている。
外からも直接入れるようになっているように、外への扉も付いている。
『防水ダンボールでも劣化する』と気がついた結果、前回よりも少し強固に、以前のを多少ながらも大きく建て替えをした模様。
ダンボールの机の上に置かれた、銀ワイヤー細工で作られた籠の中には『この飴でも、吹くと音がなるらしい』というネタ情報に騙されて購入したパイン飴が大量に積まれている。
同じくダンボールで作られたテーブルの上に載っているのは『午前の紅茶』から始まるお茶とミネラルウォーター、それを注ぐ紙コップの類。
飲み物食べ物等は、購入して自由に持込みが出来そうだ。
※大変申し訳御座いませんが、以前問題を起こされた方の入場は固くお断りしております。
※こちらは、いらっしゃって下さった色んな方のちょっとした御厚意だけで成り立たせて頂いている場所となっております。
どうか、何卒ご理解の程を頂けますよう宜しくお願い致します。
本当に、冴来さんは……(天使のような人、という言葉を飲み込んで)
幸せで、か……(天界での事を思い出し、少しぽつりと)
冴来さん、私本土に帰ろうと思うんです。私、ほんの少し持病があって、でもお金なかったり、寝子島じゃ手術も出来ないから……
とは言え、お金はお父様のお金なんだけれども!今なら、手術しても大丈夫なんじゃないかなって思うんです。もれいびって頑丈ですし!
天界で、ねこの言葉を聞いていたら『ああ、そういうものなんだな』って──物凄く、腑に落ちたというか、ののこが憎いのは変わらないけれども、してはならない納得しちゃった……って。
……だから、もうしばらく後片付けしたら、帰るって、お父様ともきちんと話を付けて、ここも完全に取り壊して……
……今度戻って来る時には、何の障害が無く大手を振れるように。本土に戻ろうと思います。
うん──だから……冴来さんの事や、今まで一緒にいて下さったご恩とか、遊びに来てくださった皆さんの事とか、忘れません。本当に輝くような時間でした。
有難うございます(冴来さんへ、深く深くお礼と共に頭を下げて)