酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
素敵かどうかって言われるとどうかしらね…(苦笑)
ちょっと必要以上に周りに厳しい方だったから。
”嫌われる上司役”なんてものを買って出る、という風でもなかったようだし。
自分の意見は曲げなかったし、嫌いな食べ物は見もしようとしなかったし、手伝おう
としたら怒るし、手伝わなくても怒るし…(再び思い出すように目を閉じる)
色んな意味ですごい人だったのよねぇ。
(目を開け) でも、情はあったのね。私が気付かなかっただけで。
死に目に会えなかったのは…(マイナス思考を中断するため、頭を軽く振る)
今回のことで思ったのだけど、自分が笑うために努力しているつもりのことが、他人
の為にはならないってこともあるわね。