酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
争い合うことがなく、苦しみも悲しみもない世界が理想ではあるけれど
それがないと人は成長出来ない。
現実って皮肉なものね。
幸せにしたいとは思っているのだけど
どうにもうまくいかなくて。
天国に行く道があっても、その道を私は歩けないわ。
そんな道を歩いたりしたら、私はきっと焼け死んでしまうもの。
ええ。
少なくとも、私の世話をしてくれた人はきっと、ね。
どうぞ、行ってらっしゃい。
私も、貴方があの場所をみて
何を感じるのかが気になるし。