酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
そうなの?
たまに気が乗らなくて行かない時もあるから、そのせいかしら…。
いいえ。行った事はまだないわ。
冬の寒さが厳しい国だって、知っているのはそれぐらい。
寒さは苦手だけれどいつか、一度でいいから行ってみたいの。
うん…。
理想を叶える為には自分から
世界に働き掛けなければいけないということは
私自身でも、わかっているの。
だけど、気がついたらいつも
人気のない場所に足を向けてしまっていて。
人に関心はあるけれど、恐怖心の方が勝ってしまうの。
今のままじゃいけないのに…。