酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
いいえ。此方こそ。
聞かせてくれてありがとう。
貴女の心が知れて嬉しい。
…寧々子さん。
昔の様にはもう戻れないなんて、そんな事は絶対ないと思う。
だけれど、今のままではきっと、気にしなくていいと何度言っても
八千穂さんは受け入れてはくれないわ。
だって、それだけじゃ不安は拭えないもの。
のんびりお茶会でもしながら
八千穂さんと正面から向き合ってあげて。
耳と心をよく澄ませて、八千穂さんの言葉を。
心を聴いて、受け入れてあげて。
そして、寧々子さんの素直な心を八千穂さんに伝えてあげて。
私、先ずするべき事は、それだと思うの。
というより、そうしてあげて欲しいの…。