酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
だったらっ!
(バッと冴来の頬を両手でつかみ、親指で両方の口角をあげる)
笑顔でいなさい?貴女のそういうはかなげな表情に男は引き寄せられるかもしれないけど、幸せを引き寄せられはしないわ。
…まぁ、それが男関係なら別かもしれないけど(ボソッ)
笑顔は幸せを引き付ける力がある。この世にごまんとあふれてる、そんなありふれた言葉なんて思うかもしれないけど。
(両手を離し、冴来の目を見据える)
全く根拠のない言葉は延々と語り継がれたりはしないわ。本当にあるのよ、そんな力が。
(くるりと向きを変え、出口のほうへ歩いていく)
またね、お嬢ちゃん。
(ひらひらと手を振りながら去っていく)