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おとなになりたいお年頃
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【人の感情は……】
「20歳分、年を取る飴だね。ちょっと待ってて」
噂を聞いて公園に来た、
八神 修
はうさぎと対面してそのもふもふの毛並みを眺めていた。
修は動物は大好きだった。これでもかと言うほど大好きだった。
「待たせてごめんね。上手く出来ないんだよ」
うさぎはテオの言ったとおり、手を震わせて飴の用意をする。
その様子をしばらく見ていた修は断言するように口を開いた。
「実は器用だよな」
“気付かれた!”とうさぎの背後に電撃が走る。
「いや、そんな驚く事じゃないだろう? 飴を配る時点で普通の兎じゃないから今更だと思うよ」
「……猫の大将には見破られた時の事は言われていないからいいか」
少し楽しそうに笑う修に、うさぎはその言葉に納得と併せて頷いて、ちまちまながらにてきぱきと改めて修用の飴の準備を始めた。
出されたのは黄色い飴。
食べればすっぱいレモンの味が口いっぱいに広がった。
その味を感じている間に、少し視界が高くなり、しっかりと体に合わせていたスーツが少しきつくなるのを感じた。
「これが、36歳の自分の姿か。
……。まあ、だろうな」
修は、更衣室のカーテンを開いて、鏡に映った自分の姿に僅かな沈黙を隠さなかった。
鏡の中にあったのは、予測済みのエリート実業家風の自分の姿。スーツを着ているから余計に拍車が掛かって見える。
修はそれ以上の自分の姿への言及を避けて、うさぎの元へ戻って来た。
「そうだ、うさぎさ……呼び辛いな。何か名前は無いのか? 無ければラビと呼ぼうと思うんだが──」
「名前なら『ぐるぐる』というのをもらったよ」
「そうか。どうだろう、ここはその『ぐるぐる』と『ラビ』を混ぜてしまうというのは」
「混ぜちゃだめとは言われていないから、いいと思うよ」
──こうして、うさぎは「ぐるぐるラビ」と命名された。
そして、修は様々な酒各種と、チーズやジャーキー等を乗せた大きなテーブル一つを、運転手に運ばせて公園内に持ち込んだ。
「味覚が変わるのを確認したい」と、大人になった際の味覚変化を確認したいと大々的な行動に出たのである。
うさぎ──ぐるぐるラビには、後から大量の人参やホウレン草クッキー等のおやつが運び込まれた。
「あ、ここだねっ。大人になれる飴を配っているのは──って、あ!
あの時の
うさぎさんっ!」
それは、お互いが椅子に座り合い、修がうさぎの世界について尋ねて、“仲間も見えない位に真っ黒”と答えられ、困惑している時だった。響いたのは
鬼河内 萌
の声。
「見つけたよ! 今度は、真っ白な濃霧の次は、歳を取る飴? 『陰で異界のうさぎ達は何をやっているのか!』MMR(萌ミステリーリポート)ターゲットー!」
「待て、確かにぐるぐるラビは、ターゲットには相応しいが、ここは楽しく話をしているのだし、まずは椅子にでも座って落ち着かないか」
「外見にだまされちゃダメだよっ。この子は
夢の中で人から声を奪って、起った出来事をずっと観察していた
んだよ! 絶対何か目的があるんだからっ!
──あ……でもボクも大人になる飴食べたいから一時休戦~っ!」
さらっと気抜けするほどあっさりこの話題を切り捨て飴の机の方へ言う。
「ああ。それはきっと、僕の知り合いのことだね」
うさぎは、のほほんと答えて椅子を降り、飴の並んでいる机の方へ向かった。
「ええっ。……うん、見れば確かに、向こうは模様も無かったし……違うマーブル(仮)かぁ」
「マーブル?」
「今日、今見た時に、キミに付けようと思った名前だよっ」
「それだと、僕は、みんな合わせて『ぐるぐるマーブルラビ』になってしまうよ」
「やっぱり、ラビはもう付いてたか~っ。
うんっ、いい名前だと思うよっ。僕はどんな大人になれるかな~」
遠目で修が見ている間。
萌は、キラキラと淡く光る様々な飴の色に目移りしながらも、直感で一つの飴をテーブルから見出した。
「見つけた! 多分、これだよっ……!」
その手の中には、一口サイズのオレンジ色のにんじん飴。
そして、萌が飴を口の中に放り込むと──
「当たりだった……! これはまさしくカレー味!
うん、美味しい!!」
聞き慣れない上に、何故飴にカレー味──? 修が我が耳を疑う中、
「暇つぶしでお客さんを驚かそうと思って作ったのに、それを狙って食べに来た人は初めてだよ。見るだけで味が分かるのは『人の神秘』?」
尋ねられた修は、極めて答え難い顔をして“かも知れない”と答える事しか出来なかった。
「ところで、ボク大人になったんだよね?」
「うん。そうだよ26歳くらいだよ」
「気のせいかなぁ、胸が──」
「
Bカップ
だね。良かったね、人より桁違いにスタイリッシュだよ」
「そんなの良くない~~~っ!」
そんな会話を繰り返しつつ、修のテーブルの上がつまみで一杯である事に改めて気づきながら、
「色々おつまみ乗ってるね。すごいなぁ」
「良かったら、一緒に食べよう。俺一人で食べきれる量じゃないしな」
修の了解を得た萌は、喜んで空いていた最後の椅子に腰を掛けた。
「そうだっ、今テーブルの上にあるのってお土産だよね?
ボクもお土産持って来たよっ。
『つちのこの里』と『なめこの山』ぐるぐるマーブルラビはどっち派?」
「何か名前が増えている気がするな……」
「名前はなんだか、もう気にしたら負けなんだって思ったよ。
そうだね、僕は美味しければどちらでもいいよ」
そう言うと、うさぎは両方の箱を開けて、一粒ずつ交互に食べ始めた。
「ず、ずるい……っ!!」
非難の声を浴びながらも、満足そうに口をもぐもぐさせるうさぎ。
萌はその口を手を伸ばして、はっしと押さえるように掴んだ。
「む~、む~」
「こら、動物虐待は良くないぞ。ぐるぐるマーブルラビ、こっちにおいで」
修は先程から、そのふかふかの毛に触りたくて仕方が無かった。
手櫛で撫でたら、あの毛並みはもっとつやつやになるかも知れない。そんな思いまで浮かばせながら、ぐるぐるマーブルラビを膝の上に乗せる。
「そう言えば、こっちの世界に来た目的と言っていたが……?」
修が不思議そうに、うさぎを薄い緬で青に染められた上半身の服を、その上から、服が届いていないおしりの方までうさぎを撫でる。
「う、う……撫でられているのが落ち着かないよ。この世界のこの外見をしている存在は、いつもこれに堪えているのかな」
撫で始めると、うさぎは硬直して、身をプルプルさせ始めた。
「もしかして……撫でられるのは嫌か?」
今まではそんな事はなかった修は、緊張した様子でうさぎを目にする。
「考えてもごらんよ。僕らはいつも尻尾の上……おしりまでのお洋服を着るけれども、それは触られないからで。
もしこれが人間だったなら──下半身に何も着ていないのに、体の下、撫でられたい?」
「……なるほど、そういう事になるのか……
自粛しよう。すまなかったな」
名残惜しそうに、非常に残念そうに、修が心なし、しょんぼりと肩を落とす。
「そう言えば、前のうさぎは人参を美味しく食べる為に、人間の声に関して観察して何かを貰っていたみたいだけど……キミも何か、人に年齢を取らせて、観察すると何か得する事が有るの?」
萌がツマミをもらう許可をもらいながら、その中からチーズを食べつつ問い掛けた。
うさぎは少し悩んでいたが、少し二人を値踏みするように見て、少し覚悟を決めたように、ちょんと修の膝から降りて、飴置き机の下に置いてあるトランクから何かを差し出して持ってきた。
それは、細かい砂状にすり潰した星のように、チラチラと光る物体が7割位まで収められた、うさぎが一抱え出来る程度の大きさの、綺麗なカッティング瓶だった。
「うわぁ、すごい……!!」
瓶の中で、自己発光しているが光が乱反射している。
「それは一体……?」
生まれて初めて見るものに、修も驚きが隠せない。
うさぎは、それを抱えて椅子に座り直した。
「これはね、僕が集めた皆の感情。沢山の驚きや喜びが少し一粒ずつ収められているんだ。
これを、かじる生のにんじんに、ほんの少しだけ掛けると、まるでニンジンの味がそのままニンジンのソテーになった位に美味しくなるんだ」
幸せそうにうさぎが鼻をひくひくさせて、思い出すだけで幸せという顔をしている。
結局食べ物に帰結するのか──と、二人の表情が重なった。
「僕は普通だと思うけれども、悪食の知り合いなんかに引っかかっちゃうと、どんな目に会うか分からないから、気をつけてね」
「そういえば、うさぎがこうしているのなら、やはり国に行く事は可能なのか? 是非行って見たい」
「ん~……真っ暗で、うさぎは常に美味しいにんじんを食べる為に、どんな手段を取ればいいのかを常に模索していて──捕まっちゃって、一生その実験台にされちゃっても良ければ──」
「……やはり、遠慮しておこう」
そして、修はお酒を嗜みながら、そんな謎のウサギに一つのプレゼントを贈った。
それは腕時計。体躯が小さいうさぎには、二の腕時計だが、修はそれをそっと巻いてあげた。
「兎と言ったら時計だからな」
本当は懐中時計だけれども、と前置きをして。うさぎを追いかけて、不思議の国に穴から落ちた少女の物語をした。そして最後に、
「特別な文化が無い限り、頭なら平気だろう?」
と、修は幸せそうに頭を優しく撫でて、うさぎの満足そうな顔を見てから、家路に着いた。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月26日
参加申し込みの期限
2015年08月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年08月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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