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\ オーバータイム!/
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ランチタイムはウォータイム!
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▽シーサイドタウン駅前
――どうしてって、当然でしょ! 僕だって生きてるんだ! 死にたくないんだよ!!!
お父さん、お願いだよ! 僕を、誰にも食べさせないで!!!!
バルシュ・コルテュルク
の脳内は刹那のとき、白色に塗りつぶされた。
しかしその刹那から戻ると、反射的に「アッラーアッラー……!」と己の神に祈りを捧げる。
バルシュの突然の呻くような祈りを聞いて、ケバブを待ちわびているお客は不審に思ったのか、眉をひそめた。
その表情を見てハッとしたバルシュはどうにか笑顔を繕い、お客に生まれたてのケバブを手渡した。
「ああ……お待たせしました、どうぞ」
お父さん……? 嘘だよね?
お父さんは僕のこと、見捨てたりなんて……そんなことするはず……。
「ありがとうございます。……では、いっただきま~す! あーん」
あ゛あ゛あ゛ああああああぁぁぁぁぁぁ!!!
い゛た゛い゛!! 痛いよぉおおおおお!!!!!
「アッラーアッラー……!」
徐々に遠ざかる悲鳴。嬉しそうにケバブを頬張るお客の横顔。まだまだ並んでいる次のお客。
ルーレットのように頭の中でそれらが入れ替わり立ち代りバルシュに訴えかけてくる。
もう冬も間近だというのに、バルシュの額からは汗が止めどなく流れ落ちる。
だがしかし!
バルシュは、お客さんを待たせることはできないのだ!!
「お、またせ、しました。何になさいますか?」
不屈の精神で怒涛のランチタイムをどうにかやり過ごしていると――
「バルシュー!いつものケバブちょーらい!」
友人の
飛吹 蓮太郎
の陽気な声が聞こえてきた。
「レンタロー!」
来店した親友は、今この瞬間ばかりは救世主に思える。
バルシュは頼みの綱により掛かるつもりで、恐る恐る声を絞り出した。
「な、なあレンタロー? 何か……その、声とか聞こえないか?」
「どうした、バルシュ? 俺には全然聞こえねえぞ?」
「い、いや、ならいいんだ」
「そうか?……とりあえずいつもの1つくれるか?」
「ああ、いつもの、な」
おお、アッラー……。バルシュはアッラーの足元に縋り付きたい思いだった。今すぐにでもメッカに駆け込みたい思いだった。
しかしそれでもケバブを作らないわけにはいかない。
バルシュは涙を呑んでケバブを作り、そして産声を上げて間もないケバブを蓮太郎に手渡すのだった。
「ありがとな……って、ん?」
怖いでしゅ……お兄ちゃんとお姉ちゃんみたいに、ぼくも……ぼくまで……うう、ふぎゅ……
「ふぇええ! ケバブが喋ったァ!?」
「レンタロー!? こ、この声が聞こえるのか?」
神はバルシュを見捨てはしなかった。
「ああ。だって今、怖いでしゅって」
「そうか俺の耳がおかしくなったのかと思ったぜ」
自分の苦悩を理解してくれる人が現れたことに、わずかながらバルシュは安堵する。
だが、問題は何一つ解決してはいない。
……お父たま、れんたりょーたま、ぼくのこと、食べないでくだしゃい!
※ ※ ※
グズグズとすすり泣き、ソースを垂らすケバブを、意識する前から抱きしめていた蓮太郎は、改めて頭(だと思われる部分)をポンポンと叩いてやる。
「お前、話してみると可愛いな!」
可愛い、でしゅか?
「ああ。――なぁバルシュ、この子、『ケバブン』てつけようぜ!」
「『ケバブン』?……別に構わないが……」
口ではいいと言いながらもバルシュの表情は曇る。彼の言いたいことは蓮太郎にもはっきりと分かる。名前などつければあとで困るのではないかという、優しいからこその心配だろう。
だが蓮太郎は、構わないと言われたからには名前を付けることを選ぶ。
「今日からお前はケバブンだ」
けばぶん……嬉しいでしゅ! れんたりょーたま、ありがとうでしゅ!
手の中で嬉しそうな声を上げ、ほんのりと温かみを増したケバブンを蓮太郎は愛しく思い、もう一度だけ頭を撫でてやる。
それからいつもの奔放な表情を引っ込め、普段はうちに秘めている静かな表情を浮かべた。
そんな蓮太郎の変化に気が付いたのか、バルシュが腰をかがめ、ケバブンに話しかける。
「なぁケバブン。男はな、強くあるべきだ。時には自分のことに、構ってられない。自分が痛くても苦しくても、家族や仲間の為に生きる……それが男ってもんだよ」
かジョくのため……?
「お前の兄さんもそうだったろ? お前にも戦う時が来た……それが今だ。
お前がその身をもって、『空腹』という苦痛から人々を助けるんだよ」
ぼくが、みんなをたシュける……。
ケバブンは何かを考え込むように押し黙った。
恐らくは、自分の中の色々なものと折り合いを付けているのだろうと蓮太郎は思う。
もしかすると恐怖と戦っているのかもしれないし、あるいは……。
蓮太郎なりにケバブンの苦悩を少しでも理解しようと、少しでも和らげようと思っての思案を遮ったのは、盛大な腹の虫の音だった。
れんたりょーたま、お腹、空いてるんでしゅか……?
「まぁな……実はここんとこ全然食ってねえんだよなあ、バイトで忙しかったから……」
「いくら忙しくても無理したら駄目だろ? レンタローは……」
「気を付けるよ」
とバルシュと話しているうちに、口の中には自然と唾液が広がっていく。
唾液が染みわたるにつれて思い出されるのは、バルシュの作るケバブの味。
病のこともあり身体に気を付けなければならない身の上だが、バルシュのケバブは美味しくて……ついたくさん食べてしまう。
理由はわかっている。それはバルシュが愛情を込めて作ってくれてるからだ。
……ケバブンに意思が宿ったのも、もしかすると、だからなのか?
蓮太郎がひとつの答えに辿り着いたとき、バルシュはケバブンにダメ押しとばかりに畳み掛けた。
「お前は、レンタローに食べて貰うために俺が作ったんだ……お前も俺の息子なら、トルコの男ならわかるだろう?」
お父たま……
ケバブンの声は震えていた。それ以上に身体も震えている。
……こんな幼気なケバブンをできることなら食べたくはない。
でもだからといって、バルシュの愛を捨ててまで残したくはない……。
蓮太郎も蓮太郎で葛藤する。
「……ケバブン。もし、君が生きたいというのなら、
どうかこの脆い身体と心を『中で』支えてくれないか?」
れんたりょーたまの中で?
「ああ。ケバブンのこと、絶対に忘れないから。だから……」
長い間、沈黙が流れた。
その間、幸か不幸かバルシュの店に新たなお客が来ることもなく……もしかすると、それくらい短い時間だったのかもしれないが、
蓮太郎もバルシュも、ケバブンが答えを出すまでの時間をじっと耐え忍んだ。
そして――
ぼくのことれんたりょーたまに食べて欲しいでしゅ。
「ケバブン!」
「……それでこそ俺の息子だ」
おとーたま、短い間でちたが、お世話になりました。……ぼくを産んでくれてありがとう。
「ビスミッラーヒッラフマーニ・ッラーヒム」
「……いただきます」
2人はそれぞれ食前の祈りを捧げ――蓮太郎はケバブンにかじりついた。
ケバブンは悲鳴ひとつもらさずに、蓮太郎の胃の中へ、全身へ流れていく。
※ ※ ※
「…で、最近ご飯をまともに食べてないって?」
「……それは……」
「なのにいきなりケバブみたいなハードなものを食べるなんて……。そんなことだと病気になるぞ?父親は倒れてなんかいられないだろうがっ」
「本当に君は心配性だなあ……でも、ありがとう」
「……ああ」
「全部食べるわけにはいかねーから、分けて食べようぜ!」
「……お前はこっちのお弁当も食っとけ」
少し遅くなったが、蓮太郎とバルシュのランチタイムとなった。
れんたりょーたま、聞こえましゅか? ……ぼく、これからも、れんたりょーたまと一緒に、生きていきます。だから、これかりゃも、よろしくお願いしましゅ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月21日
参加申し込みの期限
2015年07月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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