「いらっしゃい! うちのケバブはメッチャ美味しいよ!」
寝子島のあちらこちらでドネルケバブの移動販売をしている
バルシュ・コルテュルク。
今日のお昼はシーサイドタウン駅の前で、自慢のケバブを売っていた。
「さ、そこのお兄ちゃん。うちのケバブはいかがかな!
お兄ちゃんならお肉たっぷり! お姉ちゃんには野菜多めにしとくよ!
もちろん逆も大歓迎さ!」
お昼時ということもあり、あっという間にバルシュのワゴンに行列ができていく。
「あ、すぐ作りますんで、そこで待っててくださいね」
そんな沢山のお客さん1人1人を気遣いながら、大量のケバブを作らなければいけないワゴンの中はまさに戦場!
バルシュは息つく暇もなく、働いていた。
「お待ちどーさま!」
先頭のお客さんに、ケバブを手渡した――まさにその時だった。
――やめてぇ……。助けてぇ……。
どこからともなく悲壮な声が聞こえてきて、バルシュの手がピタリと止まる。
「あの、どうかしました?」
「い、いえ……」
どうやらその声はお客さんには聞こえていないようだ。
けれど声が気になったバルシュは、お客さんを捌きながらも、耳を澄ませて構えていた。
すると――
――バルシュのお父さん。お願いだよぉ。僕を売らないで……。僕を食べないで……。
これってもしかして……!
バルシュはハッとして、手の中にあるケバブを凝視した。
――やっと気が付いてくれたんだね! そうだよ、僕だよ!!
やはり、悲鳴を上げていたのは、バルシュが丹精込めて作り上げたケバブだった!
「ど、どうして……」
――どうしてって、当然でしょ! 僕だって生きてるんだ! 死にたくないんだよ!!!
お父さん、お願いだよ! 僕を、誰にも食べさせないで!!!!
・
・
・
ケバブだけではなかった。
実は、この日は寝子島の各所で、食べ物が喋るという現象が起きていたのだ。
そしてすべての食べ物たちはこう語る。
――これは戦争である。と。
まずはガイドに登場してくださいましたバルシュ・コルテュルク様、ありがとうございました。
イラストも沢山お借りしております。この場を借りて、御礼申し上げます。
さて、今回のシナリオは『ランチタイム』がキーワードです。
巷ではよく『ランチタイムは戦争だ』といいますよね。
あれ? 言いませんかね?
ま、その辺りはどっちでもいいです。
とにもかくにも、寝子島流のランチタイム戦争をどうにか乗り切ってみてください。
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【概要】
ある<平日のランチライム>に<寝子島中>で突然、<食べ物が喋り出しました>。
しかも、どうか食べないで欲しいと<命乞い>をしてきます。
ただし<全員に声が聴こえるわけではない>ようです。
あなたは彼らを<食べますか?>
それとも、<食べませんか?>
もし食べない場合は、周りの目をどうかいくぐりますか?
どうか、あなたなりの<勝利>を模索してみてください。
▽できること
●葛藤:どうしよう。食べようかな。食べないで置こうかな。
◯説得:食べ物を、人間に食べられるように説得する。
●初志貫徹:絶対に食べるor食べない。
(※食べるの場合は、食べ物は全力で抵抗します。
食べないの場合は、妨害キャラクターが発生します)
◯お手伝い&妨害:他のキャラクターが食べられるor食べられないように、お手伝いor妨害する。
(※この場合は【GA】や前もっての相談をおすすめします)
●その他:このシチュエーションで起こりうることならば。
▽おすすめしないこと
×事件の原因究明
→寝子島中で事件は起きています。しかも平日のランチタイムです。
何の当てもなく探したとしても、原因を見つけることはできません。
疑問に思うことがあったり、探そうと思い立つこと自体は構いませんが、
アクションのすべてを原因究明に使ってしまうと、結局何もできずに終わってしまいますのでご注意ください。
今回のシナリオのメインは、あくまでも<ランチタイム戦争>ですので、ご了承ください。
▽補足
<キャラクターは知りませんが>、放っておいても夕方頃になると、食べ物の声は聞こえなくなります。
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【アクションの書き方】
▽1.シチュエーション
ランチタイムということ以外はご自由に設定してください。
例:学校の給食
職場仲間とランチ
ランチタイムの厨房 等
▽2.戦略
喋りだした食べ物に対する、態度・戦略を記載してください。
例:可哀想だから、絶対に食べたくない。
世の中弱肉強食。問答無用で食べる。 等
▽3.勝敗・結末
シチュエーション・戦略・メンタルの強さ・食べ物の設定・お手伝い&妨害キャラクターを加味して、<マスターが判断します>。
ですので、こちらは記載しなくても問題ありません。
ただし、どうしてもこういう形にしてほしいという希望が有る場合は記載お願いいたします。
例:どうしても食べ物が可哀想だから、食べないという結末にしてほしい。 等
▽4.メンタルの強さ
あなたのメンタルの強さを★1~★5で示してください。
メンタルが強ければ強いほど、<キャラクターは意志を貫くことができます>。
※今回のシナリオ内のみで適用します。
▽5.食べ物の設定
・キャラクターが、食べるか否かの葛藤をする食べ物の設定をアクションに記載してください。
・1キャラクターに付き、<3個まで>戦う食べ物を設定することができます。
例:みかんとおにぎりとゼリー
カレーとご飯と福神漬け 等
・食べ物は制限以内であれば<料理単位>でも<材料単位>でも構いません。
例:料理単位:カレー
ケーキ
チャーハン 等
材料単位:ピーマン
じゃがいも
にんじん 等
・食べものの<性格>と<メンタルの強さ>を設定することができます。
例:性格・ネガティブ、気が弱い/メンタルの強さ・★1、簡単に言い伏せられる。
おまかせOK
※その他詳細はサンプルアクションを参照にしてください。
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【お手伝い&妨害キャラクター】
・アクションで指定がなくても、キャラクターの行動によっては、お手伝いをしたり妨害をしたりするNPCが登場します。
例:寝子高の食堂でランチをしようと思ったけど、可哀想で食べられなくなった。
すると、野々 ののこちゃん(妨害)が現れて、私のランチを……ものすごく狙っている。
・ほんの少しなら程度、アクションで指定していただくこともできます。ただし、確定ロールはできません。
例:◯寝子 サンマが、俺の弁当を狙ってくるかも。
→狙ってはくるが、サンマさんがお弁当を食べてしまうかどうかは、攻防次第。
×寝子 サンマが、俺の弁当を狙って勝手に食べてしまう。
・あくまでもお手伝い&妨害の範囲内での登場になります。NPCはあまりたくさんは描写しませんので、その点ご了承ください。
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【その他】
・今回はGAや絡み前提のアクション以外での絡みはあまり発生しません。ご了承ください。(つるこ。比)