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- 00月00日生 00歳
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ネコノメ企画ぷれぜんつ ～カップル撲滅大作戦!!～
そんなこんなで時は過ぎ行き、いつしかゲーム終了まで残り一時間を切っていた。
これまでしぶとく逃げ回っていたペアたちも、糸が切れたようにばたばたと捕まっていく。
襲撃者の包囲を逃れて路地から路地へと移動しているところを竜巻に襲われた、志波 拓郎と高梨 彩葉ペア。寝子ヶ浜海岸まで飛んで逃げたものの、そこで青春追いかけっこの果てに取り押さえられた雨崎 荒太郎と西野町 かなえペア。尾鎌 蛇那伊と相打ちになった添木 牡丹を背負って逃げるも、最後にはべちゃっと前のめりに潰れた戌井 創……。
だが、彼らは皆一様にどこか満足げな表情をしていた。
ふざけたイベントではあったが、何か大切なモノに手が届いたのかもしれない。
……パーフェクトセレブリティ（仮名）に捕らえられた葛城 璃人と高尾 日菜ペアも、「明日部活で先輩に会ったらどうフォローしよう……」と一級品の心労を得ていたりもするが、まあ些細なことであろう！
「皆さん、ここまでよくぞお付き合いくださいました！ いよいよゲーム終了まで残り十分！ 現在残っているペアは……御剣 刀 × 北条 冬華ペア、八十八旗 信彦 × 瑠璃条 ベガペアの二組です!!」
イベント会場、寝子ヶ浜海浜公園。ステージ上のスクリーンに映るカップルたちのほとんどにバツ印がつけられているなかで、読み上げられた四名の顔写真が燦然と輝いている。
「まだだ！ まだ終わらんよ！ 草の根分けても探し出せぇぇぇぇッ!!」
ロンリーウルフ作戦司令部からの号令を受け、最後まで戦い抜かんと散っていく襲撃者たち……その一組！
「（やりましたね御剣さん！）」
「（ああ。このイベント、俺たちの勝利だ!!）」
そう……襲撃者たちが血眼になって探していた獅子身中の虫ここに在り！ 旧市街での「はい、あーん」以降消息を絶っていた、御剣 刀と北条 冬華ペアである!!
襲撃者のネコノメスーツを入手し、ロンリーウルフに成りすまして逃げ切りを狙うというユニークな発想。それを発想のままに留め置かず、見事やり抜いた手際と度胸。まさしく、機転を以って勝利を引き寄せたと称えるに相応しい。
だが、驕れるなかれ若者よ。注意一秒、怪我一生。どこに落とし穴が転がっているかなど、誰にも知れたものではないのだから！
小さくガッツポーズし合い、どちらからともなく手を繋いだ――まさにその瞬間。
突如として生じた竜巻に呑まれ、ふたりは空高く巻き上げられたっ!!
異変はもちろん、そこらじゅうのロンリーウルフたちに目撃されていた。あっという間に囲まれて、抵抗虚しくスーツを剥がされてしまう。
残念無念！ 御剣 刀と北条 冬華ペア、ゲームクリア寸前でリタイア……!!
歓声に湧く下界の様子を、木の枝に胡坐をかいて見下ろしている灰色の影――。
「木を隠すには森のなか……けれど、あっしがいたのが運の尽きでやしたなぁ」
ラガマフィンのスーツに身を包んだ骨削 瓢が、にやりと口元を吊り上げて幕引きを告げた。
そして決着は、シーサイドタウンの大観覧車乗り場――。
シーサイドタウンの街中を張っていた襲撃者たちに、作戦司令部より緊急伝達。残る八十八旗 信彦と瑠璃条 ベガのペアが、キャットロードで人力車を引いていたという目撃情報を供されたのだ。
だが、連中を捕らえるに当たって、襲撃者たちにはとある重大な問題が生じていた。
「はあ!? 違う違う、あいつら制服だって。あのタ○タニックごっこのバカップルだろ？」
「ンな馬鹿な、あいつら新郎新婦姿だったよ。間違いない、だって俺途中まで追いかけてたし！」
「ワケわかんねえなもう！ 俺が見たときは、ジャージ姿で大通りサイクリングしてたよ!!」
実は、そのいずれもが正解だったりするので始末に負えないのだ。
常に襲撃者たちに姿を晒し続けてなお、いまだに捕まっていないのが彼らの立てた作戦の妙。
あらかじめ、寝子島各地に変装用の衣装セットを用意し、訪れた先々で着替えて追手の目を眩ます。たとえば、神社の階段を上がっていった新郎新婦が、降りてくるときには運動部員になっているという塩梅。襲撃者たちに渡す情報を更新し続けることで、逆に彼らの追跡を撹乱したのだ！
蓋を開けてしまえば単純な話だが、これはカップルを視覚情報から追いかける大半の襲撃者らにとって、実に効果的に作用した。ゲーム終了間際というこの状況に至ってさえ、捕らえるべきペアの姿形がまるきり定まっていないのだから!!
「着替えて回ってたと仮定しよう。すると目撃情報の時系列から……いまはジャージ姿か？」
「ひっこにゃん、ありがとー！☆ これでネコホームのみんなにお米いっぱい炊いてあげられるよ！☆」
「いや、それも最後に目撃された時間からしたら相当前だぞ。着替えてるだろ」
「はっは、これぐらいお安い御用さ！ それじゃ夕焼けの観覧車デートと行こうか」
「ってことは司令部にリダイヤルしてそこ確認しないとだな。あと五分しかねえぞ……」
「きゃーん、ステキ!!☆」
「「………………ん？」」
どこかで聞いたようなバカップルの声に振り向くと、ニット帽を被った金髪兄ちゃんと、私服ポニテの娘がはしゃぎながら観覧車に乗り込むところだった。
襲撃者の皆さん、顔を見合わせて手元の『参加カップル一覧』に視線を落とす。
……彼らの絶叫が大観覧車乗り場に響き渡ったのは、観覧車のドアが閉まって二秒後のことだった。
これまでしぶとく逃げ回っていたペアたちも、糸が切れたようにばたばたと捕まっていく。
襲撃者の包囲を逃れて路地から路地へと移動しているところを竜巻に襲われた、志波 拓郎と高梨 彩葉ペア。寝子ヶ浜海岸まで飛んで逃げたものの、そこで青春追いかけっこの果てに取り押さえられた雨崎 荒太郎と西野町 かなえペア。尾鎌 蛇那伊と相打ちになった添木 牡丹を背負って逃げるも、最後にはべちゃっと前のめりに潰れた戌井 創……。
だが、彼らは皆一様にどこか満足げな表情をしていた。
ふざけたイベントではあったが、何か大切なモノに手が届いたのかもしれない。
……パーフェクトセレブリティ（仮名）に捕らえられた葛城 璃人と高尾 日菜ペアも、「明日部活で先輩に会ったらどうフォローしよう……」と一級品の心労を得ていたりもするが、まあ些細なことであろう！
「皆さん、ここまでよくぞお付き合いくださいました！ いよいよゲーム終了まで残り十分！ 現在残っているペアは……御剣 刀 × 北条 冬華ペア、八十八旗 信彦 × 瑠璃条 ベガペアの二組です!!」
イベント会場、寝子ヶ浜海浜公園。ステージ上のスクリーンに映るカップルたちのほとんどにバツ印がつけられているなかで、読み上げられた四名の顔写真が燦然と輝いている。
「まだだ！ まだ終わらんよ！ 草の根分けても探し出せぇぇぇぇッ!!」
ロンリーウルフ作戦司令部からの号令を受け、最後まで戦い抜かんと散っていく襲撃者たち……その一組！
「（やりましたね御剣さん！）」
「（ああ。このイベント、俺たちの勝利だ!!）」
そう……襲撃者たちが血眼になって探していた獅子身中の虫ここに在り！ 旧市街での「はい、あーん」以降消息を絶っていた、御剣 刀と北条 冬華ペアである!!
襲撃者のネコノメスーツを入手し、ロンリーウルフに成りすまして逃げ切りを狙うというユニークな発想。それを発想のままに留め置かず、見事やり抜いた手際と度胸。まさしく、機転を以って勝利を引き寄せたと称えるに相応しい。
だが、驕れるなかれ若者よ。注意一秒、怪我一生。どこに落とし穴が転がっているかなど、誰にも知れたものではないのだから！
小さくガッツポーズし合い、どちらからともなく手を繋いだ――まさにその瞬間。
突如として生じた竜巻に呑まれ、ふたりは空高く巻き上げられたっ!!
異変はもちろん、そこらじゅうのロンリーウルフたちに目撃されていた。あっという間に囲まれて、抵抗虚しくスーツを剥がされてしまう。
残念無念！ 御剣 刀と北条 冬華ペア、ゲームクリア寸前でリタイア……!!
歓声に湧く下界の様子を、木の枝に胡坐をかいて見下ろしている灰色の影――。
「木を隠すには森のなか……けれど、あっしがいたのが運の尽きでやしたなぁ」
ラガマフィンのスーツに身を包んだ骨削 瓢が、にやりと口元を吊り上げて幕引きを告げた。
そして決着は、シーサイドタウンの大観覧車乗り場――。
シーサイドタウンの街中を張っていた襲撃者たちに、作戦司令部より緊急伝達。残る八十八旗 信彦と瑠璃条 ベガのペアが、キャットロードで人力車を引いていたという目撃情報を供されたのだ。
だが、連中を捕らえるに当たって、襲撃者たちにはとある重大な問題が生じていた。
「はあ!? 違う違う、あいつら制服だって。あのタ○タニックごっこのバカップルだろ？」
「ンな馬鹿な、あいつら新郎新婦姿だったよ。間違いない、だって俺途中まで追いかけてたし！」
「ワケわかんねえなもう！ 俺が見たときは、ジャージ姿で大通りサイクリングしてたよ!!」
実は、そのいずれもが正解だったりするので始末に負えないのだ。
常に襲撃者たちに姿を晒し続けてなお、いまだに捕まっていないのが彼らの立てた作戦の妙。
あらかじめ、寝子島各地に変装用の衣装セットを用意し、訪れた先々で着替えて追手の目を眩ます。たとえば、神社の階段を上がっていった新郎新婦が、降りてくるときには運動部員になっているという塩梅。襲撃者たちに渡す情報を更新し続けることで、逆に彼らの追跡を撹乱したのだ！
蓋を開けてしまえば単純な話だが、これはカップルを視覚情報から追いかける大半の襲撃者らにとって、実に効果的に作用した。ゲーム終了間際というこの状況に至ってさえ、捕らえるべきペアの姿形がまるきり定まっていないのだから!!
「着替えて回ってたと仮定しよう。すると目撃情報の時系列から……いまはジャージ姿か？」
「ひっこにゃん、ありがとー！☆ これでネコホームのみんなにお米いっぱい炊いてあげられるよ！☆」
「いや、それも最後に目撃された時間からしたら相当前だぞ。着替えてるだろ」
「はっは、これぐらいお安い御用さ！ それじゃ夕焼けの観覧車デートと行こうか」
「ってことは司令部にリダイヤルしてそこ確認しないとだな。あと五分しかねえぞ……」
「きゃーん、ステキ!!☆」
「「………………ん？」」
どこかで聞いたようなバカップルの声に振り向くと、ニット帽を被った金髪兄ちゃんと、私服ポニテの娘がはしゃぎながら観覧車に乗り込むところだった。
襲撃者の皆さん、顔を見合わせて手元の『参加カップル一覧』に視線を落とす。
……彼らの絶叫が大観覧車乗り場に響き渡ったのは、観覧車のドアが閉まって二秒後のことだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年04月07日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年04月14日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年04月14日 11時00分
