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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
桜花寮、秋の一日
空はすっかり暗く、星が瞬く夜。
時は少し遡り、21時前。
高峰 一馬と風雲児 轟は、未だ行方知れずの血陣 遵を懸命に捜索していたが、もう門限も差し迫っているため、ひとまず桜花寮の前へ戻ってきた。
「高峰先輩！ 見つかりましたか！？」
「だめだ…！ マジでどこ行ったんだ血陣……」
相変わらず携帯電話にも連絡はない。いよいよ警察に頼ることも考えるべきか――と、頭を痛めていたその時。
「たっ……高峰先輩！ あそこに！」
街灯の下に現れた人影を見つけた轟は、唸っていた一馬の肩を揺らした。
「あ。一馬……」
寮門の前に、遵が帰ってきたのだ。度重なる不運に苛まれながらも、門限ギリギリに辿り着けたのは、不幸中の幸いと言うべきか。
「おー！ 生きてたか！ よかったー大丈夫か？ 怪我増えてねえ？」
安堵し、満面の笑みで遵を出迎える一馬。
「心配かけたな……ごめん」
「ははっ、しゃーねえな」
一馬の朗らかな笑顔に、遵の疲れが少しだけほぐれたように見えた。
「協力してくれてありがとよ、風雲児！」
礼を言われた轟も、解決を見届けたことで笑顔を返す。
「血陣先輩が無事で俺も安心しました！ ……って、怪我してるから無事じゃないか…？」
「これはまぁ…いつものことだから大丈夫。君にも迷惑かけたね」
「いえ！ もしまた何かあったら呼んでください！」
颯爽とした足取りで自室へと戻っていく轟を見送り、一馬は今日の騒動を振り返りながら呟いた。
「今度GPSかなんか、持ってたら便利かもしれねえなぁ」
GPSがあれば、迷子になっても居場所が分かるという訳だ。
「う……」
遵はなんだか子供扱いされているようで恥ずかしくなるが、現にこういったことが起きてしまっている手前、反論できない。
「……ほんと、毎回こんなんで、どう詫びたらいいか…」
すっかり消沈して謝罪する遵だが、一馬はいつも通り、寛容に笑うだけだった。
「…ああ？ 気にしてねえから、きーにすんなって。…お、それ饅頭か？ いいなー部屋戻って食おうぜ！」
とんだ長旅になってしまったが、遵が災難の末に持ち帰った土産『激辛いりロシアンルーレット饅頭』は部屋で早速開けられた。
見た目はどれも同じ美味しそうな饅頭。だがこの中に、一つだけ激辛餡が入っているはずだ。まずは二人で一個ずつを手にしてみる。
「よし…いくぞ」
ぱくり。まずは一回目、遵の挑戦。
「…………ぐっ…！ う……ハズレだ…ッ」
口の中で容赦なく広がる刺激に、思わず口を押さえて突っ伏す遵。
「はっはっは！ いきなり外れってお前ほんと――んむぐっ！？ 辛っ！？」
「って……え？ 一馬も？」
「外れは一個だけって書いてあるよな……あれっこれもだ！？」
甘い饅頭を求めて次を食べるも、これまた激辛餡。
「これも…か、辛い……！ どういうことなんだ……」
「うおあー！ 口直しのつもりのはずが、口の中が辛くてひりひりしてやべえことになってんぞ、これ！」
火を吐けそうなほどの辛さに襲われているが、一馬はこんな状況にも大笑いしていた。
「ま、まさかこんなことになるなんて……ッ」
「あー、でも、二人で食えばいけるな！ 辛いもんだって思って食えば結構美味いしさ」
二人で悶絶しながら、オンパレード激辛饅頭を賑やかに食していく。血陣に至っては、数日前に創った口内の傷が治っていなかったら、もっと大変なことになっていたかもしれない。
食べ終わって分かったのは、どうやらこの箱が不良品で、甘い饅頭が一つしか入っていなかったということだ。
「はー！ お前の不幸もここまでくるとある意味奇跡だな！」
遵の不幸体質に感心すらしながら笑う一馬。
迷った末に土産は不良品、今日も散々な災難に見舞われしょげていた遵だが、こうしていつも豪快に笑ってくれる一馬を見ていたら、釣られて少し笑ってしまった。
（……ありがとう、一馬）
相変わらずの不幸であるが、遵は一馬のおかげで少しだけ、前向きになれた気がした。
「ん？ 何か言ったか？」
「いや……何でもないよ」
目の前の一馬に直接伝えるには少し照れくさく、遵は心の中でもう一度感謝の言葉を唱えた。
これが桜花寮に住む彼等の日常。
また明日もそれぞれの、様々な平穏が、彼等に訪れることだろう。
時は少し遡り、21時前。
高峰 一馬と風雲児 轟は、未だ行方知れずの血陣 遵を懸命に捜索していたが、もう門限も差し迫っているため、ひとまず桜花寮の前へ戻ってきた。
「高峰先輩！ 見つかりましたか！？」
「だめだ…！ マジでどこ行ったんだ血陣……」
相変わらず携帯電話にも連絡はない。いよいよ警察に頼ることも考えるべきか――と、頭を痛めていたその時。
「たっ……高峰先輩！ あそこに！」
街灯の下に現れた人影を見つけた轟は、唸っていた一馬の肩を揺らした。
「あ。一馬……」
寮門の前に、遵が帰ってきたのだ。度重なる不運に苛まれながらも、門限ギリギリに辿り着けたのは、不幸中の幸いと言うべきか。
「おー！ 生きてたか！ よかったー大丈夫か？ 怪我増えてねえ？」
安堵し、満面の笑みで遵を出迎える一馬。
「心配かけたな……ごめん」
「ははっ、しゃーねえな」
一馬の朗らかな笑顔に、遵の疲れが少しだけほぐれたように見えた。
「協力してくれてありがとよ、風雲児！」
礼を言われた轟も、解決を見届けたことで笑顔を返す。
「血陣先輩が無事で俺も安心しました！ ……って、怪我してるから無事じゃないか…？」
「これはまぁ…いつものことだから大丈夫。君にも迷惑かけたね」
「いえ！ もしまた何かあったら呼んでください！」
颯爽とした足取りで自室へと戻っていく轟を見送り、一馬は今日の騒動を振り返りながら呟いた。
「今度GPSかなんか、持ってたら便利かもしれねえなぁ」
GPSがあれば、迷子になっても居場所が分かるという訳だ。
「う……」
遵はなんだか子供扱いされているようで恥ずかしくなるが、現にこういったことが起きてしまっている手前、反論できない。
「……ほんと、毎回こんなんで、どう詫びたらいいか…」
すっかり消沈して謝罪する遵だが、一馬はいつも通り、寛容に笑うだけだった。
「…ああ？ 気にしてねえから、きーにすんなって。…お、それ饅頭か？ いいなー部屋戻って食おうぜ！」
とんだ長旅になってしまったが、遵が災難の末に持ち帰った土産『激辛いりロシアンルーレット饅頭』は部屋で早速開けられた。
見た目はどれも同じ美味しそうな饅頭。だがこの中に、一つだけ激辛餡が入っているはずだ。まずは二人で一個ずつを手にしてみる。
「よし…いくぞ」
ぱくり。まずは一回目、遵の挑戦。
「…………ぐっ…！ う……ハズレだ…ッ」
口の中で容赦なく広がる刺激に、思わず口を押さえて突っ伏す遵。
「はっはっは！ いきなり外れってお前ほんと――んむぐっ！？ 辛っ！？」
「って……え？ 一馬も？」
「外れは一個だけって書いてあるよな……あれっこれもだ！？」
甘い饅頭を求めて次を食べるも、これまた激辛餡。
「これも…か、辛い……！ どういうことなんだ……」
「うおあー！ 口直しのつもりのはずが、口の中が辛くてひりひりしてやべえことになってんぞ、これ！」
火を吐けそうなほどの辛さに襲われているが、一馬はこんな状況にも大笑いしていた。
「ま、まさかこんなことになるなんて……ッ」
「あー、でも、二人で食えばいけるな！ 辛いもんだって思って食えば結構美味いしさ」
二人で悶絶しながら、オンパレード激辛饅頭を賑やかに食していく。血陣に至っては、数日前に創った口内の傷が治っていなかったら、もっと大変なことになっていたかもしれない。
食べ終わって分かったのは、どうやらこの箱が不良品で、甘い饅頭が一つしか入っていなかったということだ。
「はー！ お前の不幸もここまでくるとある意味奇跡だな！」
遵の不幸体質に感心すらしながら笑う一馬。
迷った末に土産は不良品、今日も散々な災難に見舞われしょげていた遵だが、こうしていつも豪快に笑ってくれる一馬を見ていたら、釣られて少し笑ってしまった。
（……ありがとう、一馬）
相変わらずの不幸であるが、遵は一馬のおかげで少しだけ、前向きになれた気がした。
「ん？ 何か言ったか？」
「いや……何でもないよ」
目の前の一馬に直接伝えるには少し照れくさく、遵は心の中でもう一度感謝の言葉を唱えた。
これが桜花寮に住む彼等の日常。
また明日もそれぞれの、様々な平穏が、彼等に訪れることだろう。
あとがき
担当マスター：
イルミネート
ファンレターはマスターページから！
のんびりしたり、ドタバタしたり。
皆さんの桜花寮での充実した生活を垣間見ることができました。
私はこれまでバトルや冒険系の執筆が多かったので、今回日常を描かせていただけたことは貴重な経験です。
これも一重に皆様のお陰です。
平和っていいなぁ。青春時代っていいなぁ。
皆さんの桜花寮での充実した生活を垣間見ることができました。
私はこれまでバトルや冒険系の執筆が多かったので、今回日常を描かせていただけたことは貴重な経験です。
これも一重に皆様のお陰です。
平和っていいなぁ。青春時代っていいなぁ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年07月18日
- 参加申し込みの期限
-
- 2015年07月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2015年07月25日 11時00分
