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【すばらしき出会い】
秋の装いに身を包み、いつもの公園に足を運んでは、擦り切れた台本をじっくりと読み耽り……セリフの練習も。
鴻上 彰尋
の、この季節のちょっとした楽しみです。
肌をなぞる秋風を感じつつ、そんな風にひと時を過ごした、その帰り道のこと。道端に奇妙な光景を見かけた彰尋は、思わず近寄りまして、まじまじとそれらを見つめました。
丸っこいガラスの向こう、はら、はらと降る雪。ぽっかり、ぽかんと球状のスノードームが……目の前に、ふたつ。
(……? この人、確か体育祭の時に見た……)
ドームの中、何だか心地良さそうにふわりふわりと浮いているふたりの少年のうち、ひとりは、以前にあの賑やかな体育祭、騎馬戦にて相手チームとして相対し、その活躍ぶりが何だかとても印象に残っている、
呉井 陽太
のようです。彼は、可愛らしいぬいぐるみに囲まれたドーム内から、こちらへと何やら親しげに手を振ったりしてくれているものの、その声は聞こえてきません。
(こっちは……そうだ。隣のクラスの……)
もうひとつ、ビリヤード台にどっかと乗っかっているドームには、
須崎 蒼志
。さほど面識があるわけではありませんでしたけれど、彼はかなりの高身長で、一度見たらなかなかに忘れがたいインパクトがあります。こちらはどうもあまり気の無い様子で、読んでいる本からちらりと顔を上げますと、どこか気だるげに、それでも一応彰尋へ手を振ってくれました。
(これは、何なんだろう……どうしてこんなものが? それにどうして、ふたりは中に入っているんだろう)
もちろん、疑問は浮かんできます。何故、こんなにも大きなスノードームが? どうしてその中に知り合いがいて、浮かんでいるんだろう。苦しくは無いのか? それらは多分に彰尋の優しい気質からのものでして、つまりは一応見知った相手である彼らを、大いに心配してのことです。
ただ、しばらく観察などしておりますと、どうやらどちらも、閉じ込められて必死に脱出を試みている……なんてそぶりは無い様子。見ればそれぞれのドームには、色々な物がぷかぷか、ぷっかりと浮かんでおりまして、彼らはそれを手に取ってみたり、ゆったりとした面持ちで眺めたり。のんびりと本を読んだり。どちらかと言いますと、こんな状況を楽しんでいるように見えました。
(……危険は無さそうか)
彰尋は、ほっとひと安心。もしふたりが苦しんでいたりしようものなら……石とかカタイものか何かを探してきて、このガラスを叩き割り、彼らを助けよう! くらいの気持ちだったのでした。
そんな心配がどうやら杞憂であるらしい、と分かったところで、彰尋は改めて、はらりはらりと雪が降るふたつのドームを、じっくりと眺めてみることにします。
陽太のドームは、ウサギ、ニワトリ、ネコなどの縫いぐるみが取り囲んでいて、図らずも彰尋は、彼らと一緒に中を覗き込んでいる格好です。ふわふわ、浮かびながらゆったりと、ドーム内の曲線に身を這わせて優雅に寝転ぶ陽太……その回りには、なぜだか歯車やらネジやらボルトやら、それに綺麗な懐中時計も。彰尋がそれを見つめると、気付いたらしい陽太が時計を手に取り、ガラスへ近づけて見せてくれました。彼の細目がより一層細まって、笑いかけてくれるその表情はなんだか、こういうの、好き? なんて言っているかのようにも見えます。
(こういう、機械とか……ああ、ぬいぐるみも。何かを作るのが好きなのか)
もう片方、蒼志のドームはビリヤード台の上。のみならず、蒼志本人も見れば、使い込まれたキューを大切そうに腕へ抱え込み、そしていくつも周囲に浮いている本たちの中の一冊を、のんびりゆるゆると読み進めております。ビリヤード台にはちゃんとボールも置いてあって、彰尋がそのひとつを手に取りますと、蒼志は、興味あるのかい? なんて、そんな視線をこちらへ向けてきました。
(ビリヤードと、読書が趣味。という感じか。きっと、好きなものが詰まったスノードームなんだな……)
そう。どうやらドームは、それぞれの趣味とか、興味のあるもの、好きなもの、そういった何かしらによって彩られた、素敵な空間であるようなのです。
誰にも邪魔されず、静かにゆっくりと、思う存分好きなことに没頭できる、そんな空間。
「……少し、羨ましいな」
彰尋はふとつぶやいて、笑みをこぼしました。
また神魂か。と、蒼志もやっぱり、始めは思ったものです。
気付けばガラスのドームの中、閉じ込められたように出ることはできず……けれど、舞い散る美しい白雪に包まれながら、好きな読書をひたすらに堪能できること。それにどうやら危険な現象ではなく、何だか心穏やかに落ち着く場所であると分かったなら、もとよりのんびり屋な彼です。割り切って、この状況を楽しむことにしました。
(まぁ、球が突けないのがちょっと、寂しいけど)
お気に入りのマイキューは手元にあるものの、肝心のビリヤード台やボールは、ドームの外。とはいえ周りには、もうひとつの趣味、読書を楽しむための本たちだって、いくつも浮いておりまして、退屈はせずに済みそうです。
蒼志はゆるゆる、だるーん。
(それに、どこか……守られている、って感じだな)
ふと見れば、目の前にはビリヤードの9番ボールが、ぷかぷか。蒼志のろっこんは、このいつも持ち歩いているボールをキーとして、自分や誰かを守護するためのバリアを作り出すものです。そんな力を持っているだけに、今はこうして逆に守られているような感覚には、何だか妙な気分にもなってきたり……とはいえどの道、今はそのろっこんも必要は無さそうです。
ちらりと顔を上げますと、ガラスの向こうのそのまた向こう、隣のドームでくつろいだ様子の、陽太の姿が目に入ります。
(呉井先輩らしいドームだな)
顔見知りで先輩の陽太は、いつものように明るい笑顔を浮かべながらに、すっかりくつろいでいる様子。その周りを漂う、ものづくりが得意な彼らしい品々は、蒼志にも納得のラインナップです。
と、不意にそんな陽太が蒼志の視線に気付き、
(あ、手振ってる。リラックスしてるな、あっちも楽しそうだ)
やはりドームは、そこに包み込まれた人の心を、大いに安らがせてくれるようです。にこにこと両手を振る陽太へ、蒼志もひとつ、彼らしい控えめさながらに手を振り返します。
(……ん?)
もうひとつの視線に気付いて、蒼志がそちらへ振り向きますと、間近に覗き込んでいるのは、先ほどからふたつのドームを興味深げに、微笑ましそうに見つめている、彰尋です。
(確か、隣のクラスのヤツだよな。名前、なんだっけ……)
咄嗟には浮かんでこないものの、彼の顔を覚えているのは、あの
演劇フェスティバル
にて、予期せず同じ即興劇の舞台へと上がることになったのもあってのことでしょう。
彰尋へも手を振ってみると、彼は少し微笑んだ後、興味深げな視線を、蒼志の本たちへと向けます。彼も、読書が好きなのでしょうか? 蒼志は本たちの中から一冊を取り上げると、表紙が良く見えるように彼へと掲げながら、
「これ、俺のお勧め。読んでみるか? って、聞こえないか」
それぞれのドームで隔たれた陽太は元より、ごく近くにいる彰尋にも、残念ながら声は届かないようです。
蒼志はしばし、思案。後に、
(……この現象が終わったら、持っていってやるか)
これを機に、少しばかり交友関係を広げてみるなんて、そんなのもきっと悪くない。のんびりな蒼志にだって、そんな気がしてくるのです。
「ふあー……何だろうなぁ、優しくて……あったかくて……」
雪が降ってるのに、あったかい、はヘンかな? なんて思いつつ。どうにもこれが心地良いものでして、そう感じてしまうのも仕方が無いのです。
陽太はふと、ドームのすぐそばに立つ彰尋が、視線を落として何かをじっと見つめていることに気付きます。ゆったりくつろぐ陽太の真下……おそらくは、スノードームの台座部分が気になっているようです。
つられて陽太も見下ろして、彼の疑問、その理由に思い当たりました。
(ああ……なるほど。これかぁ)
ドームの中には、馴染み深い歯車やネジ、手に馴染む懐中時計。外にはぬいぐるみたち、
兎のウー君
に
鶏のドリー氏
、
猫のニャッタ君
。
それに……傷付けられて読み取れない、台座のプレートに刻まれた刻印も。
『XtXXXoXXXXrX』。陽太はそれがとある曲名であり、自身にとって忘れがたい出来事を連想せずにはいられないフレーズを擁する、印象深い曲であることに思い至ります。
壮絶な痛みを伴った、過去の記憶。あの日の出来事。
にも関わらず、
(この中にいると……そんなのも全部、あったかく包み込んでくれるみたいで。癒される感じがするねぃ。不思議、不思議……)
丸いガラスの内側に背中を預けて、陽太はのんびり、ゆったり。居心地の良いこの空間は、全てを受け入れ、抱擁し。あの暗い思い出までもが、ほどけて溶けていくかのようです。
プレートの傷は、それを眺めた彰尋にとっては、多少なり異様なものとして映るらしく、彼は陽太へどこか心配そうな、案ずるような視線を寄せてくれています。そのことがまた陽太には嬉しく、こんな風に心安らぐ一因ではあったかもしれません。
「心配してくれてるのかな? 彼、良い子だなぁ。よし……ほーら、大丈夫だよぅ。苦しくないよぅ♪」
声はどうやら届かないようで、陽太はそれをどうにか伝えようと、身振り手振り。にっこり笑えば、意図はなんとか伝わったらしく、彰尋も微笑みながら、ひとつこくりとうなずいてくれました。
隣のドームでは、蒼志が穏やかな表情を浮かべるままに、のんびり読書中。いつにも増してリラックスしているようで、普段の彼らしからぬちょっぴり気の抜けた顔に、陽太はくすりと笑います。
「あっちも本がぷかぷか、楽しそぅ♪」
気になったもので、こつ、こつとガラスをノックしてみると、こちらへ目を向けた彼へ、再びジェスチャーで意思疎通。
「な・に・よ・ん・で・る・の、っと。あ、分かってくれた……へぇー、そういう本が好きなんだねぃ」
ガラスは厚く、何を言っても届きはしないものの、こうして通じ合ったり、分かりあうことはできました。
雪降るドームは、ひとりきり。けれどすぐそばには、蒼志がいて、彰尋だっているのです。
(……ヘンな現象だけど。こんなのも、たまには楽しいもんだねぃ)
その後も三人、ドームの内外で隔てられていながら、そんなことはまるで関係が無いかのように、しばし、もどかしいやり取りを楽しみました。
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2015年07月15日
参加申し込みの期限
2015年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月22日 11時00分
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