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雨の日、秋の日、フツウの日?
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「あれ」
篠崎 響也
は下校しようとして、傘がなくなっていることに気付いた。
「どうするんだよ……」
傘置き場の周辺を探しても傘は見つからず、響也の口からそんな言葉が漏れる。
自分が濡れてしまうのはこの際、まだ、いい。
問題は、ヴァイオリンケースが濡れてしまうことだ。
困惑したまま、次の行動を考えあぐねる響也。その背に声が掛けられた。
「今日はクラ同は休みだろ、んなとこ突っ立って何してる」
ぶっきらぼうにも聞こえる物言いは、
神嶋 征一郎
のものだった。雨の日は黒く見える染色の髪の下から、青い瞳が響也を見据えている。手にはヴァイオリンケースと傘。
同じクラシック同好会に所属する間柄だ。
「あー、それだけどな。傘、持ってかれたらしい」
響也が差してきたのはビニール傘だった。聞いた征一郎が呆れたような顔をする。
「ビニール傘は盗られやすいのに、傘置き場に置いてたのか……不運だったな」
そう言って征一郎は傘を広げた。黒に蒼線入りの高級感漂う、大きめの傘だった。それを響也のほうへと掲げてみせる。
「なら入れ」
「え?」
「ケース、濡れちまうだろ」
やや横柄な態度だが、征一郎の目は真摯だった。響也はほっとした。これでケースは濡れない。
「助かった。ありがとう、神嶋」
「今度から、雨の日は気をつけろよ」
傘は絶対無くさないよう、手元に置くもんだ――そう言って歩き出す征一郎。響也がその後に続く、二人とも最優先は楽器なので、はみ出た身体が多少濡れても、相合傘であっても気にはしない。
ふと、響也はさっきの忠告を思い返した。
もしかしたら征一郎も、過去に傘を失った経験があったのだろうか。
――そういえば、神嶋とは音楽以外の事って話した事ないな。
「なあ、神嶋。ショッピングモールに寄っても良いか?」
音楽を通じての接点はあるが、どこかに出かけた事もない。そう思うと、口からそんな言葉が出ていた。傘に入れてもらっといて悪いけど、と付け加える。
却下されるかとも思っていたが――
「……自分も欲しいものがあるから、構わねぇ」
征一郎も同意した。普段は行かないところだが、響也の提案に気が向いた。
ショッピングモールへと向かう二人。その道中、鈴の音が聞こえた。
篠宮 六花
は、当てもなく雨の中をふらり、ふらりと歩いていた。
黒の小袖に赤の羽織、蛇の目傘も赤。後ろで結んだ髪紐もまた、赤い。
雨の音が雑多な音を遮断してくれて、サイドの髪が揺れるたび、鈴の音が鳴る。
雨と鈴。六花にはその協和する音が好ましかった。
「六花か!?」
そこに驚いた声が滑り込んだ。聞き覚えのあるそれに目を向ければ、一つの傘を分け合う少年が二人。
「征一郎か、奇遇だな」
ちょっと気になって、聞く。
「相合傘のお相手は、友達か?」
「……篠宮とこんな所で会うとは」
征一郎の呟き。響也はなぜ彼が言いなおしたのか、そして最初驚いていたのか分からない。
「篠崎は初対面だな、コイツとは寝子島に来る前の知り合いだ。小学校の頃のクラスメイト……な関係だ」
歯切れが悪くなった部分が一瞬気になったが、それよりも響也は興味を持ったことがあった。
六花との自己紹介の後、聞く。
「よろしくな、篠宮……神嶋の知り合いってことは、音楽やるのか?」
「そうだな、ピアノをやっている。あと、フルートも多少」
「ピアノに、フルートもか。もし良かったらクラシック同好会に入らないか?」
演奏のできる人材の発見に、響也は早速勧誘をする。六花は柔和な笑みを浮かべた。
「ありがとう。同好会、気にはなってたんだ。俺なんかでよければ喜んで」
「本当か、さんきゅ」
快諾に響也の声も調子が上がる。そこで征一郎が口を開いた。
「そういや、モールに行くんじゃなかったか」
「あ、そうだった」
「買い物か? せっかくだし、俺も同行していいか?」
六花の言葉で、三人で向かうことになった。雨の中を歩いているうち、前方に店が見えてくる。
「で、結局何を買いに行くんだ? 篠崎」
「ピアスを見ようと思ってる。せっかくだし、意見聞かせてもらえないか?」
モールに入って、店へ先行する響也。六花がそこで、征一郎にハンカチを差し出した。
「篠崎やヴァイオリンケースを守るのはいいが、お前が濡れてどうする」
「……そんなの、こっちの勝手だろ」
やや目をそらし反論する征一郎。六花はその手にハンカチを押し付けた。
「慰めにもならないだろうが、一応拭いておけ。風邪引くぞ」
「分かったよ……代わりに自分も、お前に渡すものがある」
征一郎がメモを取り出し、何事か書きつけて六花に押し付ける。六花が内容を見れば、そこには番号と、星が丘寮の文字が書かれていた。
「今住んでるトコの部屋番と、連絡先だ。お前は目を離すと、そのまま行方を晦ます野良猫みたいな奴だからな」
そこでやや、征一郎の声のトーンが落ちた。
「勝手に消えるのはもう許さねぇ」
「ああ……有難う? かな」
一方の六花は、征一郎の言葉を聞いていたのかいなかったのか、まじまじとメモの内容を見つめ、そして微笑んだ。
「ふふ、今度部屋に遊びに行ってもいいか?」
「……勝手にしろ」
「おーい。二人とも、これなんだけど」
ピアスを物色していた響也の声に、二人は会話をやめてそちらへ向かう。二人に分かるよう、展示されたピアスの一角を響也の指がさまよった。
「このあたりの中から選ぼうって思ってるんだけど、二人の意見を聞かせてくれないか?」
「ふむ、今付けているのは……青か?」
響也の茶髪から覗く色を見て、六花の視線が示された範囲を行き来する。
「なら、そうだな……赤の雫はどうだ?」
「自分もそれが気になった。赤い雫型か、あとは小さい宝石がついているのもいい」
「シルバーのツララパーツも似合いそうだが、演奏する時に邪魔かねぇ」
征一郎と六花の感想に、響也が「なるほど、それもいいな」とうなずき、範囲を狭めていく。
「じゃあ、これを買うかな」
選んだのは、二人の意見が揃っていた赤い雫型のピアス。
「二人が直感で良いと思ったものにする」
考えも聞けて参考になった、と響也。
「俺も見たいものがあるんだが、いいか?」
六花がそう言って、次に着いたのは髪飾りを扱う一角。
「簪(かんざし)か」
「前から欲しいと思っていたんだ」
照明にキラキラと輝くそれらを見ていく六花。響也と征一郎は彼の後に続く。普段気にすることのない装飾品を見て、結構するんだな、などと言葉を交わしていく。
「そういえば、神嶋も欲しいものがあるって言ってたな」
「ああ、それか」
響也に訊かれ、征一郎は口籠った。
「……ワックスが気になってたんだ」
「ワックスって、あの髪に使うワックスか?」
「他に何が――あるっちゃあるが、そのワックスだ」
「色々あって迷うな。篠崎。征一郎。ひとつ選んでみてくれないか?」
六花が二人を手招きする。
「勝手に選んでいいのか?」
「ああ、俺も二人の意見を参考にしたい」
六花の返事に、征一郎と響也は陳列された簪を眺めていく。征一郎がぽつりとつぶやいた。
「そういえば、前に六花って名前の由来を聞いたな」
確か、雪の結晶からきていると言っていた気がする。
「へぇ、そうなのか。なら……これはどうだ?」
響也が指し示したのは、雪をモチーフにしたものだった。結晶の装飾のついた、銀色にきらめくその簪を征一郎は手に取る。ほんの少し笑みをこぼす。
――奴はなかなか溶けてくれない雪だしな。
そのくせ、昔の自分の心はあっけなく溶かして……と、征一郎は一瞬浮かんだ感傷を消す。
「そうだな。良いんじゃねぇか。おい篠宮――」
そして見せた簪に、六花もまた満足そうにうなずいた。
「見落としてたか。綺麗なもんだなぁ」
「そいつにするのか?」
「せっかく二人が選んでくれたんだ。記念に買って帰るよ」
その後は予定通り、化粧品売り場でワックス選びへ。
「そういえば、なんでまた急に?」
「仮装コンテストで使った時に気になっただけだ。つっても、どれがいいのか全く分からねぇレベルだが」
それならと、実際に使用している響也が見繕うことになった。
「俺と違って神嶋の髪の毛はかたいから、こっちが良いな」
「篠崎はこのメーカーの使ってんのか」
「もう少し柔らかい髪用のだけどな。他のメーカーと比較したことはないが、これなら間違いないと思うぜ」
手にした容器をためつすがめつ見て「へぇ」と呟く征一郎。
「……分かった、ならこれにする」
買い物も終わり、三人はそのままショッピングモールを出ていく。
――の、はずだった。
「へぇ、セールか」
誰ともなく服売り場で立ち止まった三人。
数分後、響也は征一郎と六花にすすめられ、服を着る羽目になっていた。
「あれ、なんでこうなったんだ?」
「篠崎が自分で言いだしたんだろ」
「いや、違うよな。確か『サイズ合わないから着てくれ』って、神嶋が言ったんだろ」
「だったか? ま、今更理由なんてどうでもいいだろ」
「俺は普段和服だから自信はないが、楽しませてもらうぞ」
「さらりと篠宮もひどいな……」
着せ替え人形となった響也に、征一郎はジャケットを、六花はシャツを持ってくる。
「篠崎は細身のジャケットが似合うと思う。体のラインが綺麗に出るからな」
「俺はジャケットに合う色のシャツを選んでみた。征一郎の美的センスだけだと心配だからな」
「余計なお世話だ」
なんだかんだといろいろ考えて選んできた二人。響也はグレーのシャツの上からジャケットを着、仕上げに三連ストールを首に巻いてもらう。鏡を見れば、ストールの黒、グレー、ワインレッドが服によく合っていた。
「どうだ? 意外と上手くいったと思うんだが」
「……普段自分では選ばないタイプだな」
でも悪くはない――と響也は思った。
「……買う」
決断から購入まで、割と早かった。
思いのほか、中で時間を過ごしていたらしくて。
外に出た頃には周囲は暗く、街灯が雨の中にぼうと見えていた。響也は途中まで征一郎に送られる形となり、六花は先に星が丘へと帰るため別れることになった。
「今日は楽しかった。二人共有難う……雨の日は好きだったが、こんな楽しみ方もあるんだな」
「俺も楽しかったよ、篠宮。今日は有難う。クラ同で待ってるからいつでも来てくれ」
暗くなった道を、響也と征一郎が歩いていく。
「篠宮、いいやつだな。今度三人で演奏でもするか」
「ああ、それもいいな」
征一郎の返事に、響也が笑った。
「思えば、神嶋とこういう風に遊ぶの初めてな気がするな。またどっか行こうぜ」
その言葉に、征一郎は少し目を見開いた。
――そういえば、そうだったか。
「……気が向けば付き合ってやらなくもねぇ」
紡がれるのは、およそ素直でない返事。
その後もたわいのない話をしながら、二人は夜道を歩いていった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月08日
参加申し込みの期限
2015年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月15日 11時00分
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