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雨の日、秋の日、フツウの日?
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放課後。親から買い物を頼まれていたひまりは、肝心の店を見つけられずにいた。
「この道も違う、か」
「……」
八葉 ひまり
は雨濡れる路地を何度も眺めたあと、別の方向へと歩き出す。
tournesol――それが店の名前。ひまりの家でもあるパイ専門店『Huit Feuilles』で使う蜂蜜を扱っている店だった。建物から突き出ている看板の群れを、ひまりの視線は何度も往復する。地図は頭に叩き込んでいたはずだが、実際は思ったより入り組んだ所に店はあるらしい。来た道を行きつ戻りつ、見落としがないか探すひまり。彼女の心をはやし立てるかのように、雨足は徐々に強まっていった。
――早く買って帰らないと店にも迷惑がかかるのに。
苛立ちは自然と足を早める。眉根が徐々に寄って歪んでいった。傘の端から、雨が容赦なく中に入ってくる。霧状の水滴が顔に当たり、ぴりっとする不快感を残していく。視界も悪くなっていた。うっかりはねた足元の水が足を濡らす。
「……っ」
せり上がってきた感情に声を出しかけ、ひまりはゆっくりと息を吐き出した。
――一旦落ち着こう。
雨が鬱陶しい。せめて屋根のある場所で考えようと、ひまりは近くにあったシーサイドタウン駅に駆けていく。
「一体どこにあるんだ『tournesol』は」
傘の群れとすれ違いながら、そんな言葉が口をつく。
胸の内に広がるのは苦さだ。そしてわずかに、誰かに負けたような悔しい気持ちがあった。
――バカ姉だったら情報にも明るいから、こんなに時間はかからな……
「わ!?」
思考に気を取られていたひまりが、突然襲って来た衝撃に押し戻された。目の前にはよろめく青年。
ぶつかってしまったのだ。
驚きに見開いた青い瞳。視線が合って、ひまりから血の気が引いた。
●
五十士 柊斗
は大学の帰り、たまたま立ち寄った駅の中をぼんやり歩いていた。歩きながら、柱がポスターがなんとなく気になって、軽く見る。
そして視線を前に戻した瞬間、走って来た少女が回避不可能な距離に迫っていた。
「!?」
護身術を身に着けていようと、不意では対処もままならない。見知らぬ相手が驚いた顔で自分にぶつかるのを、柊斗はほとんど動けぬまま見ていた。
それだけではなかった。
――一体どこにあるんだ『tournesol』は。
――早く買って帰らないといけないのに。
――雨さえ降ってなければ。
――こんな時にバカ姉だったら……
――落ち着いて落ち着かないと。
――早く帰って××を××して……
――え?
突如聞こえてきた複数の同じ『声』に、柊斗はぶつかった衝撃の中で目を瞠る。
数歩よろめいて、声の主を見る。青ざめた顔をしていた。
「す、すみません……!」
やはり先ほど聞こえた声と同じで、相手の少女が謝ってくる。
「大丈夫ですかっ? どこか怪我してたり――」
「あ……大丈夫。当たってないから」
柊斗が落ち着いた声を意識して言うと、少女がほっとした顔をした。
「それより、『tournesol』って……」
「え……」
ぶつかった相手から店の名前が出てきて、ほっとしていたひまりの思考が止まる。
――私、声に出してない……はずだよな?
あるいは。
――もしかして、ぶつかった時にろっこんが発動してしまったのか?
ひまりのろっこんは、心の声が第三者に伝わってしまうものだ。まだ不慣れなせいか、制御ができていない。
「……うん?」
柊斗も相手の反応に、先ほど感じた違和感を思い出す。
――やっぱりさっき、話しかけられたのではなかったよな?
むしろ、直接、伝わってきたような感じだった。
妙な話で不可思議な現象だが、逆に柊斗には心当たりがあった。
――もしかしたら、それは彼女の不思議な力……ろっこん、なのか?
さっきぶつかったのがきっかけで発動してしまったのだろうか?
もしろっこんが発動していたら――ひまりは考える。
「あの、すみません……その、私、変なこと言ってませんでしたか?」
制御ができない以上、どこまで思考が相手に伝わったのか分かったものではない。さっきは店が分からず、あまり冷静ではなかった。乱れた思考状態で発動してしまえば、突然騒音を聞かされるようなものだ。
――不快な思いをさせなかっただろうか。
気掛かりはそれだった。今日は踏んだり蹴ったり――そんな思いがひまりの身体を重くした。
「いいや。聞き覚えのある名前が聞こえた気がしたからね」
「いいや。聞き覚えのある名前が聞こえた気がしたからね」
これでいいはずだ、と柊斗は気づかなかったフリをした。
相手に心の声が伝わってしまうのであれば、知られたくないことも含まれるのかもしれない。意図せず発動してしまうのなら、なおさらに。
目の前の少女の不安そうな表情を見て、柊斗は何が聞こえたかについて、それ以上話さないことに決めた。
幸い、知ってる店のこと以外は深く思い出せはしない。
このまま忘れてしまうのが一番だと思った。
それに――自分なら、自分にもし同じ力があったなら、今はそうして欲しい気がした。
「その道を、右に曲がればいいんですね?」
「そう。曲がった直後は木で見えにくいけど、少し歩けば分かると思う」
男性の話を聞いているうちに、ひまりは緊張が抜けていくのを感じていた。
もしかしたらろっこんで嫌な思いを――と不安になっていたのに、そもそもひまりがぶつかってしまったのに、嫌な顔一つせずにお店の場所を教えてくれている。説明も分かりやすくて、どうにか辿り着けそうだった。
それに、
――この人の声色って、なんだか落ち着く。
自分だったらどうだろうか。ここまで親切にできるだろうか。
そう思うと、さっきまで焦っていたことや、慌ててぶつかってしまったことが恥ずかしく感じてしまうひまりだった。
「あの、ありがとうございました!」
別れ際、自然と笑顔が生まれた。頭を下げて、ひまりはその青年に礼を言って歩き出す。
しばらくして、名前を聞いておけばよかったかなと思ったのは、ここだけの話だ。
「うん、もう暗いから気を付けて」
去っていく女の子の足取りが軽やかで、柊斗は安堵する。
ほんの少し、さっき見た笑顔がまぶしい気がした。
――自分にもし同じ力があったなら、あんな笑顔ができるだろうか。
心の中が自分の思惑と関係なく伝わってしまった時のことを、柊斗は内心考えずにはいられない。自分は聖人ではない。心の中は完璧な清流であるはずがない。川の底……心の奥底に沈み淀んでいる、様々な感情や、誰にも触れられぬよう、仕舞いこんでいるものたち。
そういったものが突如、抑えきれなくなって、それが誰かに伝わってしまったら、どうするだろうか。
「あ」
女の子が振り返って、もう一度おじぎをした。手を振る。なんとなく性格が分かる気がして、自然と笑顔になった。傘が建物の向こうに消えていく。それを見て、柊斗も歩き出した。
――店が無事に見付けられると良いけれど
「心の声が伝わってしまうろっこん……大変そうだな」
呟いて、柊斗は再び考える。
もし自分がそうであったなら……と。
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担当ゲームマスター
叶エイジャ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月08日
参加申し込みの期限
2015年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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