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ねこでんの1日。
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10 夕映乗車券
一緒に鎌倉に行った帰り、
諸星 譲
は
詠坂 紫蓮
と寝子島行きのねこでんに乗った。出発を待つ乗客達が、まばらに座席に座っている。2人は、並んで座れる場所を見つけると、隣同士で座った。
「2人で出かけるのも、大分習慣化してきたよね」
譲は言う。いつもだったら譲がバイクを出すのだが、今日は生憎修理に出していて。
行きも帰りも、電車利用だ。
(ま、たまには電車もいいよね!)
日本に帰ってきてからはバイク移動が常だったから、電車には久しぶりに乗った。
「うん、今日も楽しかった」
にっこりと笑って紫蓮は答える。
「ほら、見て見て。今日の鎌倉の写真」
彼女はスマホを出して、アルバムの画面を見せる。譲は「どれどれ?」と画面を覗き込んだ。
――……はうっ! 顔が近い!
思わず、紫蓮は動揺する。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもないの」
慌てて誤魔化して、写真をスライドさせていく。
――譲にいさんは気にしてないんだろうけど……なんだかずるいなぁ。
内心で唇を尖らせていると、譲が隣で小さく笑った。なんだろうと思って目を落とすと、スマホの画面にはブレの酷い写真が表示されている。
「……ごめんごめん……」
譲を見ると、彼は苦笑と共に謝ってきた。そして、またブレ写真を見直す。口元には笑みが浮かんでいたが、今度のはどこか暖かい。
「……でも、紫蓮ちゃんの感性好きだな」
「感性?」
「やっぱり女の子だからさ。俺とは違うなって」
「そ、そうかな……」
紫蓮は、写真を見直してみる。自分ではよく分からないけど、何だか嬉しい。
「うん、優しい感じがする」
微笑まれて、紫蓮の頬は照れもあって少し赤くなった。
こんな話、バイクに乗っていたら出来ないだろう。運転している時には、話とかあまり出来ないから。
――こうやって電車でお出かけするのもいいな。座って、のんびりとお話しながら帰れるし。
「どこも、なんか新鮮だったなー」
画面をスライドさせ、譲は今日行った鎌倉の名所の写真を楽しそうに眺めている。
「家から近いと逆にあんまり行かないというか。ほら、この紅葉、綺麗だったよね」
「うん、すごく綺麗だった」
紫蓮は、直に見たその光景を思い出すように天井に目を向ける。譲も、美しく色づいた紅葉を前にした時のことを思い出す。少し肌寒かったけれど、見に来て良かった、と素直に感じた。
「夏に寝子島に帰ってきてもうすぐ冬かー……早いなぁ」
あの頃はあんなに暑かったのに、と譲は半年前を懐かしむ。
その時、電車が寝子島入口駅に着いた。開いた扉から、一気に人が入ってくる。瞬く間に座席は埋まり、吊り革に掴まる人が通路に並ぶ。
「混んできたね……あの子達……双子かな?」
大人達に挟まれ、戸惑い顔を浮かべている小さな男の子と女の子を見つけて紫蓮が言う。女の子が男の子の手を引っ張っているのを見るに、姉弟のようだ。
紫蓮は譲に話しかける。
「家族でお出かけしてきたのかな」
「そうみたいだね」
彼女達の後ろにいる夫婦に、姉弟はよく似ている。子供達は、紫蓮達の前までやってきた。紫蓮は立ち上がって、2人に言う。
「よかったら席どうぞ。私達は大丈夫だから」
彼女の行動を見て、譲も迷わずに立ち上がった。姉弟はきょとんとしていたが、その顔はすぐに笑顔になった。
「本当に?」
「ありがとう!」
2人は「良かったね」と言いながら仲良く並んで座席に座る。紫蓮達が移動しようとすると、両親らしき夫婦が「ありがとうございます」と声を掛けてきた。挨拶を返しているところで電車は発車する。
(子ども可愛いなぁ)
がたごとと進む電車の中で、譲は双子に微笑ましい目を送っていた。
(俺もいつか父親になるのかな。戦場カメラマンなんてやってる奴のお嫁さんとか苦労かけそうだな……ばあちゃんがそうだったけどさ)
俺は一生独身かも、と彼は他意なくそう思った。隣では、同じように双子を見ていた紫蓮が、いつか私もあんな風に……、と考えて1人慌てていたのだが、それには気付かないままに。
「きゃっ!?」
そこで、電車が一際大きく揺れた。バランスを崩した紫蓮は、譲の方に倒れこむ。
「大丈夫?」
「急ブレーキとか、何かあったのかし……ら……」
受け止めてもらったその体勢のまま紫蓮は呟き、途中ではた、と気付いて言葉が途切れる。
――い、今、思いっきり正面から抱きついてる格好になっちゃってる!?
バイクで2人乗りの時は後ろからだから、いつもと違って意識してしまう。正面からなんて、とあうあうあう、となりながらも、離れるのを惜しく感じてしまう自分がいる。
「ご、ごめんね譲にいさん……。あの、さ……混んでるから……このままでも、いい?」
「構わないよ」
ドキドキしながら聞いてみると、譲は迷わず即答してきた。少しびっくりして見上げると、彼はいつもと変わらない笑顔を浮かべている。特に、何か意識している様子はない。
「それに疲れてるでしょ? 楽にしてていいよ」
「……。ううん、疲れたとかじゃなくて……このままで、いたいの」
……言ってしまった。心臓のドキドキが、加速する。
譲がさり気なく、紫蓮がドア側に立てるように位置を調整してくれる。譲が壁になって、他の乗客に押されることはなくなった。
――正面から、こんな近くで譲にいさんの顔見たのって……初めてかも。
顔は赤くなってないだろうか。変に思われてないだろうか。
――まともに、顔見れない、かも……
――このまま、駅につかなきゃいいのに……
(なんでだろう……なんかドキドキするような……)
密着している中で、譲は紫蓮の赤い顔と視線と体温を感じ始めていた。これまで、彼女を異性として意識したことはなかったのに。これはまるで――
(いやいや紫蓮ちゃんは親戚の子だし妹みたいに思ってるし!)
浮かんできた認識を頭を振る勢いで否定する。
でも……
と、思う。
(……でも、女の子なんだよね)
いつも傍にいてくれる女の子。
この気持ちって……
「ねえ、譲にいさん。今月、私の誕生日……覚えてる?」
紫蓮が囁くような声で訊いてくる。それで我に返って、譲は慌てて彼女に答えた。
「うん、覚えてるよ」
彼女の誕生日は11日だ。その日の予定を思い描いていると、紫蓮は嬉しそうにへへ、と笑った。
「そっかそっか。楽しみにしてるね」
窓の外の景色の流れが、ゆっくりになっていく。寝子島駅に到着するというアナウンスが、聞こえてくる。
紫蓮が、少し残念そうな表情を浮かべた。
――ああー! 駅ついちゃった! 今いい雰囲気だったのに!
寝子島駅にねこでんが止まり、ドアが開いていく。紫蓮は、残念というか実際、悔しがっていた。
――気の利かない電車ね、もう!
乗客達がホームに降りていく。最後に譲が降りる前、紫蓮は彼に笑顔を向けた。
「じゃあ、誕生日。約束だよ、譲にいさん。またね」
「ああ、またな」
譲がホームに降りた直後、ドアが閉まってねこでんは動き出す。シーサイドタウン駅へと向かう電車の中、紫蓮はさっきまでの譲の温もりを思い出していた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
沢樹一海
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月24日
参加申し込みの期限
2015年07月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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