this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
<< もどる
1
…
89
90
91
92
93
…
106
つぎへ >>
早川珪は早川珪である。それは、ベネチアンマスクをつけた今も同じだ。
たとえ顔を隠そうとも、彼からあふれるジェントルさは隠しようもない。決して目立とうとしているのではないのだが、先急ぐ人に道を譲り、両手が埋まっている人を手伝い……というように、困っている人には何気なく声をかけ、親切をしてまわりながらも、決して偉ぶらない人間性から、たちまち彼は周囲より敬意を集めてしまう。
そのころ、流れる音楽は樋口弥生が爪弾くスパニッシュギターの独奏へと変化していた。
心を鎮めるようなギターの音、感傷的で、なぜか泣きたくなるほどに美しい旋律だ。
いい曲だ、と言わんばかりに聴き入っていた珪だが、見知った姿に気がついて静かに近づいていった。
「素敵な夜だね」
彼が声をかけたのは、綾花だった。
このとき綾花は単身、ソファに座って星空を見ていた。
もちろん彼女も仮装姿である。大胆に肩を出したゴスロリ風の黒いドレスだが、全体イメージは暗くない。スカートには薄オレンジの縞があり、しかも、明るい赤のリボンを両の足首に巻いていたから。リボンが巻かれているのは足首にとどまらない。それは尻尾の先にも巻かれていた。黒猫をイメージした仮装なのである。頭にも、天鵞絨のような質感の黒い猫耳が飾られていた。
うたた寝中のネコそっくりに、綾花ははっとして振り向いた。
「僕だよ。早川珪」
一瞬仮面を外して素顔を見せ、さっと周囲をうかがうとまたすぐに珪はこれを戻した。その様子がまるで、教師に見つからないようイタズラをしかけている少年のようでなんだか可愛らしかった。
「珪先生……」
綾花はこのとき、小休止してソファに腰を下ろして、満天の星空を眺めていたのだ。
「やっぱり綾辻さんだ。来ていたんだね」
「あ……はい……」
驚かれるかな――と最初、綾花は思った。いやむしろ、怒られるかも――。
高校生がこんなところに来ているなんて、というのはありがちな言葉である。
ところが珪はそんなことを言わない。
「隣、いいかな?」
とだけ告げて、綾花のすぐ隣に腰を下ろしたのである。
なんとも似合う。
昼間の図書館にいるよりずっと、珪にはこういう空間が似合う。そう綾花は確信する。ホスト風と揶揄する声もあるが、細身のスーツと赤いネクタイ、整った顔立ちの彼は、こうした夜の世界のほうが似合って見えるのだ。
綾花は、珪のことが好きだ。
格好がいいから、だけが理由ではない。珪は紳士でさりげない気づかいができて、それでいて純朴で、どことなく謎めいていて……その魅力を言葉にしていくだけで、すさまじい文字数になりそうだ。
それゆえに、こうしていざふたりきりになると、落ち着かない。
「なにか、お飲み物でも取ってきましょうか?」
と腰を浮かせかけるも、珪は軽く手を振った。
「それは男性の仕事だよ。なにが好みかな? おっと、未成年だからアルコールは抜きでね」
「ええと……なんでも、お任せします」
「だったらシャーリー・テンプルがいいかな。レモン・ライム・ソーダのノンアルコールカクテルだよ。1930年代の子役女優から名付けたものらしい」
「は、はい……それで……お願いします」
「待ってて」
珪は微笑を浮かべて席を立った。たったそれだけの動作でも、彼が行うと鮮やかに見える。
黙って、彼の背を綾花は見送った。
カクテルに詳しい……やはり、彼はかつて、夜の世界にいたのだろうか。またひとつ、珪の知らない側面を知った気がする。
戌井創と添木牡丹はどうしているだろうか。
今ふたりは身を寄せ合って、弥生が奏でるギターの音色に身を任せている。
触れあっているのは肩と肩ではない。抱き合うようにして、音楽が生み出す波間を漂っているのだ。
「月曜日の野良猫……以前の野外フェスで聞いた時からのファンなんですよね」
牡丹の機嫌は直っていた。別の女性と踊っていた自分に激怒している……そんな風に創には見えたかもしれないが、実のところ牡丹は半ば、そんな嫉妬すら楽しんでいたのだ。
嫉妬できるのは、愛しているから。
このアクシデントのおかげで、牡丹は自身の心を確かめられた気がする。
そして今、もう創の心に他の女性の影はない。考えるのはすべて牡丹のことだけだ。
牡丹の吐息、その甘さが感じられるようだ。創は彼女の魅力に酔いそうになる。いやむしろ、もうとっくに酩酊しているのかもしれない。溺れて、もがいているのかもしれない。
けれども踊るうち、創のなかにはまた別の不安が鎌首をもたげてきた。
彼女のことだけ考えていればいい、そうは判っているのだが、つい周囲を見てしまう。まわりの男性はいずれも背が高い、顔も自分よりずっと、格好いいように思えてならない。童顔の自分よりも……。
「何か気になることでも?」
「背……」
「背? 身長ですか?」
「だって僕小ちゃいし、ダンスの相手には似合わないもん」
「フフッ、そんなの二人の愛の前では何の障害にもなりませんよ」
牡丹は両腕で、ぎゅっと創を包み込むようにした。するとどうしても、彼の顔はふくよかなものに押しつけられる格好となる。
「大丈夫、創君は創君の高さで踊ってください。無理に私に合わせたらかえって踊りづらくなってしまうし、私自身も踊り辛づらくなっちゃいますからね」
言いながら彼女は、その手で創の背中を撫でるのである。やわらかくて弾力のある肉付き、けれど骨格はやっぱり男性……そのアンバランスさがいとおしい。まるで野生の狼の、子どもを抱いているかのようだ。
弥生の指が、最後のコードを弾き終えた。
ううううん……と余韻を残して、楽曲の霊のようなものが夜空に吸い込まれていくように牡丹は思った。
もうたまらない、と牡丹は思った。
――この子は小さな猛獣、そして私の可愛い恋人。
喉を潤すためブドウジュースをグラスに注いで、その杯をかわしながら彼を見つめる。
「……フフッ、私、少し疲れたいみたいです。そろそろ帰りません?」
「うん、もうこんな時間だもん。楽しいとすぐ時間がたつよね、帰るのもったいないくらい」
ぺろりと牡丹が唇を舐めたが、創にはその意味がわからない。
「どこか、二人っきりで休める場所へ行きませんか?」
だから、この言葉の意味もわからない。
「休むの? いいよ」
「なら……」
するとテーブル越しに牡丹は創の襟首をつかみ、強引に引き寄せて唇を押しつけてきた。
長めのキス。
「……行きましょうか?」
唇を離すと牡丹は、舌先からしたたった唾液を指でぬぐった。誘うような目をして。
<< もどる
1
…
89
90
91
92
93
…
106
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!