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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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軽く食事をして音楽に耳を傾けて、簡単な会話をかわして……その間ずっと、十文字若菜の胸はドキドキしっぱなしだた。こんなに忙しくて、心臓が大丈夫かと思うくらいに。けれどもその鼓動は幸せな気持ちがもたらしたもの、むしろずっとドライブさせたい。その原因たる浅沼柳司は、そんな若菜の心境を知ってか知らずか、ずっと爽やかに笑っているのである。
ちょっと憎らしい。
だけども、いや、だからこそ、大好き。
しかし若菜のタフなハートも、これには爆発した……かもしれない。
会話が一段落したタイミングで、ちょうどゆるやかなワルツが流れ出した。すると柳司は、
「お嬢さん、私と一曲踊っていただけませんか?」
と言ったのである。若菜の前に、ひざまずいて片手を差し出した状態で。
「よ、喜んでっ」
若菜はこれだけ言うのが精一杯、ちょっと語尾は裏返ったかもしれない。もちろん胸のドキドキは、一気に振り切れてマックスだ。
彼の手を取って立った。
そうしてふたりは手を繋いで踊る。ゆるやかなワルツを踊る。
「どうです? 意外と覚えてるものでしょう? 今回はリードさせてもらいますよー!」
前に一度踊った経験があるからか、柳司は積極的に彼女をリードしてくれた。優しい牧羊犬のように。
ところが若菜ときたら、視界はゆがみ足はもつれて、何度も転倒しそうになった。
――お、おかしいな……いつもならなんともないのに……こんな、こんなにドキドキしちゃうなんて!
とんだ子羊もあったものだと我ながら情けない。思考はもう螺旋状態、回転しながら上昇して下降して、しかも、
――顔赤くなってないかな? 私、変じゃないかな? こんなに意識しちゃって大丈夫かな?
そのなかを無数の疑問符がループしているのだ。彼女の脳内は今や、『?』という文字で満杯の全自動洗濯機のようだ。
「曲が変わりましたね」
柳司の涼やかな声が、若菜を我に返らせた。
音楽が、ずっと静かなバラード調に変化している。ふと見ればステージにいるのは、アコースティックギターを抱えた樋口弥生ではないか。人気バンド『月曜日の野良猫』のアコースティックセッションだったのである。
激しい曲調に名曲の多いバンドではあるが、バラードを演らせても一級品、そしてマイクを取ったのは弥生だ。踊る邪魔にならない程度に、優しいウィスパーボイスで彼女は歌い始めた。
チークタイムだ。フロアにいる男女のペアが次々と、抱き合うような姿勢になるのがわかった。
――うわぁぁぁ!
叫んで逃げて海に飛び込みたい気持ちになったが、若菜は必死で衝動をこらえた。動きはずっと小さくなったはずなのに、さっきより緊張するくらいだ。曲調が静かになったので、自分の鼓動が、彼に聞かれていないかも心配だった。
けれど一ついいこともあった。チークならゆっくりだから、大惨事の恐れは少ないはずだ。
――ともかく、あ、足だけは踏まないように頑張ろうっ!
「……頑張れ私!」
「えっ?」
つい思考が口から漏れたらしい、「なんでもないよ!」と全力でなかったことにして、ひしと若菜は柳司にしがみついた。恥ずかしさを隠すため、赤い顔を見られたくなくてそうしたのだが、ケガの功名おかげでしっかり、チークの姿勢になっている。
若菜が内心大変なことになっているように、実は柳司のほうだって、心中は穏やかではないのである。
――チークダンス? さっきのダンスとはまた違うんですか……?
正直、相当に焦った。何気なく配られたポーカーの手札が、ノーチェンジでロイヤルストレートフラッシュになっていたかのように。
しかも「……頑張れ」と若菜が叱咤して、その魅力的な体を預けてきたのだ。
「えっ?」
――頑張れ、って、俺に言ったんですよね先輩? チークダンスを頑張ってリードしてって意味? で、でも経験なんてあれへんねんけど俺……うわ顔近っ!
おおう……仮面つけててよかった――というのが柳司の正直な気持ちだ。きっと、自分は、火が出るほどに紅潮しているにちがいないから。
それでも柳司は彼女を支えた。
若菜もそのままでいた。
互いにカチコチな、ロボットみたいなチークダンス。
けれど心地よいのは、事実であった。
――もうちょっとこのままで……。
と柳司が思ったとき、無情にも音楽は終わった。
互いの体を離したとき、二人は笑みかわしていた。
このときの若菜の気持ちは、ほっとしたのが半分だ。そうして残り半分は、名残惜しさだった。
「……休憩しましょうか。飲み物、取ってきますよ」
「ありがとう。グレープフルーツジュース、お願いしていい?」
冷えたグラスを手に、海辺の手すりにみをもたせかける。
フロアではまだ音楽が続いている。仮装の男女が多数、それぞれのドラマに身をゆだねている。
「おいしいっ」
カラカラに乾いた喉に、ジュースの冷たさがしみる。なにか言わなくちゃ――と思うより早く、言葉のほうが自分から、若菜の唇よりこぼれ落ちていた。
「星が綺麗だね」
こんな風に星と音楽にかこまれて、好きな人と踊れるなんてきっと一生に一度だよね――若菜は心の中でつぶやいた。
「星、たしかにきれいですねー。今はまだ秋ですけど、冬になったらもっと星ってきれいに見えるらしいですよー」
べたべたかもしれんけど、『でも、先輩のほうがずっと綺麗です』って、言いたい……そこまで大胆になれへん俺がもどかしい――柳司もつぶやいていた。
この一瞬だけでも、互いの心が読めるようになっていれば、話は簡単だったかもしれない。
けれど簡単じゃないから、いいことだってあるのだ。
頃合いだ。二人は会場を出て帰路についた。
「今日は一緒に踊ってくれてありがとう。すごく楽しかった」
「俺も楽しかったですー。じゃあまた学校でー!!」
そう言って別れたが、それでも何度か、振り向き合った。
「あかん、先輩の顔見てまた顔赤くなってそうやな……」
呟きながら柳司は歩く。
寮に帰る前にぐるっと散歩して、ちょっと頭を冷やそうか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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