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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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白い猫の仮面、赤ずきんの扮装、それでおそるおそる、結城日和は足を進めていた。
途中、ダンスに誘われたりしても、うううと緊張して手を振ってしまう。実のところ日和はダンスの基礎は習っているので、まったくできないわけでもないのだけれど、気後れしてしまってみずから壁の花を選んでいた。
でも、つまらないわけではない。
それどころか、
――舞踏会の雰囲気もすごく好きだな……。
と目を細めるのである。暗くて神秘的で……素敵だ。
ところがここで、
「あっ」
声が出てしまった。仮面を付けているけれども、わかる。
――神嶋くんだ……。
神嶋征一郎だった。紳士服に、羽根つきの仮面、すっくと立つ姿が最高に格好いい。歳は自分と変わらないはずなのに、日和の目にはすごく大人のように映っていた。
征一郎もダンスを求めて来たわけではないらしい。柱に背を預けて音楽と、星空を眺めているようである。
――どうしよう……?
日和は迷った。声をかけるべきか、かけざるべきか。ハムレット的な究極の選択である。
声をかけたら、変な奴だと思われるかもしれない。それで明日から、口もきいてもらえなくなったとしたら、困る。というか、死にたくなると思う。
でも声をかけなかったら……二度とはないチャンスを失うことになるかもしれないのだ!
ところがここで天啓、ひらめいたのだ。
――冗談めかした口調なら、ダメでも笑って流してもらえるかも!
それがローリスクではないか。そしてハイリターンも、あるかもしれないではないか。
そうと決めたらもう迷わない。日和は、ピョン、と征一郎の前にまろびでて、
「神嶋くん! 壁の花じゃもったいないよ! 僕と踊りませんか? なーんて……」
アッハッハと笑ってみた。ただ、声が震えてもいた。膝もガクガクだ。
「なんだお前。帰れ」
ガーン!
……と、いうのは日和の脳裏を一瞬よぎった想像である。
(上記2行は削除)
実際はこうだ。
彼は身を起こして、彼女の手を取ってくれたのである。そればかりか、ひざまずいてこう言ったのである
「謹んで受けたい」
そして差し出された彼女の手の甲に、接吻したのだ。
今夜の『月曜日の野良猫』は、樋口弥生をはじめとする全員がゴシックな衣装に身を包んでいる。弥生だけは黒いヴェールで顔を隠しているが、残りのメンバーも無表情な仮面で顔を隠していた。
バンド『lie』にとっては尊敬すべき先輩で、ある種しのぎを削るライバル、その『月曜日の野良猫』の音楽に乗ってワルツを踊るというのは、唐沢一也にとってはなんとも不思議な気分がするものである。そもそも彼らのステージは何度も観てきたが、完全アコースティックというのはこれが初体験だ。
とはいっても、どんな音楽をやっていても実力者は実力者、やはり彼らの音楽センスに技量、なにより舞台慣れしたそのたたずまいには、素直にファンとして称賛の言葉を送らずにはいられない。
「さすがだ……ネコフェスの時も思ったがやっぱ先輩の実力はすげぇと思うぜ」
たとえ静かな曲調であれ、彼らの音楽には血がたぎる。たとえば自分たちが、アコースティックでここまでできるだろうか――そんなことまで考えてしまう。
「踊らないの?」
立ち尽くしている一也に、神無月ひふみがそっと声をかけた。
「ああ、済まねぇ。聴き惚れちまってな」
さっと手を伸ばして一也は、彼女の手袋越しに手をとった。
技量に驚嘆するのもいいだろう。けれどもあの『月曜日の野良猫』が、せっかくダンス用に楽器を奏でてくれているのだから、それに応じるのが礼儀というものだ。
「ダンスなんて初めて エスコートお願いね」
「ま、伯爵らしく、ってなイメージでやってみるか」
と言って、一也は円を描くようなステップを踏むのである。
実は一也のダンスは半分以上が我流で、あとは多少の知識で補っているものに過ぎないのだが、やはり天性の素質があるというのが、音楽を楽しむ流麗な形になっていた。
それゆえに、
――やっぱり一也って、女の扱いに慣れてるわよね……私より大人だし 大学生だし 過去にそういう経験があったのかしら。
そうひふみが考えたとしても、けだし当然であろう。
――聞いてみたい。
ひふみは思った。一也にとって、ダンスの相手として自分は何人目なのかと。けれど、
――知りたくない。
そうした矛盾した感情がその胸に巣くっているのも事実だった。
知ってどうするのか。知って、愕然とするべきなのか。ショックを受けるべきなのか。
それとも……?
きゅっと踵に力を入れ、一也はくるりとターンした。風を切って、ひふみのスカートがふわりとひろがり、流れる。
その瞬間、一也とひふみの目が合った。
熱っぽい目で、彼女は思う。
――私のこと、一也はどう思ってるの? ただの後輩? それとも少しは脈があるの? 期待していいの?
その瞳の美しさに、一也は刹那、呼吸を忘れた。
――なんだ、いまの感覚……電気が走ったような。
けれども苦々しく、彼は思い直すのである。
――はぁ……俺は何を今更後輩に動揺してんだ。ガキじゃあるまいし……。
ひふみは一也がこれまで付き合ってきたような女性とは、まるで違うタイプだった。けれどそういうグルーピー的な連中のほうが、自分には合っていると彼は思う。ああいった連中は使い捨て喰い捨てにすればいいだけだし、連中のほうだって、一也のほうをそんな程度に扱う。
けれどひふみは違う――傷つきやすい果実のように、大切にしなければならないタイプだ。
ひふみもやがて、一也のリズムを体得していた。小刻みにステップして彼の腕に巻き取られ身を預ける。
そうして彼女はもう一度彼を……彼の目を見つめた。
一也が好き 恋人になりたい――すでにひふみは、自分の胸の中の想いに気がついている。
――そしてあの夢みたいに いつかは一緒になりたい。
ステップをしくじったふりをして、ひふみは一也の胸にその頭をもたせかけた。
「私は欲張りなの」
そっと呟いた。
――あなたの胸の中でハッピーエンドを願ったって、いいでしょ?
「欲張り……?」
それがどういう意味になるのか、一也にはわからない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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