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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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木原一颯は、聖籠あゆかをリードして踊った。
あゆかもそれに応じた。
完璧な一対、二人が描いたのは、この場にいる誰よりも優れた、芸術的なダンスであった。
――立派に育ったものだ。亡きご両親もさぞ誇りに思っていることだろう。
一颯は思う。目の前の娘は少女という年齢を終えており、今やチョコレートとキャンディの店『Magique Raisin』のオーナーである。ほんの少し前まで、ミノタウロスの迷宮に捧げられた生け贄の少女のように絶望していたあゆかは、もういない。
「ダンスの仕方も師匠が教えてくれたよね? レディの嗜みだよ、なんて言われて……ふふっ、懐かしいなあ」
語尾が跳ねている。あゆかが、心からはしゃいでいる証拠だ。
幼い頃、旅行中に巻き込まれたある事件が、あゆかの不幸の発端だった。
事件の結果両親を失い、彼女は独りきりになってしまった。しかも、光に強い拒否反応を示すようになり、無理に明るいところに連れ出すとパニック症状を引き起こすようになってしまったのである。
――そんなだから。
あゆかは思い出す。
――学校に通って勉強するだけでも一苦労で、周りに理解されるのも大変だったし……友達と遊ぶこともままならなかった。
けれどもあゆかには力強い味方がいた。それが、師匠……つまり、あゆかの親の友人であった一颯なのである。
彼はあゆかの後見人となり、援助しながら文通を続けてきた。
――わたしにとって師匠は親代わり、いや、実の親以上の存在。
そうあゆかはみなしており、一颯も
――あゆかは、子どもができなかった僕にとっては娘のような存在だ。
と考えている。
一颯はあゆかに道を示した。彼女の学費を出し続けただけではない。菓子職人と鑑定士の道を彼女に紹介し、勧めもした。
――面白そうだからどっちもやりたいって言った時は驚かせちゃったっけ……。
そのことを考えると、あゆかはいつも口元がほころぶ。
――修行のため海外に行った時、やっと直接会うことができて……嬉しかったなあ。
寝子島とベネツィア、別れていた道が交差したのも、これがきっかけだったといえよう。
そうして帰国した一颯は、寝子島に店を開いた。まさかそれが、あゆかの店のオープンと同時期になるとは。これも運命の導きと思えば感慨深い。
このとき、
「ご、ごめんなさい!」
不意にあゆかがふらっとよろめいた。一颯とあゆかが作っていた輪舞曲からこぼれ落ちそうになる。けれどとっさに、細い腕ながら一颯が彼女を支えていた。
「大丈夫かね?」
「……やっぱり日光を浴びてないから、栄養が足りてないのかなあ。体力が衰えないように、夜に散歩したりしてるんだけどね」
ふむ、と呟いてともにダンスフロアから出ると、一颯はソファの席を求め、あゆかをそこに座らせた。
「そこにいなさい。なにか飲みものを取ってこよう。カクテルでいいかな?」
「うん……ごめんね」
「気にしなくていい。カクテルの好みは?」
「お任せするよ」
うなずいて一颯はバーカウンターに向かっていく。
その背はひどく小さく見えた。それでも、今にもすがりつきたいほど、頼もしくも見えた。
まるでそのタイミングを計っていたかのようだ。
人混みの中から、男が一人、姿をあらわした。
奇怪な姿である。
長くもつれた髪は肩まであり、その黒さと長さで、顔の左半分を隠している。髪の下には鉛色をしたペストマスク(嘴のかたちの仮面)をつけており、表情はわからない。
染みの付いた赤いシャツを着て、その上から無造作に、ぼろぼろの黒い革ジャケットを羽織っていた。
パンツはデニム地のようだが、ジャケットと同じく痛みが激しく、ところがどこにも穴らしい穴は開いていない。代わりに、といってはなんだが、沢山の金具が取り付けられている。鋲を打ったブーツを履いてもいた。
これだけ目立つ姿なのだが、彼には気配らしい気配がなかった。スタッドの多い服装だというのに、歩いても足音はしない。
そうして男……アダム・スメルディンは、黙ってあゆかの目の前に立ったのである。
「……!」
ただならぬものを感じてあゆかは身をすくませた。
しかしアダムに、彼女を傷つける意志はないようだ。ダンスを申し出るように、いや、まさにそのつもりなのだろう、無言で丁重にお辞儀して、手をさしのべた。
ふらふらと、魔法にかかったようにあゆかは立ち上がり、その手を取った。
踊る。
仮面の淑女とペストマスクの死神……そう見られそうなペアとなって、アダムとあゆかは踊った。
最前までの、一颯とのダンスとはまた違う。一颯とのダンスが幾何学のような、正確な軌道を描く華やいだダンスであるのと比べると、アダムとのダンスはまるで、肉食獣が獲物に忍び寄る姿のような、ひりひりとした緊張感のあるダンスだった。
ダンスのさなか、アダムは彼女の首元に手をまわしたかと思うと、
「TRiCK…… 4 you」
と呟いて、パチンと指を鳴らした。
その瞬間、アダムの手に現れたのは髪飾りだった。あゆかにとっては、見覚えのあるものである。それもそのはずだ、元々は自分のものだったのだから。落としてなくしたものだと、ずっと思っていた。
右手に髪飾りが現れたことえあゆかの視線はそこに集中するが、そのときすでに彼の左手には、もうひとつ贈り物があったのである。
小さな、手の形のペンダントだ。純銀製のようであった。手の中央にはくっきりと『目』が描かれている。
「ハムサ……?」
あゆかは知っている。ハムサは中東で主に使われるお守りだ。邪眼から身を守る効果があると言われている。
黙ったまま、彼はこれを彼女の手に握らせた。無理強いはしない。紳士的にそっと渡したのだった。
直後彼は、ペストマスクを外した。あゆかは息を呑む。彼女はその顔を知っていた。
――あのときの、亡霊。
けれど不思議と、怖いという気持ちは失せていた。実際に手を取って、彼に実体があると学んだためだろうか。
彼の口は言葉を形作ったのだが、あゆかには理解できない。
それはアラビア語で、『これはお前の物だ』という意味になる短い一言だった。
彼の目に笑みが浮かんだ、ように見えた。
そして彼はもう一度丁寧に会釈して、すっとまた、音もなく人混みのなかに消えたのである。
我に返ってあゆかはその姿を追ったが、もうどこにも彼の姿は見あたらなかった。
「あゆか君」
声を聞いて振り返ると、そこに立っていたのは一颯だった。
モヒートとおぼしきトールグラスを、両手にひとつずつ持っている。グラスが汗をかいていた。
「どうかしたのかね?」
「ううん、なんでも」
亡霊に会ったの――という言葉を、なぜかあゆかは胸の内にしまっていた。そうして努めて、彼女は軽い声を出したのである。
「ししょー、まずは乾杯しようよ。そしたらお店の話、聞かせて。近いうちに行くから」
「そうかい」
一颯は表情を緩めた。ついさっきまで、なにか鬼気迫るものをあゆかの背に感じたのだ。思い違いだったようだ。
一颯は彼女にソファを勧め、自分も隣に身を沈める。
「店の話だったね。最近、可愛いお嬢さんを雇ったんだ。紹介したい。あゆか君の店にもそのうち寄らせてもらうよ……」
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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