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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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忌まわしき記憶を振り払うべく、アンティークドールのように姿を変えて城山水樹は会場を歩いていた。
音楽は軽快なのだけども、どうもまだ一年前のトラウマがあるせいか、彼女の心は弾まない。せっかくだからビッフェでローストビーフを取って、もそもそと食べたりして過ごしていた。
「美味しいではあるんだけど……なんか盛り上がらないというか……」
……とっくに過去に追いやったはずなのに、まだ感傷が残っていることに、今更ながら水樹は驚くのである。
そのとき、
「そこの彼女、一人なん?」
と声をかけられ、思わず水樹は顔を上げた。
「うん?」
まあそうだけど、とは言わないでおいた。なぜなら水樹の前に現れたのは、なんとも軽薄そうな男だったからだ。
包帯を中途半端に巻いた青年だ。だが包帯はほとんど解けてしまっている。なので単なる、スーツを着た青年といってもいいだろう。年齢は二十歳前くらい……いや、もっと若くて少年くらいかもしれない。
ルックスはいい。鏡の前に立っては、『自分の一番格好よく見える顔の角度』を研究しているタイプにも見えたが、まあ水樹もそうした行動は身に覚えがないではないので特に気にしない。ただ、彼の口元が緩やかに笑っているのは気になった。
「俺、須藤清一郎っていうねん。どうしたん彼女、沈んだ顔して? せっかくこんな楽しい場に来てるんやから、思いっきりはしゃがにゃ損やで」
ぽんぽんと明るく関西なまりの言葉が出てくる。彼の周囲だけ空気が、炭酸飲料のようにハジけているように感じた。
――手慣れてるなー、この口調。
冷ややかに水樹は思った。そして同時に彼が、なんのてらいもなく「激、愛してる!」とか口に出せる男性だとも予想していた。なぜって、水樹の前カレも、まさしくこういうタイプだったからだ。
正直に言うと、嫌いなタイプではない。ただ……。
――あまりにも前カレと同系列だと、盛り上がれないのよね。
そんな気持ちは押し殺し、水樹は丁重に頭を下げるのである。
「ごめんね。せっかく声をかけてもらったんだけど、私、待ち合わせている彼がいるの」
ここで「どこに?」なんて聞くのはシロウトだ。これで「近づくな」のサインを読み取り、余計な火傷を回避するのが清一郎のような熟練者である。(まあ実際彼氏がいる可能性もあるわけだし)
「そっかー、残念。けどさ俺、しばらく会場にいるから、彼氏とはぐれたら声かけたってや」
と言い残して軽やかに清一郎は去った。
ナンパの極意は『数打ちゃ当たる』、こんなもの失敗にも入らない。
あのとき……。
夏だった。
アダム・スメルディン
は参道商店街で、
聖籠 あゆか
にぶつかってしまった。あゆかが落とした髪飾りを、アダムは拾って手渡そうとしたもの、彼の言葉がわからない彼女はひどく恐怖して、受け取らず逃げ去ってしまったのである。
あのとき、アダムは告げようとした。
これはお前の物だ、と。
以後も彼は何度も、夜ごと外を出歩くあゆかを街で見かけた。
けれども声をかけたり、ましてや追ったりは一度もしていない。不思議な女だといぶかりながらも、ただ見守るにとどめた。
今夜、アダムが外出したのは、ハロウィンの夜こそ彼女に髪飾りを返せるのではないかと思ったためである。
いつものようにあゆかを見つけ、後を付ける。
彼女は尾行にはまったく勘づいていないようだ。
彼女には連れがあった。初老の男性である。彼と彼女の会話の内容は理解できないが、浅からぬ縁であるのはその様子から伝わってきた。
アダムの前を、
木原 一颯
と
聖籠 あゆか
が連れだって歩く。
あゆかはハロウィン風のドレスであるが、目元にはベネチアンマスクをしている。これがあれば彼女でも、いくらかは明るい場所でも平気で過ごせる。
「師匠……師匠が寝子島に戻ってきてから一緒にお出かけするのって初めてだよね…楽しみだな~」
一颯は前にしたあゆかは、母親に甘える子猫のようだ。
「そうだったね」
一颯は詠嘆するようにつぶやいて、長く暮らしたヴェネツィアを偲ぶような眼をした。
やがて二人の前に、仮面舞踏会が姿をあらわした。それは海の上、オレンジ色の灯に照らされた幻想都市……そんな風に見えた。
「ああ……思い出すよ。二十年前、犯した罪から逃げるように旅立った水の都……そこで毎年催されたマスカレードの華やかな賑わい……」
あゆかは師匠を見上げた。
一颯の胸をよぎるのは、甘い記憶の追憶であろうか、それとも、錆びた刃物で刺されたような後悔の痛みであろうか。
彼の表情からは、いずれのようにもうかがえる。
実際はその、両方であった。過去の恋愛。それも、成就せず喪った恋の記憶というのは、えてしてそうしたものだ。
断片的なイメージが、一颯の頭を訪れては去る。あたかも、時の流れの残酷さを知るかのように。水の都への郷愁が、そこに鼈甲色のエッセンスを加えた。
胸を刺すのは喪った恋の痛み、
苦い別離の記憶と最愛の人の面影、
パイプオルガンの修理を頼まれ、赴いた修道院で知り合った敬虔な修道女……ルチア。
ドラマは劇的で、それでいて短かった。
彼と彼女は恋に落ち駆け落ちの約束をしたものの 彼女は約束の刻限、約束の場所に現れなかった。
――あれはマスカレードの晩……。
あのとき 勇気をだして追いかけていたら――そう思わないではいられない。
――物分かりよく諦めたりせず、泥水をすすっても探し求めようとしていたら、今僕の隣には君がいたかもしれない。
しかし詮なきことだ。人は、時計の針を戻すことなどできはしない。
それに今、一颯の横には愛弟子がいるではないか。寝子島で念願の店を開き、前途に希望を見ているあゆかが。
「師匠、踊ろうよ」
会場に着くなり、あゆかは元気に声を上げた。まだ一颯はモノクルを外し、仮面を付けているところであった。
「すぐに踊りたいのだね」
「そんな気分なの」
と言ってあゆかは言い直す。
「それとも、先に食事にする?」
「いいや、僕も踊りたい気分だった」
夜の海は静かで、黒くて、それでも無限の奥行きを感じさせる。
「広い海……」
音海なぎさは手すりに身をあずけて、水平線の果てに目を凝らしていた。
「いつかこの海の向こうに行けたら、ボクは何か変わるのだろうか……」
あの島の向こうにあるものは、ボクにどんな知識を与えてくれるのだろうか。
いつかの未来、ボクはこの世界の誰かを助けていけるのだろうか。
――この世界で困っている誰かを……。
潮風を吸い込むと、なんだか感傷的な気持ちになってきた。
さあ、ダンスフロアに戻ろう。誰かと知り合うかもしれない。発見があるかもしれない。
それらはなぎさの心に、何をもたらすだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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