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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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コンテストには観客として観に行ったはずが、サンマさんから、
「ステージはいいぞ」
と勧誘を受けてしまい、神野マキナと鴇波羽衣もコンテストに出ることになった。
その準備は手早く行われた。八神修たちが使った舞台背景は、いずれもその正体はブロック状のハリボテだったのだが、これをぐるっと裏返すだけで、場面は邸宅の内部から一気に、古めいた駅へと変貌する。
駅といっても電車のものではなくて、蒸気機関車のそれであった。時代も大正をイメージしたもので、たとえば看板の横書き文字にしたって、現代とは逆で右から左へ読む方式である。『ウイスキー』の表記も『ウヰスキー』だ。……おっと、『ーキスヰウ』か。
それは別れの舞台であった。
軍人さんつまりマキナが戦地に向かう。それを駅で、はいからさんな羽衣が見送る。典型的な、それだけに説明を省いても通じやすい舞台といえよう。
汽車の蒸気がシューッと音を上げる。メロウな音楽が、雑音混じりの古いレコード風に流された。
「あたしもマキナさんと一緒に行く! あたしも連れて行って!」
羽衣はマキナに追いすがった。その台詞回しがいささか生硬なのはご愛嬌だ。
ところがここでアクシデント、慣れぬ履物ゆえか羽衣は、すてっとつまずいてしてしまったのだ。
ここで慌てるようなマキナではなかった。むしろこれぞいい機会とばかりに、さっと彼女が転ぶより早く抱きとめて、さらには横抱きにして立ち上がった。
いわゆるお姫様抱っこというやつだ。すっくと立つ軍人がこれをするとなんとも絵になる。
嬉しさもあったが気恥ずかしさもあって、その両者がないまぜになった表情で羽衣はマキナを見上げた。
下から見るマキナさんも本当に格好いい、顎のラインはシャープで――と、思わず羽衣が考えてしまったのも仕方がないことだろう。
「えと……マキナさん……?」
羽衣は小声で告げるがマキナは、
「舞台を続けよう」
とやはり小声で返すのだ。
そうしておいてマキナは、張りのある声で台詞を口にした。
「必ずあなたの元へ帰ります」
情感を込めて、それこそ、本当にこのまま出征するのではないかと羽衣が錯覚してしまうほどに。
別れを意味する音楽が流れる。……ショパン『別れの曲』を琴で奏でた音楽が。
そうして、舞台は暗転した。
暗転した舞台から袖に移行して、ふうとマキナは安堵のため息をついた。
「羽衣ちゃん、こんな感じで大丈夫だったかなー?」
もちろん、と羽衣は応じて、
「マキナさんかっこよかった! 本物の軍人さんみたい! すっごくいい思い出になったよ、ありがとう♪」
と自分からマキナの両手を握って、最高の微笑みを見せるのだった。
「こういうイベントも面白いね、参加できてよかったよ」
マキナは言った。偽らざる本心だ。
きっとこういうタイミングでもないと、なかなか着られない服装でもあったし、舞台上で羽衣を抱き上げることなんて、滅多にあることではないから。
多喜勇生は今、舞台の上にいる。
大正時代のセットは片付けられており、ステージ上はほとんど何もない。素の状態だ。その状態で、久須部紀伸と二人、立っている。
気味の悪い、けれども不思議と美旋律を内包した音楽が鳴り始めた。これは紀伸が用意したものだ。
――うぅ緊張するけど……。
ちらっと紀伸のほうを見た。『ドクトルデドリ』は相も変わらず不吉な存在感を発しているが、どうやら勇生の行動を待っている模様だ。どうもゾンビの自分が、先に何か仕掛けなければならないらしい……問題は、彼ら二人は結局打ち合わせらしい打ち合わせをしておらず、無策のぶっつけ本番でこの場に来てしまったといことだろう。
――ギクシャクしてればゾンビっぽくて良いですなんて久須部さんは言ってるけど大丈夫かな……。
だが勇生は念じる。今の自分はゾンビだ、多喜勇生ではないのだ。ゾンビならばゾンビらしくふるまうまで。うかつに、映画『死霊の瞳』の宣伝に悩むのはやめよう。
そうだ、ゾンビ本能の赴くまま行動すればいい!
こうなりゃヤケだ。
「うううう……」
腐った人間らしい呻きとともに勇生はずるずると足を引きずり、虚ろに手を伸ばしてヨタヨタと歩く。ときどき、倒れそうになりながら歩く。演じる際の参考は、これまで散々見てきたゾンビ映画だ。(といっても、近年の流行である『走るゾンビ』ではなく、古式ゆかしき『ノロノロゾンビ』で!)
こうしてリアリティたっぷりに演じてゾンビらしさをアピールすると、頃合いを見て舞台の中央に勇生は移動していった。
舞台中央、そう、そこには狂気の医者ドクトルデドリが立っている。
勇生はそこで、両手を構えて獲物に飛び掛るような、なんともゾンビっぽいポーズを決めたのである。
「ううー!」
吠え声を発してみたりして。
「クククク……」
するとここでようやく、氷の彫像みたく静止していたドクトルデドリつまり紀伸が、やや前屈みになり舞台を歩き始めたのである。
そして何度も、観客を品定めするように見つめたり、遠目で見たりを繰り返した上で、ニタッと物凄い笑みを見せた。まるで、「今夜の生け贄は見つかったぞ!」と言っているかのように。
ここで、ごおん、と効果音が鳴った。雷鳴の音だ。
するとこれと同時にドクトルは、人差し指で眼鏡のブリッジを押し上げて決めポーズを取ったのである! ゾンビもこれに寄り添って、気味の悪い、けれども観客の脳裏に焼きつくような姿勢をぴたりと決めた。まるで獲物に飛びかかる肉食獣のような。
拍手が鳴るなか、紀伸はさっと普段の彼に戻って、
「ホラー映画『死霊の瞳』は近日公開! ノベルティも配布しておりますのでぜひどうぞ!」
「よろしくお願いします~」
恥ずかしさと緊張感で「早く帰りたい!」と叫ぶ心を必死でごまかし、勇生は宣伝を行うのだ。
「ふぅ、やれることはやりました」
というのが、壇上を降りた紀伸の第一声だった。
「はぁ、本当に恥ずかしかった……」
と肩を落としながらも、勇生はそれなりに満足している。
――久須部さんはやりきった顔してるし宣伝にもなったかな?
これでよかったんだよね、と、勇生は己の胸に聞いてみる。そんな問いへの解答はすぐに与えられた。
なぜならステージを降りたとたん彼らは、たくさんの人々からノベルティたる眼球アメを求められたからだ!
やってよかったすべてに感謝、これぞ眼球(ガンキュー)・ベリー・マッチというやつであろう! ……すいません。
なお、本気度の高い彼らのホラーコスプレはその後の結果発表において、ハロウィン仮装コンテストの『ホラーメイク賞』に輝いたことを先に記しておきたい。
久須部紀伸さん、多喜勇生さん、ホラーメイク賞受賞おめでとう!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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