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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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トリエンナーレに水着コンテストに、演劇フェス……寝子島に来て以来、とかく人前に出るイベントに事欠くことはなかった。いい加減こういうステージも慣れたものである。
ただ、それがいいことか、悪いことなのかはわからない。
舞台度胸がついたということもできるが、逆に言えば、本来人前に出たとき感じるピュアな気持ちを失ったということかもしれないのだから。
桃川 圭花
は、ふとそんなことを考える。
考えたときにはもう、舞台の上にいた。
どちらでもいい――結論は棚上げする。今は、今すべきことをうまくやろう。
圭花が扮するのは、孤独な人造人間だった。
その人は、あまりに多くのベルトで拘束されていて、右手は鋭利な鋏だらけで、ゆえにその手は、触れるものを傷つけずにはいられない。首に填められた冷たい鉄の話も、誰かに支配されているという象徴のようであった。
すでに秋の太陽は沈み、宵闇が訪れている。
圭花のステージには、最低限のスポットライト以外の舞台装置はない。マイクも使っていなかった。なぜなら彼女が演じているのは、サイレント劇であったから。
それなのに、いや、それゆえに、観客の視線は彼女に集中する。一挙手一投足を、見逃すまいとするかのように。
ところが圭花の静かながら悲しげな表情は、ことさらに客席を眺め回し、どこか茫洋としているのだった。
――そう、ほんとは私、あの人を探してる。
どこにいるのだろう。彼女は。
このところいつだって、近くで見守ってくれて、でも隣にはいなくて。
こんなので壁を感じるのってヘンなのかもしれないし、そもそも自分の立場を考えなくちゃいけないって、そう思ったことだってあった。
だけど今は、やっぱり会いたい。見つけられなくてなおさら強く思う。
――今すぐ、会いたい。
このとき音もなく、圭花の背後にひとつ、影が持ち上がった。
ステージ隅に放置されていた黒い布だ。圭花が演技をはじめるまでは存在していなかった。いつの間にかそっと置かれたものらしい。
影はゆっくり圭花に近づいていくが、脚光が当たらないため存在は認識されていない。観客にはもちろん、圭花にも。
だがあと一メートルほどの距離で、影は静止した。そしてしばし、圭花の動きを観察するようにそのままの姿勢でいた。
やがて、ゆらりと影はふたたび動いた。
そうして、
「つ か ま え た」
と告げて八本もある蜘蛛のような脚で、圭花の背を抱きしめたのである。
圭花がこのとき発した言葉が、「ひゃあ」だったか「わあ」だったかは圭花自身、覚えていない。
それでも、自分でもよくわからないくらい驚愕したこと、それは事実だ。
――ここはステージの上なのに……一体誰?
けれども闖入者に問いかける言葉を圭花は持たない。持つ必要がない。
とっくに知っていたからだ。
――私相手に、こんな馬鹿で最低で、素敵なことする度胸があるのは……。
獅子島 市子
の他には、ない。
すぐ振り向いて抱きしめたい、そう願う圭花であったが、ここはステージの上だ。困惑を収めず収められず、ともかくも演技を続行する。
だが頭は混乱していた。四肢はじたばたしてしまう。
それを市子は感じ取ってか、圭花のもがく演技に合わせ、蜘蛛脚を広げたり閉じたりしている。
その合間に市子は、圭花の耳朶に息を吹きかけるようにして囁くのだ。
「人造人間の演技……迫真のものがあったよ。また伸びたね」
でも、と囁きに青い色が混ざる。
「役に引っ張られてる?」
拗ねているわけではない。だが圭花は直接、言葉で市子に答えることをしなかった。
ただ、あがくような動きをもって伝えたのだ。『人造人間は役であり、同時に、圭花自身でもある』ということを。
「……そっか」
市子は、理解した。
「ごめんね」
市子にだけ聞こえるように返事をしようか――そう考えた圭花だがしかし、市子への想いをわずか一言二言で済ませられるはずもないとたちまち察して、だからこう伝えた。
それは、投了の意志だった。
「今からデート、しよっか」
あとはこれから、市子がする無茶に身を任せることにする。
なぜって今の圭花は蝶、蜘蛛に逆らえるはずがないではないか。
「……へ?」
一方、市子は投げられたこの展開に、どうにも動揺を隠せない。
「この場でそー来る? ………っとに、このコはいっつもあたしが欲しいモノくれて」
圭花が首だけ後ろに向けて、目だけで問うた、「嫌なの?」と。
これだけ煽られて、黙って引き下がる市子ではない。
もう演劇は、終わりだ。
「ばか、トーゼンだろ――ほら!」
声を上げるや市子は圭花の手をとり、つかつかと歩いてステージ外へまで引っ張っていく。そうしてステージ脇の階段を駆け下りそのまま、唖然とする観客をよそに、風のように中央を突っ切って会場から出て行くのだった。
しかしホテルの敷地を出る間際、ぴたりと止まって市子は振り向いたのである。
「あー…」
言葉を探すようにしながら、覆面をとって捨ててしまう。
「つまり……」
まだ適切な言葉は見つからない。
けれどすぐに市子は気づく。一つの行動は千の言葉より雄弁であると。
だから市子は観念したように、圭花と向かい合うと彼女の両肩に手を置いて、
圭花の頬、
白く柔らかく冷ややかなその場所に……、
そっと口づけたのである。
客席に一言残そう。市子は晴れやかに告げた。
「……こーゆーワケだから。コッチは気にしねーで続けて。おっと。Happy Halloween!」
照れ笑いしながらも、市子は圭花に目配せしていた。
圭花はとうにその意味を理解している。
合図があったわけではないが、そこからすぐに二人とも、脱兎のごとく飛び出して行ったのだった。
ハロウィンから逃れよう。
寝子島ハロウィンデイズから、いちはやくエスケープしよう。
そうして、二人きりのデートを楽しむのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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