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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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彼の登場で、会場はにわかに色めきだった。
中沢 リッカルド
、寝子島町の町長である。いつだって陽気な町長は、この町、いや、寝子島を象徴するような人物といえるだろう。今日も彼はマイクのスイッチを入れて開口一番、
「チャオ~♪」
と歌うような声で挨拶した。どっとわき起こる拍手を受けて、
「グラッチェ、グラッチェ、今日はたくさんの皆さんに、集まってもらえてとっても感謝していますよ。天気もいいし風も涼しいし、絶好の仮装日よりですねえ」
失礼、と言ってここで、リッカルドはコウモリの覆面をポケットから取り出して被ったのである。コウモリといっても、そのままではなくてコウモリをモチーフにしたスーパーヒーローだ、コウモリ男参上! ただし顔だけ! これまた会場の爆笑を誘った。
「ついつい私も仮装、しちゃいましたよー。楽しんでいきましょう。できれば皆さんも、仮装してご覧いただけるとさいわいですね! 仮装なんて簡単です、たとえばネクタイを巻いている人は、これを頭に巻くだけで酔っ払いの仮装になります」
などとまた会場を沸かせた上で、リッカルドは自分とともに審査を行う二人を紹介した。
「まずはご存じ、サンマさんですね!」
「ガッツ見せてくれよな!」
颯爽とサンマさんが登場した。あいかわらず、黒いマントをひるがえしている。よく陽に照らされてテカテカしていた。
「そして今日はさらにスペシャルゲスト、かぼちゃさんも来てくれました-! どうぞー!」
「よろしくおねがいしまーす!」
と、ステージ脇から、うすら巨大なカボチャが出現した。これが、ジャック・オ・ランタンではなくただのカボチャ、それも、オレンジ色した西洋型ではなく、日本国内で一般的に消費される緑色の皮をしたカボチャだったのである。おそらく着ぐるみだろう、しゃんと伸びた二本の脚を生やしている(腕は中に収納されているようだ)。
どうにもコミカルな印象のまん丸な目と三角の口がついているが、目には睫毛がしっかり生えていた。声から考えても若い女性のようだ。
「私、かぼちゃさん! 『ちゃん』じゃなくて『さん』ね、そんなに若くないから……」
ふふ、と悩ましげに巨大カボチャは身をくねらせた、色っぽく見えなくもない。何者なのだ。
「さあ今日はこの三人でお送りしますよー。最後まで楽しんでいってくださーい!」
コウモリ覆面の町長、その両脇をか固めるのは巨大サンマに巨大カボチャだ。ものすごい絵面だが、これでこそ寝子島のハロウィンといっていいだろう!
楽しげな音楽がかかると、待ちかねたとばかりに手拍子が会場を満たした。
「さあ、晴れ舞台デスよ! 応援してマース!」
深縹露草がゴーサインを出した。準備万端、客席の温まり方も、これ以上望めないほどの域に達している。
行ってきますとばかりにうなずいて、スポットライトの下目指し、千鳥雅人は元気に駆け出していった。
「お菓子の国からやってきた、ケーキお化けだよー!」
大きな声で告げる。胸に付けたピンマイクは、これ以上望めないほどクリアな音質で雅人の声を響かせてくれた。
すると負けじとばかりに嵐のような喝采が、雅人と雅人の衣装を出迎えてくれたのである!
どういったらいいのだろう――雅人は思う。生きている、という実感があった。全身の細胞が躍動するような。この世に自分が生まれてきたことを、世界から祝福されているかのような!
「ホイップたっぷりのケーキをイメージした、ふわふわふりふりの衣装なんだよー」
なんとも美味しそうなこの仮装、思わず空腹を訴えた客も少なくはないだろう。
見せ場到来とばかりに、雅人はくるっと独楽のように回転した。こうやって衣装もふわっとさせて――しかしその狙いは成功したものの、ターンそのものは成功しなかった。
つまり、勢い余って転んでしまったということ。すてっ、と音がする。
「たはは、失敗失敗……」
雅人はちょっと恥ずかしくなり、頭をかきながら照れ笑いするわけだが、客席は温かい。
誰一人ブーイングなんてしない。むしろ「がんばれー」とか「可愛いー」なんて声援が寄せられた。むしろステージに、アクシデントによる花が咲いたかのようであった。
ありがとう、と言って雅人は振り向くと、用意しておいたケーキ状のバスケットをひとつずつ両手に提げ、
「甘いお菓子で、みんなを幸せにしちゃうぞ~!」
とアピールするのだった。後で配ろうと思っていたのだが、やはり空腹を感じていたのか、客席から「ちょうだーい!」「ください!」と言った声が次々と上がった。
「よーし!」
そうまで言われちゃ待っていられない。
雅人はバイタリティと笑顔と、そして手にしたバスケット内のクッキーを、客席前列に配っていった。右へ左へ走って、どんどん配布するのだ。大丈夫、たくさん用意してきたから。
「このクッキーはもらった物じゃなくて、俺が作ってきたものだよー」
雅人の動きをスポットライトが追ってくる。だからどれだけ動き回っても、彼はずっと光の中だ。
バスケットが空になると、改めて、
「ありがとー!」
雅人は一礼した。やりきった心境だ。感無量である。
ふたたび湧き起こったのは大きな喝采、そしてそこからギャロップのように連なる手拍子に送り出され、雅人はステージを後にした。
BGMが流れ出す。ピアノの音色だ。最初は静かに、やがてこれが荘厳なイントロへと発展すると、美しいクワイアが彩りを加えた。しかし静謐のときは短く終わった。突然、ナイフのように鋭いギターが切り込むようなリフを刻みはじめると、絨毯爆撃のようなドラムが轟き、曲の真の姿をあらわにする。かくて壮絶に盛り上がるなか、艶やかなヴォーカルが切なくも美しい物語を紡ぎはじめた……。
タイトルは『Blood rose』、ヴィジュアル系ロックバンド『lie』の曲である。これに導かれるように現れしは、
唐沢 一也
と
神無月 ひふみ
、つまり『lie』のメンバー二人なのだった。腕を組んでやってきた。
すでに彼らは知名度がある。連れだって姿を見せただけで、黄色い声援が次々とあがった。どうやらずっと待っていたものらしい、ステージの最前列はほとんど、ゴシックな衣装に身を包んだ女性たちだ。
一也とひふみは、普段とは姿が異なっている。
彼のほうは吸血鬼、黒衣だが外套の裏地は薔薇の赤で、
彼女のほうはその花嫁、やはり鮮血のような赤のドレスに身を包んでいるのだ。
音量が下げられたのを機に、一也はマイクを手にした。声援にこたえて、
「ありがとう、今日は新作ミニアルバム『Blood rose』の宣伝をかねてやってきた。この衣装はアルバムのジャケットと同じ、吸血鬼と花嫁の禁断愛がテーマだ」
吸血鬼に扮しているためか、一也の声色には高雅なものがあった。
――こういうのは恥ずかしがったほうがダッセーからな。
一也は堂々と、この役を演じるつもりである。このとき紅の花嫁、すなわちひふみは、
「ねえ一也 笑わないで聞いて」
やや唐突に、告げた。彼以上に彼女は、役に没頭しているのである。
「こないだ夢を見たの。夢の中の私は古いお城に住んでる……。一也は吸血鬼の伯爵、私はその生贄に捧げられた花嫁、私たちは血と血で契り合った夫婦として睦まじく永遠の夜を生きる……」
淀みなくひふみは告げた。まだ陽は出ているというのに、一気に夜が訪れたような口調だった。
「はっ、まるでアルバムの世界に飛び込んだような夢だな。今の俺らみてー……なんつって」
一也はそう言って流そうとするが、ひふみが己を解くことはない。
「馬鹿みたい? けどね、幸せだったの、とても。夢から醒めたくないくらい……」
と言いながら彼女は一也の首に両腕をまわし キスをねだるようなポーズをとったのである。『lie』のファンたちが息を飲むのがわかった。
「今 目の前に一也がいる……この現実だって信じられない位幸せで夢の続きにいるみたい」
ますます客席の動揺が大きくなった。まるでこの世界に釣り込まれたかのように。
――おい、あんまり動揺されると俺も恥ずかしくなんだろーが。
と一也は思うが口には出さない。そのかわり花嫁を愛でるように一度だけ抱き、さっと離して身を翻すと、ステージ袖からギターを受け取った。アコースティックギターだ。爪弾く。
これはアルバムのラストに収められているアコースティックバラードだ。
ひふみはうなずいて、セイレーンのような美しい歌声を曲に乗せた。
――私と一也の情熱の結晶が一人でも多くの人に届くよう願って……。
たっぷりと、情感をこめて唄う。
――この歌は私達の子どもね。
ふと涙が一条、ひふみの右目からこぼれ落ちた。
なぜだろう。悲しいわけではない。それなのに、胸が詰まった。
曲を終え、一也は一礼して告げた。
「さて、そんな訳でlieのニューアルバムをよろしくな。ボーナストラックで神無月の曲も入っている。さっきの曲だ」
という彼の口調が、なぜか少し、乱れていた。
とはいえ一也はひふみにその理由を、言うわけにはいかなかった。
――歌う神無月はやっぱスゲー綺麗だ……。
思わず見とれて演奏が止まりそうになったなどと、正直に言えるはずがないではないか。
「すごい……」
バンド『lie』の二人の演出を、ステージ袖で眺めているのは
神薙 焔
である。
凝った仮装であり凝った演出だ。さすが現役ヴィジュアル系バンドといったところだろう。
――といっても、負けるわけにはいかないのよね……。
焔には焔の見せ方がある。焔の衣装は手作り、といってもあちこち、借り物で補強してある。といって半端なのかといえばそうではない。むしろ我ながら、よくできていると驚嘆するほどの完成度だった。だからこそ、見せ方にはこだわりたいのだ。
一也とひふみが、拍手に送られて退場していく。
「いよいよね……!」
焔は軽く深呼吸すると、スタッフにゴーサインを出した。
「準備よし、さあ、海賊の時間よ!」
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桂木京介
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
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日常
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定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
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