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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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彼女は秋冬用の一般的な服装だ。仮装はしていない。
風が彼女の前髪を揺らした。しかしその、はらりという幽かな音が聞こえることはなかった。
かわりに聞こえるのは賑わい。笑い声やはしゃぐ声、ポップコーンの弾ける音、菓子をかじる音まで含めた、太陽の色をした雑多な音だ。
それは、島を挙げてのハロウィンがもたらしているものである。
太陽の色なのは音のみではない。目に入るもの、匂い、この場を埋め尽くしているもの、ほとんどすべてだった。むやみやたらに楽しげというか、浮かれ騒いでいるというか……ほとんど躁状態だ。空から黄金でも、降り注いでいるとでもいうかのように。
……少なくとも、
葉利沢 倫理子
の目には沿う見える。
華やいだこの雰囲気は、たとえそのただ中にいても、ひどく遠いものに感じてしまう。
映画と同じだ。映画の中の世界とは、決して触れあうことができない。
あるいは凍え死にゆく少女が、擦ったマッチの灯の中に見る夢のようなものだろうか。
それでも倫理子が、見物がてらパレードを歩いているのは、決してこれが嫌いではないからだ。
歩きながらも途中で何度か小休止を入れた。何しろ病みあがりの身である。少しのことでも疲れてしまう。今も倫理子は用意された椅子に座って休息し、仮装の人々を眺めているところだ。
色々な仮装がある。本格的なものから、お手軽なものまで。見ていて彼女は、何となく微笑ましく思った。
そういえば――倫理子は回想する。中学1年と2年の時、ハロウィンで仮装した思い出を。
倫理子が選んだ衣装は、二年連続で魔女だった。あの頃はまだ、周囲の皆が自分を受け入れてくれていたと思う。
そうだ、受け入れられていたはずだ。
中学2年生のハロウィンが終わり、そこから一ヶ月半ほどして14歳の誕生日を迎え、その数日後にあの忌わしい夜を迎えるまでは……。
息苦しさ、激しい痛み、血の匂い、そして絶望の黒い色……。
「私は一体何を考えてるの!」
天地が歪んで見えるほどの目眩が倫理子を襲っていた。
倫理子は両手で頭を抱えた。そうして必死で、過去の記憶のフラッシュバックをこらえた。
――こんなところで思い出したくない。こんなところで、昔のことを思い出そうとするなんて!
「私は一体……!」
彼女は体を折って、この感覚が鎮まるのを待った。
パレードを行き交う多くの人、たくさんの目。
けれどもその目のわずか一つとて、倫理子に気付くことはない。
そろそろ夕方になる。
鴻上彰尋は妹弟を連れてゆっくり見物していたが、パレードが終わる前に『Huit Feuilles』にやってきていた。
この場所を最後に選んだのはたまたまだが、もう終盤のせいか店内はゆったりと空いており、チョイスとしては正しかったと思う。
――小さな子にとって、パイは持ち運びにも食べるのにも一苦労するからな……混んでいる店内で、うっかり潰れることにならなくて良かった。
ただ、ぎりぎりのタイミングだったといえるかもしれない。もう店内は片付けがはじまっていたからだ。どうもパイが切れたらしい。
「ラッキー! ちょうど三個、これが当店本日ラストの配布用パイっすよ、オーライ?」
中学生くらいの店員(青木慎之介)が、笑顔で彰尋にパイを渡してくれた。なんとなく親しみのある笑顔だったので、彰尋は思わず問うた。
「忙しかったかい?」
「そりゃーもう、ベリー・ビジー・エクスプロイテーションだったっす!」
言葉の意味はよくわからないが、とにかくすごい自信のようである。
ちなみに『エクスプロイテーション(exploitation)』は『搾取』なのでまったくもって謎用法だ。おそらく慎之介は『エクスプロージョン(explosion=爆発)』と言いたかったのだと思われる。……まあ、『ベリー・ビジー・エクスプロージョン』でも英語としてはまるっきり通じないだろうけども。
しかし彰尋はそんな無情なるツッコミは入れず、肩を叩くような優しいねぎらいの言葉をかけるのであった。
「なるほど。お疲れ様」
と言って振り返ったとき、ふと店内のある客に彰尋の目は止まった。
お土産用パイの包みを手に、あれこれ店内を物珍しそうに物色しているその姿は、ブロンド碧眼で10歳前後、そしてヴァンパイアの仮装……夜海霧楓から聞いていた、トワ・E・ライトフェロゥそっくりではないか。
「おや、もしかして彼の探して子じゃあ……」
声をかけようかと思ったそのとき、少女は店外に何かを見つけたらしく、
「次のターゲットはあのmerfolk(まーふぉーく)デス!」
と声を上げ小走りで店から出てしまった。
「あっ……」
自分一人なら追うのはたやすい。けれども今、彰尋は幼い妹と弟を見なければならない。結局、声をかけることもできぬまま、彼女を見送ることになってしまった。
「二人とも無事に会えるといいんだが……」
ちょうどその頃、楓は洋菓子店『Raton』にいた。
「仕事中すまないが……あー、妙に英語の発音のいい、吸血鬼の衣装を着た金髪の女の子が来なかったか。もしかしたら変な想像を膨らませてるかもしれねぇが、そんなんじゃなくて義理の妹だ」
「変な想像!? どんな!?」
吸血鬼少女という言葉よりも、店員(野々ののこ)はそちらの言葉に反応した。
まさかそこにツッコまれるとは思わず、楓はちょっと口ごもったもののなんとか応じる。
「え? ……いや……たとえば……愛人だとか……」
するとののこは、ぴんと人差し指を立てて頬を膨らませたのである。
「しないしないそんな想像! エッチなゲームのしすぎだよ!」
「えっちなゲーム!?」
「もしくは、『おちこぼれ姫のナントカカントカ』とかの読み過ぎ!」
「ナントカカントカって何だ? おちこぼれ姫??」
「そういうエッチな本のシリーズがあるの! 最新刊は『おちこぼれ姫と愛欲のいななき』!」
ここに海原茂がいれば「ちがーう!」と飛び上がって怒ったかもしれないが、幸いにもその影はなかった。
「その……ゲームだとか本とかの話をしにきたわけではねぇんだが」
「そうだった! 吸血鬼の衣装を着た金髪の義妹さんだったね!」
「私、見たかもしれない」
このとき声を上げたのは、同じく店員の紅林柳霞である。
「なんか……咬まれた。軽くだけど。あと、自分のこと『トワ』って……」
「それだ! 迷惑をかけたようで、すまん。やつはまだ日本語に慣れてないんだ」
楓は頭を下げた。『隙間屋・今鯛』では鷹取洋二から、「見かけたけど行ってしまった」という情報を得た。そこでシーサイドタウンにいると思って、目を皿のようにしてゆっくり探しながら『Raton』まで来たのだ。ところがトワはもうその先に行っているとは……。
結局この『Raton』で得たのは、もうトワはここにいないという事実の確認と、世の中には『おちこぼれ姫のナントカカントカ』というエッチ風味の本のシリーズがあるらしいという情報だけだった。
……ていうか、役立つのか、その情報。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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