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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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そろそろ夕方が近づいてきた。
「トリックオアトリート! お菓子をもらってくれなきゃイタズラするわよ。逆にくれるのでも構わないけれど」
花風冴来がそう言って、道々、いろいろな人に声をかけている。これぞ逆ハロウィンの醍醐味、こうやって手作りしていたお菓子を配るのだ。
お菓子を手渡すとき、冴来はできるだけこう言うようにしていた。
「このお菓子には魔法がかかっているの。食べた人に近いうち幸福が訪れる魔法が、ね」
それは彼女の、心からの願いだ。
北原みゆき、飛吹勘助も同じようにして興じていた。知り合いに会ったり、面白いコスプレの人と話せたり、となかなか楽しい。
同行の飛吹蓮太郎は子どもたち以上に張り切っていて、
「ウェーイ! 可愛いお嬢さん! 空手ファイターのコスプレかな?」
なんて跳ねるような口調で、たまたま歩いていた稽古着姿の少女に声をかけていた。
よく日焼けした健康的な肌をした少女だが、
「コスプレ? ……違う。普段着だ」
と返してきた視線は匕首のように鋭い。思わず蓮太郎は、喉元に刃を突きつけられた気持ちになった。けれど彼はめげない。バスケットを見えるようにして、
「なるほどこれは失礼。だけど可愛いのは間違いないね! トリック・オア・トリート、お菓子と、俺の愛情のこもったイタズラと、どっちがいい?」
「ふざけんな、どっちもいらねえ」
不機嫌そうに彼女……
詠 寛美
は返したのである。寝子島に越してきたばかりの寛美は、この祝祭が理解できていない。今日も稽古着でランニング中に、このパレードのさなかに足を踏み入れてしまったのである。
ところが蓮太郎という人は、ふざけるな、と言われるとふざけてみたくなる体質なのだった。彼は手早く周囲を見て冴来が見ていないのを察知してから、
「なるほど、では『イタズラ』がご希望のようだねっ☆」
と両腕で寛美をハグにかかった! セクハラ? いいえスキンシップです!
飛吹蓮太郎はこの道(ハグ道?)の達人だ。彼の瞬間的なとびつきはこれまで、いかなる女子にも(いや男子にも)回避されたことがなかった。
だというのに、
「えっ!?」
瞬間、蓮太郎の天地は逆になった。
どすっ、と背中が石畳を叩いている。
一本背負いに投げられたことを、彼が悟ったのは数秒後である。あまりに見事に投げられ、また、痛みがほとんどないので、それと理解するのに時間がかかったのである。
「勘助くんのお父さん……大丈夫ですか?」
みゆきが声をかけてきたので、「ああ」と蓮太郎は彼女の手を借りて立ち上がった。
「ありがとう、みゆきちゃん。俺、どうなってた?」
「振り返ったらそうやって倒れてたんですけど……」
「親父、大丈夫……?」
勘助も駆け寄ってくる。
「貧血でも、起こした……? 疲れたの?」
ああそうか――周囲を見回して蓮太郎は、すでにあの稽古着の少女が姿を消していることを知った。一部始終を見ていない勘助たちが、蓮太郎がいきなり一人で倒れたように思ったとしても仕方があるまい。
それにしても見事な技術だ。身を隠す素早さも含めて、ちょっと人間わざとは思えない。今日はハロウィンだから、ひょっとしたら本当のお化けに出会ってしまったのだろうか。
しかしその考えを、すぐに蓮太郎は打ち消した。投げられたときの感覚、あれは夢ではなかったし、彼女の腕の力には実在感があった。
まあお化けであっても構わない。彼女みたいに可愛いお化けなら平気だ。
「なるほど蓮太郎さんが……やはりお疲れなのですね。ちょっと休みます?」
冴来もやってきて声をかけてくれたのだが、蓮太郎は静かに笑って告げた。
「それなら冴来ちゃんの魔法がいいな。元気になる魔法」
「そういう魔法ではありません」
なにか刺激されたのか、冴来は月の杖を持ち上げて告げた。
「蓮太郎さんには魔法の実験台になってもらうわ! そうれ、お菓子になってしまいなさい!」
くるり、っと杖を一回転して頭上にかざす。
もちろん、なにか起こったりはしない。これは冴来が、お菓子を拒む人に用意した『トリック』であった。
「……あら、おかしいわ。失敗してしまったみたい……」
「ははは、一命を取り留めたな。けど、元気でたよ」
しかし大事を取ることにして、彼らは通りに設置された野外テーブルを囲み、簡易の椅子に腰を下ろしたのである。
周囲には同様のテーブルが数個あり、いずれにおいても仮装した人々が、茶を飲んだり談笑したりしている。
「かなりお菓子減りましたね」
みゆきは籠をのぞいて言う。それは嬉しい反面、なんだか物寂しくもあった。
「そうね。『Raton』にはまだ行っていないから、もう少し減ったら行ってみる?」
「いいですね! そろそろ『Raton』も空いてきたでしょうし、店で打ち上げができたら……と思います」
女子二人の話を聞いているのかいないのか、蓮太郎は彼らに背を向けたまま、ぼんやりと通りを眺めていた。
思い立って、勘助は椅子を蓮太郎に寄せる。
「親父……これ」
「鬼饅頭か」
「食べて。俺が、作った」
「すまんな」
蓮太郎はそれだけ言うと、ぱりぱりと包みを剥がしていく。表情が冴えない。でもそれは、疲れているとか、そういうせいではないようだ。蓮太郎はなんだか、ここではないどこか遠くを見ている……そんな風に勘助の目には映った。
しばらく黙って咀嚼して饅頭を食べ終わると、蓮太郎はつぶやくような声で言った。
「勘助の鬼饅頭……すごく美味しい。アリアがいたら、すぐに食いついちゃうんだろうな……」
やっぱり、と勘助はため息をつくように応じた。
「お母さんのこと、気にしてたんだ……俺も、思った……でも、今を楽しまなきゃ、損だって……親父が、いつも、言ってた……よね?」
ふっ、と蓮太郎の口元がほころんだ。一本取られたな、と言っているかのように。
「……勘助、心配かけてごめん。勘助たちが楽しんでいるのに、僕がいつの間にか沈んじゃって……」
蓮太郎が『僕』という一人称を使うとき、それは彼が、内省的になっている証拠だと勘助は知っている。けれどもそれを指摘したりせず、勘助はこう呼びかけた。
「お母さんは、きっと、どこかで、楽しんでる。だから、俺たちも、思いっきり、楽しもう……!」
ああ、と短く蓮太郎は答えた。
――アリア、今でもどこかで勘助達を見守ったり、ハロウィンを楽しんでたりしているかな?
「なら、僕も思いっきり楽しもう」
いつか、お化けのアリアに会ったとき、「トリック・オア・トリート」って、逆に返せるように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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