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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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隙間屋・今鯛、そこはシーサイドタウン駅近くにある持ち帰り専門のたい焼き・たこ焼き屋だ。
日本の技術恐るべし、こんな狭い場所に店があるとは! と、かのシーボルトも唸ったという嘘伝説(嘘かよ)も残されているというくらい、仰天の激狭スペースに、ほとんど無理矢理の勢いで店舗が構えられている。だからものの配置も構造も、実に効率的で考え抜かれた配置になっている。
今、店主がガンガンたい焼きたこ焼きを焼くその前では、手伝い志願の
鷹取 洋二
が、この季節というのに汗だくになって、注文取りから受け渡し、そして合言葉の受け取り役まで、たった一人で奮闘していた。
「さあさ、押さなくても逃げないよ。ハロウィン特別仕立て、かぼちゃの二色たい焼ならそれこそ、並べりゃ会津磐梯山三個分くらいは用意しているんだから焦らず並んで取りにおいでよ。……ん? 会津磐梯山ってどれくらいの高さなんだろうねえ。全然知らないねえ。つまりテキトー言うんじゃないよ、って話? 富士山にしとけばよかったよねえ。さあ、いらはい、いらはい」
ワカメのようなモシャっとした髪型、いつも眠そうな半目、一応ハンサムの範疇には入る整った顔立ちではあるが、言動がいろいろと天才的(悪い意味で!)なので、どうしても『残念な人』ジャンルに組み込まれてしまう少年、それが彼、ナチュラルボーン芸術科アズ・ノウン・アズ変な人、鷹取洋二なのである。
「Trick or Treat」
色にするなら薄いブルー、それも、溶けかけた氷みたいな温度のブルー。
そんな調子で気のない言葉を、洋二に向かって告げた姿があった。
すらりとした軍服姿、仮装なのは、わかる。けれどあまりに似合いすぎて、本職? と聞き返してしまうかもしれない。
それくらい説得力があるのが、本日の朝鳥さゆるの仮装なのであった。
そういえばこんな顔の先輩がいたっけ――なんとなくだが、さゆるは洋二の顔を覚えていた。ミネラルの高そうな(つまり海藻っぽい)髪型が記憶にはある。
自分は彼を覚えている――それはたまたま、彼が特殊なキャラをしているからだ。
だから逆に、こんな風に呼びかけられるとは、さゆるは思いもしなかった。
「おっ、君は寝子高の一年生だね。見覚えがあるよ」
さゆるはよく、実年齢より六、七歳上に間違われる。世の当たり前の15歳に比べると、ずっと重くてずっと濃い、血が流れるような、感情の突起がひとつずつ死ぬような、できれば知らずに済ませたほうが幸せな経験を、いくつも経てきているからだろう。その事実をさゆるは受け入れている。運命というよりは、一種の宿痾(しゅくあ)として。
だからさゆるは息を飲んだ。自分の年齢を、一発で見破った人間は本当に久しぶりだ。
「……見たことがあるの?」
滅多に学校に出ない自分を? その上覚えているというの? いつも存在感なんか消しているのに? 短い一言には、これだけの疑問符を暗に含めた。ところが、
「あるよ」
あっさりと洋二は言った。むしろそのあっさりさに、さゆるは落ち着きを取り戻す。
かまをかけているだけだ。
ナンパ師の使う手口である。「どこかで会ったよね?」をきっかけに、こちらの事情を手探りしてくる。そして思いを遂げようとする……薄汚れた肉欲を。彼がさゆるを『一年生』と言い当てたのは偶然にしてはできすぎだが、ありえない話でもないだろう。
よく見ればこの男、軽そうな顔をしている。一夜の遊び相手にしても、選ぶことはないと思う。
もう次に来る言葉がわかりきってしまったので、さゆるは彼への興味を失った。この手の輩が繰り出してくる常套句にして、言っている本人だけは殺し文句と思っている手垢まみれの三文台詞は『君みたいな美人を忘れるわけない』だ。
さゆるがすべき返事はひとつ、『あ、そう』でいい。それでさようなら。軽薄な人間はこの冷たい壁を越えられない。
しかしここでまた、洋二はさゆるの予想を外してきた。
「いつだったかな……そうだ、たしか講堂での全校集会だったかもしれない。あのとき校長先生か誰かの話が長引いて、みんな半分寝てた。けれど君はうつらうつらするでもなく、かといって真面目に聞く振りをするでもなく、ただ窓の外を見ていたよ」
すらすらと洋二はこう述べたのである。
「そのときね、僕も同じで窓のほうを見てたんだ。もっとも、この壁一面に芸術的なモザイク画を制作するとしたら、どんな図案がいいかなあ、って一生懸命考えてただけだけど」
さゆるには覚えがあった。何かの気まぐれで、つまらない全校集会に出てしまったことがある。そのとき自分はずっと、外の曇り空を見ていた。なんら面白いことのない雲ばかりの空を。青空でもなく雨空でもない。ただ、茫漠とした薄い灰色だった。それがなんだか自分に、似合いの空のような気がしたから。
「いやあ、あのとき、僕と同じで壁に造形をしたいと思う人がいるのかな……って、ちょっと嬉しかったんだけど、違ったかな? らくがお仮面って知らない? 実は……」
「もう結構」
さゆるは、洋二のことを押しのけていた。
「どうしたんだい?」
「もう結構、って言ったの」
さゆるは後ろも見ずに早足で駅の方向へと向かった。その背に、
「そうやっていつまで、君は逃げ続けるつもりなんだい?」
と、揺れる煙のように軽やかな、それでいてつかみ所のない洋二の声を聞くまでは。
――!
振り返ろうかと思った。事実、さゆるはそうしかけていた。
けれどもその気持ちを抑え込むと、彼女はまた、歩き出した。
洋二はさゆるの背を見送ると、ふっと静かに息を吐いた。そして、
「たい焼きくらい、もらっていけばいいのに」
と短く呟くと、また作業に戻ったのである。
それからまもなくして、
「洋二先輩じゃん!」
と姿を見せたのは、桜庭円だった。もちろん、にゃーくんも一緒だ。
「おお、桜庭くん、会いたかったよ。にゃーくんもね。いらっしゃい。カボチャの魔女とその使い魔ってところかな?」
「ところで先輩、さっき綺麗な女の人と話し込んでなかった?」
「綺麗? 美しい人ってことかい?」
「そうそう」
「僕が世界一美しいと思うのは僕自身さ~」
あっはっはー、とまったく恥じることなく言って、この人は自分のワカメ頭をかきあげる。
「……ああ、いつもの洋二先輩だ……なんだかほっとする……」
ぱちぱちぱち、思わず円から拍手が飛び出した。なおにゃーくんも見よう見まねで前足をぱたぱたとやってくれた。
「で、なんの質問だったっけ?」
「いや、もう訊く気なくなったよ……」
どうもこの洋二先輩、ウナギのようというかなまこのようというか、簡単につかませてくれない。くせ者というべきか、あまりに自然体でこちらのルールを超越しているというか……悟った行者のようでもあった。ある意味見習いたいではある。
「まあ待ちたまえよ桜庭くん。僕は、桜庭くんだってけっこう綺麗な子だと思ってるよ」
「い、いきなりなに!? 先輩、熱でもある!?」
「人の評価もたまには素直に聞くといいと思うよ」
「はは、あまり女の子として誉められたことがないもんで、ちょっとびっくりした」
円は力なく笑った。円には自分を、女の子としての魅力は薄い――と決めてかかっているところがある。それは、洋二に指摘されなくても自覚している。
「もっと自信を持っていいと思うんだ。うじうじしてると不細工になっちゃうよ。僕みたいにいつも、毎日笑ってくらさなきゃ」
「先輩は笑いすぎだと思う-」
「はっはっは、それもそうだ」
と、また笑う洋二なのだった。底抜けの明るさが彼にはあると、円はここに断言したい。ちょっと底が抜けすぎな気もするけれど。
「では、お菓子ください! トリックオアトリート! 駄目ならにゃーくんの肉球がきますよ!」
「肉球は肉球でいただくけど、たい焼きはあげようね」
こうして、ほかほかのたい焼きが紙に包まれた状態で、円の手に乗せられたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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