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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
【ハロウィン】軽音楽部ハロウィンライブ!
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カボチャのハリボテをつけたキーボード、その鍵盤を慈しむように、夢宮瑠奈は低音を鳴らしていた。本日、軽音の編成にベーシストはいないため、瑠奈の奏でる和音こそが、羽黒空のドラムとともに全員の音楽を支えるのだ。
――あせっちゃいけない。
鍵盤は瑠奈にとって、もはや肌のようなものである。皮膚呼吸するように優しく音を立てる。
――雰囲気に合うように、のんびり楽しく……。
夜の時間はあまり活動しない瑠奈なので、こんな遅くに演奏をするのは久しぶりだ。けれども昼間のエンターテイナー、アイドルのたまごは、夜であろうとアーティストであった。普段の溌剌とした音色を封印して、ぐっと大人っぽい彩りを漂わせる。
心を込めたこの旋律、星空にも届けと瑠奈は祈った。
その歌声は吐息のように、天界からの声のように。黒依アリーセはマイクスタンドに両手を添えて、美しいハイトーンでスキャットを行う。赤い薔薇が片目にかかるも、払いのけたりせず歌に心を注いだ。
いよいよですね……とアリーセの声は誘うのだ。
主役を……吾妻優を。
ついにこのとき、ミイラ男優は顔を上げた。
――あー、こりゃまた、盛況な、と言うか何というか……。
小さく優は息を飲み込んでいた。
会場は思った以上に盛況だ。たくさんの顔がある。
思い思いの仮面に隠されたたくさんの顔、そこからの視線が一斉に優に注がれていた。
――こんな所でライブかよ。すげぇな……。
我がことながら、もう笑っちゃいたいくらいに非現実な印象を受けた。
優とて、ステージに上がった経験は少なくない。けれどそれはライブのMCなど脇役ばかりで、こうしてフロントマンとして、音楽の渦の中心に立つのは完全に初体験だ。しかもそれが仮装なのである。
優はメーキャップ中、とりわけファンデーションを凛や瑠奈たちに塗られている間はひどく落ち着かなかった。けれども今感じているものは、メーキャップ中の緊張などとは明らかに規模が違う。
圧倒的なのだ。
圧倒的な、孤独。死の惑星にひとり、ぽつんと取り残されたような。
「……あー…あー」
優は腹の底に冷えたものを感じた。歌い出しに声が乗らなかった。かすれた空気が少し、こぼれただけだ。致命的なミスである。
――ったく、なにやってんだよ、俺……。
ところがこのとき、とん、と彼の肩にぶつかってきたものがある。
雨寺凛だった。それと、さらさらと流れる彼女の長い黒髪。
大丈夫――と言うように凛は彼を見上げて小さく微笑んだ。そしてさりげなく、歌い出しのフレーズをループさせて戻す。同時に、ふわりと幽霊のように回転して、衣装の裾をひらひら舞わせる。
凛だけではない。羽黒空もすぐに凛の試みに気がついて、ギターリフに合わせて曲を頭に導いた。
――ライブは生き物、蘇生術はドラマーにお任せあれ……ですよ。
空のスティックは魔法のように、生まれた疵を包んで消した。あまりに巧みな手腕である。この会場で、出だしの失敗に気がついた観客がどれほどいるだろう。
千明優輝もくるっと栗色の髪をなびかせ、ターンしてこれにならった。
――トライアゲインだね-。よーし。
なお優輝は、ウイッグをかぶることで『ろっこん』を発動している。ゆえに今の彼は、レコーディングエンジニアもかくやの絶対音感の持ち主なのだ。音像がぶれることはまったくない。
その優輝と音色を並べながら、ふふっと仲村渠鳴は笑みを浮かべる。
――こういうのって、独奏じゃ絶対できない展開だよね。
鳴は思う。もし今、優が一人きりで唄う場面であったら、もう今ので楽曲はグダグダになっていただろう。立ち上がりに失敗するとライブそのものがぐしゃぐしゃになる恐れもあった。これは、プロのステージングでもままあることだ。
けれどもステージの上にいるのは優一人ではない。バンドだ。寝子島高校軽音楽部というひとつの生き物だ。練習を重ね呼吸をひとつにしてきた彼らである。どこかにミスがあっても、すぐにフォローすることができる。
鳴はさらに情感を込め、優輝のキーボードと対位法を築き上げるのである。
災い転じて福と成す。たちまち音楽は最初よりも、ずっと情動的な艶を得ていた。夢宮瑠奈もいち早くそれを感じ取り、目を輝かせている。
――むしろ失敗があったから、よりいっそう良くったと思う!
瑠奈は目を閉じるのである――さあ、しっかりしっかり幸せを蒔こう……澄んだ星空に向けて、きれいな海にむけて。そして何より、この場の参加者に向けて。
アリーセは再び、透き通るようなスキャットを始めた。
――吾妻さん、さあ、今度こそ……。
このとき、アリーセの体から魂だけが抜け出して、透明な姿で自分の前に立ったように優は感じた。
それはアリーセの念なのだろうか。バンド全体の念なのだろうか。それとも音楽が具現化して、光に包まれて現れたものだろうか。
いずれにせよ彼は、それを美しいと思った。
無意識のうちに優は右手を前に出している。そうして、幻のアリーセの手を取って、唄い始めていた。
――ったく、ったく、メンドくせぇ……。
己への照れ隠しに、そんなことを考えながら。
曲のタイトルは、『仮面』。黒依アリーセが作詞を行った作品だ。
照れた笑い 熱い頬
仮面は隠す 素直な想い
知らずに手を取り踊るアナタ
仮面の奥に 隠した気持ち
アナタは気付いてくれるだろうか?
浸みる目尻 結んだ口
仮面は隠す 溢れた想い
踊りを終えてその手を離す
仮面の奥で 流れた涙
アナタは気付いていたのだろうか?
踊る 踊る 仮面のままで 今宵は演じる 理想の自分
揺れる 揺れる 仮面の奥の 瞳に秘めた 覚悟も揺れる
仮面を外し 笑顔を見せたら
アナタも笑ってくれるだろうか?
音楽の世界に入っていくに従い、優はまるで、曲世界が憑依したかのように切ない表情になっていく。
それはまるで、恋する乙女のよう。あるいはその恋を、胸に受け止める少年か。
体を揺らし始めていた観客たちは、2コーラス目に入る頃にはもう、我慢できないとでも言うかのように、それぞれのパートナーの手を取りステップを踏みはじめるのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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