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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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その頃、七峯亨はやはり狼男の扮装、これにベネチアンマスクを加えて舞踏会に加わっていた。
「夜はこれからだというのに、一匹狼は月ともはぐれてしまってね。よかったら俺の月になってはもらえないか」
そう言って彼が誘った相手は城山水樹だった。このとき水樹は、立食のテーブルに頬杖を突いて、なんとなくフロアを眺めていたのである。
「そうね……」
――狼男君、か。
ここまで、いくつかの誘いを断ってきた水樹だったが、亨を見てなんとなく気が変わった。彼の扮装の垂れた耳、垂れた尾が、哀れみを誘ったというのもある。
「いいわ、お願い」
水樹は彼の手を取った。過去を振り切るタイミングがあるとすれば、今かもしれない。
名も知らぬ、素顔も知らぬ同士の狼男とアンティークドール、一夜の夢はいずこに向かうか。
御巫時子は舞踏会をめぐりながら、ある人の姿を求めていた。
その人は、寝子島高校の教師、そして、時子の秘めたる想い人……五十嵐尚輝だ。
素顔が判らぬよう仮装したり仮面を着用している人たちばかりのこの場所、しかもけっこうな人出があるなかで、特定の誰かを探すのは困難かもしれない。
けれど、時子には自信があった。
もし尚輝を目にすることがあれば、すぐに気がつくだろうと。
期待もしていた。
近くにいれば皮膚感覚で、彼の存在を察知できるのではないかと。
ただ……そもそも彼が来場していないという可能性も、残念ながら考慮するほかはない。
――あまり先生と……音楽や踊りの話はしたことはありませんから。
尚輝がそうしたことに興味があるのか、時子にはわからない。むしろ、ないのではないかと思っている。
今夜も彼は化学室にこもって、実験をしているのではないだろうか、そんな気がした。
時子はバーカウンターの前を通りかかって、そういえば、と思い至った。
――尚輝先生がお酒飲む姿は見たことないですね……。
けれど彼女は夢見もする。いつか飲酒できる年齢になったら、こんなに素敵な場所で好きな人とグラスを傾けてみたいと。
満点の星空と波の音を背に。
その相手が、尚輝であれば、それこそ無上のことであるのだが。
――素敵な出会いって転がっていないものね……。
三夜深夜子は、音海なぎさとつないでいた手をほどいた。
「ありがとう」
と微笑んで一礼する。ただ内心、彼女はため息をついていた。
名も知らぬ少年(なぎさ)には何の悪意もないし、楽しく踊ることはできたものの、さすがにどう見ても、少年は自分より一回り以上年下だ。マスクをしているから正確なところは読み取れないものの、きっと高校生だろう。残念ながら、深夜子の求める『出会い』の範囲からは外れている。
「ありがとうございました」
と言って、少年はぺこりと頭を下げて離れていった。本当に感じのいい子だっただけに悔やまれる。ああもう十歳、いやせめて五歳でも、彼が歳を重ねていてくれたなら……。
本日深夜子は何人かと踊ったが、いずれもこんな風に『出会い』にはつながらない相手であった。
――こういう雑念にとらわれているのが、そもそもいけないのかしら……。
焦りがない、とは言わない。
いや正直、割と焦っている。
なにせ深夜子はもう28歳、恋愛をするのに遅すぎるとは言わないが、そろそろ将来のことを真剣に考えるべきときではある。『結婚』という二文字を意識するのであれば、特に。
なのに今夜、ダンスフロアで深夜子を誘ってくれるのは、ともに将来を考えるには、年上すぎたり年下すぎたりと、どうにも遠い男性ばかりなのだった。三十路前という年齢のせいなのだろうか。それとも内心の焦りが、適齢の男性を遠ざけているのだろうか。
そのとき、
「はいはいはいちょっと床にモップがけさせてもらいますよー、っと」
と言って、深夜子から少し離れた位置の汚れを、給仕の制服を来た青年がちゃっちゃと拭っていった。なにか食べ物が落ちた跡らしかった。実に早業だ。彼は現れたかと思ったらもう消えている。だから後ろ姿しか目にとまらなかった。
手際がいいのね――程度に思った彼女の背後から、
「ダンスの相手をお捜しかい?」
ついさっきの声がしたのである。そう、早業給仕の声だ。
「お誘い? 喜んで!」
ぱっと深夜子は顔を輝かせる。この際給仕でもいい。いやむしろ、さっきふと感じた威勢の良さは深夜子の好みではないか。もしかしてこれが、『出会い』……?
ところが振り返ってみて、仰天する。
――ら、雷一兄さん!? 何でここにいるのー!?
給仕は、三夜雷一だったのである。緋色に染めた髪をちらっと見た時点で気付くべきだったのだろう。けれど今日は仮装している人間ばかりで、そこまで深夜子も頭が回らなかった。
深夜子は、きっと自分が紅潮しているだろうと思った。相手は兄なのに、なぜか胸の高鳴りが止まらない。
そんな彼女の内心を知ってか知らずか、いやそもそも、正体に気がついていない様子で、
「さて俺は給仕なわけだが、どうにもこの職場ね、皿の上げ下げ、カクテル配り、皿洗いから果てはモップがけまで、なんとも忙しくてかなわねー。ってか、人使い荒すぎ、って思ってる」
ニヤリと笑うと、雷一は胸ポケットからベネチアンマスクを取り出して自分の顔に付けた。
「はいこれで舞踏会の客に『仮装』完了。ちょっとくらいサボってもバレねーよな……ってわけでお嬢さん、一曲付き合っていただこう」
雷一は優しく深夜子の手を取った。
「それでは参りましょうか? お姫様」
――お、おおお姫様って……!
あまりのことに深夜子は口がきけない。我が兄ながら、心ときめくのはなぜなのか?
とはいえ深夜子の理性の部分が、こう叫んでいるのも事実だった。
――そんな台詞は妹じゃなくて、他の女性に言いなさいーっ! ……って、私が私だって、気がついてないんだっけ……?
アップテンポな曲になったが、雷一のリードは完璧だった。そもそも今日までダンス未経験だった深夜子も、まるで背中に羽根が生えたように、軽やかに舞うことができたのだ。内心パニックだった深夜子の口元には、やがて笑みが広がっていった。
つづいて曲調が、ぐっとスローなものに変わった。フロアの男女は抱き合って踊っている。チークタイムなのだ。
当然のように、雷一は深夜子の背に腕を回したのである。深夜子は、あらがわなかった。
しばし言葉はなく、ただ音楽に身を任せていたが、やがて、
「あの……スタッフさん、仕事、しないでいいの?」
なんだか深夜子だと露呈するのが嫌で、深夜子は作り声で問うた。
「さっきも言っただろみやちゃん、少々のサボりもバレなきゃオッケーなのさ」
「そう……悪い人ね……」
――ん? 深夜子ははたと気がついた。
「『みやちゃん』って言った?」
「……あ、バレた」
ごりごりと、重い石臼を回すような声で深夜子は言った。
「
何でここにいるのかしら、雷一兄さん
」
「……何で、って……あー、まあ、バイトだ。言い換えれば勤労、ワーキング」
「いやそういう話じゃなくて……って、私、仮装しているのにわかったの?」
「あのなー、こちとら何年兄貴やってると思ってる?」
何年も妹をやっているのに、こっちは最初、声をかけられても気がつかなかったよ――という言葉は飲み込んでおいて、
「それで、妹をからかいたくなった、ってわけ?」
「そんなはずあるかよ」
ちょっと傷ついたように雷一は言ったのである。
「なんとなくだけどな、みやちゃん、寂しそうにしてたから……」
その言葉には直接応えず、ただ、雷一の胸に頭をもたせかけて深夜子は言った。
「……まあいいわ。ともかく、今日はずっと、『他人』ってことで。いい?」
「もちろんさ、お姫様」
どうもこの言葉に弱いのか、シューッと頭から湯気を上げそうになりながら深夜子は返すのである。
「そ、そんな言葉は他の女性に……!」
「今は『他人』じゃなかったっけ? 俺たち」
「もう!」
知らない、と言い放ち、深夜子は兄に回した腕に、ぎゅっと力を込めた。
妙な『出会い』になったものだが、実はそう、悪い気はしていない。
今夜は、三夜家の皆にお土産を買って帰ろう――そんなことも思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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