【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！｜リアクション

【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！

　　【大好きな、物語のような世界で】

　榛宮智が見た光景は、何とも不思議なものでした。
　カボチャのへんな生き物(恐らくいぬかねこでしょう)が、２匹とも手に猫じゃらしを持って広場の中心に置かれた噴水の周りを駆け回っています。
　そして、噴水を取り囲むように辺りを見回せば、広く取った空間の中を囲むように屋台が並んでいました。
　「何なんだろう……ここ……」
　見渡す限り、カボチャでいっぱい。カボチャの下には色とりどりの毛並みの存在が、広々とした空間で、あちこちにわちゃわちゃしています。
「ここ？　『どこでも無い広場』だよ」
　智が振り向くと、先程ねこじゃらしを振り回して走っていた自分よりも小さな２匹が立っていました。
「おとーさんのお話だと、いぬとねこが、だんぜつしてまじわりのないようにした空間を、有志のいぬねこが、かすめ取っ……いけないっ、こういう時はもらったって言わないといけないんだ！」
「『いぬとねこの中立共存を目指す会』の勇気ある行動のお陰で、手に入った初めてのとちなんだぞー。だから、それを広める為にもこのお祭には他の世界の存在も来れるようにしてあるんだって、だからとても凄いんだってー！」
　それを伝えると、２匹は再びきゃっきゃとかけっこに戻っていきました。
「『いぬとねこの中立共存を目指す会』……？　入り口の衛兵さんも同じようなことを言っていたような……
　でも……何だか本当に読んだ本のような世界だね……」
　智は、何か少し感動した様子で綺麗な青空を見上げて言いました。

　智には、この間、秋の読書週間で、読んだ小説『ネコの子供たち』と、それはとても良く似ていると思いました。
　それこそ、いぬの国まであるところまでそっくり。

「危ないことは、ないみたいだし、見て回ってもいいかな……？
　ちょっぴり不思議な世界だし、楽しいかもしれないや」