【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！｜リアクション

【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！

　　【花火の夜のプレゼント】

「あ、来た来た！　これは予想以上に見晴らしがいいねー！」
　黒ねこの桜庭円は、綾辻綾花と恵御納夏朝、夢宮瑠奈に猫の王さまの姿という少しだけ目立った集団を、あっという間に見つけました。
　場所取りをしたのは、小高い丘の上の一番高いまさに中央。
　その場所は、シートが上手く広がっていて、まさに特等席状態でした。

「良くやった、マドカ！　こんなに広い場所で花火が見られるのは何年ぶりか」
　そう言って円に礼を言った王さまは、いぬねこの足跡のついたシートの上に座り込みました。上手い場所取り、早めの時間、シートという道具を選択したのが成功した様子。この広さなら、誰が増えても大丈夫そうです。
　

「そうだ、王さま……あの、これ……っ、プレゼントですっ」
　そんな中、綾花が猫の王さまに緊張した様子で、一つの小さな布袋を手渡しました。
「ん？」
　猫の王さまが確認すると、中には、綾花が持っている指輪とそっくりな猫の手デザインの腕輪と、

　それに添え付けられている、猫の腕輪サイズに合った同じ金属で出来ている小さなユリのアクセント。
「……それで途中で居なくなったり、我輩に好きな物や色を聞いたりしてたのか……」
「はい。それで、これが一番しっくり来るなと思って」
「……。白いユリの花は大好きなんだ。しかも殆どアヤカとお揃いとは、ねこ……こほん！　もといカボチャ冥利に尽きる」
　猫の王さまは、カボチャで誤魔化さずに、綾花からもらった腕輪をもそもそと自分の左腕に付けました。

　──しかし、しばらくするとやはり恥ずかしいのか、猫の王さまは嬉しさを抱えつつも、頭にカボチャ帽子を押し付けて黙り込んでしまいました。