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【ハロウィン】パンプキン・ファンシードレス・キャンペーン
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「ええっと、花嫁衣裳はございますか?」
柔らかな物腰でそう尋ねたのは、
毒島 虹子
だった。
寝子島には最近転校してきた彼女にとって、アウトレットで行われるハロウィンイベントは興味深いものだった。本土でもハロウィンは徐々に根付きつつあるものだったが、ここまで大々的な仮装パーティはあまり行われていない。
毒島の言葉に、店員はもちろんですと何着かの純白の衣装を持ってきた。そのドレスはハロウィンということも考慮してか、一般的なウエディングドレスよりも少々色がくすんでほつれたような――あえてダメージドにしたデザインをしていた。亡者の花嫁が着るような若干の禍々しさ。しかし毒島にとってそれは好都合だった。
「まあ、素敵なデザイン。これならいい衣装になりそうですわ」
「こちらの品物、ご購入とレンタルどちらも可能となっておりますが……」
店員の言葉に、毒島は一瞬目をしばたかせた。彼女の頭にレンタルという発想がなかったからだ。
「え、ええと。そうですわね、購入させていただきますわ」
だってレンタルにしたら、とてもお返しできなくなってしまいますもの。
にっこりと、そんなことを考えながら毒島は微笑んでみせた。
彼女が次に向かったのは「つくる!」のコーナーであった。
毒島は大手アパレルメーカーのご令嬢である。服は自作したりオーダーメイドを頼むほどこだわりを持っており、またそれに見合うだけのファッションセンスも有していた。そんな彼女が、この仮装パレードという一大イベントにおいて既製品で済ませるはずがない。
(あとは包帯と赤い絵の具……毛糸……それに薄手の黒い布かしら)
更に必要な小道具を買い足して行くと、それらの道具をどさりと作業台に置いた。
「ふう……次は工作の時間ですわ」
小さく息を着くと、白のドレスにハサミを入れていく。
ジョギジョギと目立つ音を立てながら大胆に、しかし緻密な計算のもとハサミを動かしていき、あちこちを更にボロボロになるよう切り裂いた。せっかく買った衣装ではあるが、彼女の目指す芸術に近づけるためには必要な作業なのだ。
更に裂きすぎて露出が目立つ箇所は包帯で隠れるように、そしてその包帯やドレスには赤い絵の具で血がにじんだようなシミを。仕上げに毛糸をかぎ針で裂いて蜘蛛の巣のように広げると、先ほど購入した黒いヴェールの上にひっかける。
仕上がったのは、ぞっとするほど美しいゾンビの花嫁のドレス。
生きる亡者にふさわしい不気味さと、それでも失われない美しさが宿った一着は、服飾専門の芸術科生のなせる業である。
「あとはこれを着るだけですわ……っと」
完成した作品に見入っていると、ふいに視線を感じて毒島は顔を上げる。
目を向けると、そこには毒島のドレスを食い入るように見つめる
御巫 時子
の姿があった。
「……あっ、ごめんなさい。あまりに素敵なドレスだったので……」
自分が凝視していたことを悟られたことに、御巫は小さく頭を下げる。
そんな彼女に、毒島は小さく首を振った。
「あら、構いませんわ。それよりも、お褒めいただき光栄ですわ」
毒島がにっこりと笑ってそう返すと、安心したように御巫も笑顔を見せた。
「その衣装、今から着られるんですよね? もしよかったら、一緒に衣装コーナーまで行きませんか?」
目の前の少女がこのドレスをどのように着こなすのか、若干の興味があった。そんな彼女の内心を知ってか知らずか、毒島は嬉しそうにぱんと手を叩いてみせる。
「あら、嬉しいですわ。私、実は寝子島に転校してきたばかりで」
慣れない地で知人も少なく不安を感じていた――というほど、可憐なこの少女は脆くはない。しかし、内面にうずまく静かな狂気はいつだって演技の下に閉じ込められている。ありがとうございますわ、とあくまで友好的な表情で毒島は言った。
自分を誘ってくれたおっとりとした少女に他意はない。今日はせっかく老若男女が着飾ることを楽しめる素敵なイベントが開かれているのだ。せっかくならば存分に楽しみたいというのが彼女の素直な本音であった。
衣装ブースを訪れると、あら、と御巫が小さな声をあげた。
彼女の目は、試着室から出てきたばかりのひとりのバニーガールに向けられている。
「もしかして、冬華さん……ですか?」
御巫の声に、名前を呼ばれたバニーガール――
北条 冬華
は驚いたように顔を上げた。
「あっ、御巫さん! 偶然ですね」
2人は顔見知りであった。たまたま出会った友人の姿に一歩踏み出した北条は、そこではたと自分の格好を思い出したように立ち止まる。恥ずかしそうにもじもじとしているあたり、どうやら自ら望んでこの格好をしているようではないらしい。
「お2人はご友人同士ですの? ……ずいぶん過激なお友だちですわね」
北条の姿に思わず毒島がつぶやくと、北条は顔を赤らめてうつむいてみせた。
「え、ええっと、この格好は……店員さんに似合うからってすすめられたのですけど。……なんだか視線を感じるようで」
彼女の姿が店中の視線を集めるのも無理はない。整ったスタイルを惜しみなくさらけ出したバニーガールという衣装は、仮装の人だかりの中でも群を抜いて魅惑的だ。
それはいいとして、と自分に向けられた視線と話題を逸らすように北条が言う。
「お2人は何か着ないのですか? ここ、いろんな衣装がありますよ」
「私は自作したドレスがありますの。ええと、御巫さん、はどうされますの?」
道中に紹介してもらったばかりの名前を口にしつつ、毒島は御巫に尋ねる。
「そうですね……せっかくならこのランタンに似合うドレスを着ようと思ったのですけれど。……素敵な衣装が多くて、目移りしてしまいます」
そんな御巫の様子に、それならばと毒島は一歩前に出る。その人に似合う衣装を見繕うことなど毒島にとっては朝飯前だ。
「これとか御巫さんに似合うのではないでしょうか?」
あとはこれも……うん、いいですわね。
でもこっちの方がいいかしら?
真剣な目つきで、何着ものドレスを御巫の胸にあてがっていく。
そして最終的に毒島が見繕ったのは――紫地に白の細かいドット模様のゴシックワンピースだった。衣装に合わせて、毒島にヘアセットとメイクも施してもらっている。
ハロウィンらしくフリルの多い衣装ではあるが、深い紫の色が落ち着いた御巫によく似合っていた。手に握られたランタンにも、ワンピースの生地と同じ布のとんがり帽子がかぶせられている。
「御巫さん、とっても似合ってます。すごく可愛いですよ」
試着室からおずおずと出てきた友人の姿に、北条は顔をほころばせてそう言う。
「ありがとうございます、虹子さん……。私以上に、私に似合う服を選ぶのがお上手なんですね」
おっとりとそう言われると悪い気はしない。気に入っていただけたのなら、と毒島も嬉しそうに笑顔を返してみせる。
そう答える毒島は、御巫と同じタイミングで自分の衣装に着替えていた。禍々しい花嫁姿は思った以上によく似合っていて、思わず鏡の前でポーズをとってしまったほどだ。
「こちらの衣装は自作なんですよね? すごいです、プロみたいですね」
毒島の切り裂かれたドレスの布地を手にとって、北条が感心したように言葉を漏らす。
「ええ、こちらは自分でも思った以上に作れて満足していますわ」
「これで私たちも……ハロウィンの仲間入りですね」
3人の格好をゆっくり見回して、御巫が言う。
そうだ、今日のイベントは衣装を着て終わりではない。むしろ衣装を着てからがスタートなのだ。
どこに行こうかと北条が視線をめぐらせたとき、人ごみの中に見知った顔がいるのに気がついた。そこにいたのは、小柄だが独特の存在感を放っている少女――
旅鴉 月詠
だ。
「あ、旅鴉さんもいたんですね」
北条が声をかけると、旅鴉は小さくうなずいてみせた。
「ああ、せっかくのイベントだからね。たまにはこういうのもいいだろう」
そう言って彼女は着ているドレスを示してみせた。それはハロウィンらしいゴシックワンピースであるが、フリルやレースは抑え目で甘さよりもスマートな印象が強い。普段からカジュアルでボーイッシュ寄りの服装が多い旅鴉らしい出で立ちだ。
「今からみんなでどこか回ろうって話をしていたんですが、旅鴉さんもよかったらどうです?」
北条の誘いに、んー、と旅鴉は首をかしげた。
「せっかくのお誘いだが、ちょっと仕事があってね」
その答えを聞いた北条は、そうですか、と少し残念そうに言う。
「悪いね。……と、君たち。どこに行くか決めてないのなら、イートインコーナーのかぼちゃパイを食べたらどうかな」
とってもおいしいって評判だから、おすすめするよ。
そんなさりげない口調で――しっかりと宣伝する旅鴉であった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月15日
参加申し込みの期限
2015年05月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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